目立たず世界最強へ〜モブを装う者には裏の顔がある〜

冬城レイ

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第五章「ヴェタン王国で暗躍する!」前編

修学旅行先の裏事情

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「もうすぐ修学旅行があります!準備しといてください!」

 修学旅行。前世では特に楽しい思い出は……いや、雪の中にパンイチでの修行はしたな……。
 と言っても、去年、一昨年もなかった気が。

「今年から修学旅行ができた理由はですね、キガラシ商店の提供のお陰ですッ!!」

 生徒たちがざわつく。

「あの、キガラシ商店が?」
「まじかよッ!!」

 と、そんな感じで喜ばれるほど人気なキガラシ商店。
 旅行代はおいくら万ゼニーですかね?

「各自、旅行代は100万ゼニーです」

 おっと、これはッ!!稼げる!!
 これは国に感謝しかない。

 ■

「クロウ。金貸して」
「そうです。貸してください」
「嫌だ」
「なんでだよ!!」
「どうせ旅行代でしょ?でも、貸す理由ないし」
「旅行先はヴェタン王国だぜ?」

 ヴェタン王国か……一年上に先輩がいた気が……。

「ヴェタン王国は秩序の国。法は絶対であるから、治安が良いって聞きますよ!」
「へー」

 秩序の国、ね……なんだかきな臭い。

「わかった。僕のカードで払っといてあげる」
「サンキュー!!」
「ありがとうございます!」

 ■

 僕はキガラシ商店の地下に来た。

「ミレイア」
「なんですか!ボス!」
「ヴェタン王国について調べてくれ」
「了解です!!」

 そう言い、姿を消した。

「さて、金庫からお金を……」
「暗証番号……1111」

『認証完了』

「セキュリティよっわ……」

 いやでも、この世界には馴染みがないからこの世界では難しいのかもしれない。
 知ったこっちゃないけど。

 扉が開くと、目の前には金貨や銀貨、インゴットまで。
 キラキラしている。

「十億ゼニーいただきますよー」

 そう言い、袋に詰める。

 その後。

「よし」

 十億ゼニーをちゃんと取り、扉を閉め、寮へ戻った。

 ご飯は外食かな。たまにはステーキとか良いかも。

 その時、窓がコンコン、と叩かれた。

「入れ」
「ボス。失礼します」
「ヴェタン王国については調べられたんだな?」
「はい。何やら黒い噂がありまして……」
「申せ」

 少し間を置くミレイア。

「表向きは秩序の国として認知されていますが、裏では記録抹消の跡などが確認されています」
「と、なると……関わってくるのは」
「四葬聖教の幹部クラスかそれ以上……それか黒の色素かと」
「……他に、ヴェタン王国にはエルフが多いです」
「どれくらい?」
「ヴェタン王国の人口が500万。そのうち、200万人以上がエルフです」
「確かに、200万は多いと見える……」
「ラグナ様ならお気づきでしょうが……エルフが多いということは、少なからず、四大英雄の末裔が居ると思えます」

 たしかにそうだ。エルフが多い。なら、居る可能性もある。
 さすがミレイアだ。

「更にヴェタン王国には旧制度というものがあります」
「旧制度?」
「はい。現在の法が定められる前の法です。その旧制度の記録が残っていました」
「残したのか?」
「一部は現在の法に再利用されています」
「国民はその事実を知っているのか?」
「いえ、極秘法と言う、プライバシー尊重の法律を使って、隠しています。なので現在は、使われていないと思われています」

 秩序とは時代によって変わっていくのは当たり前……だが、これはおかしい。

 そしてミレイアが言う。

「修学旅行の訪問先に、その管理区画が含まれています」
「フッ……気が利くじゃないか」
「もちろんです」
「観光という名で潜入できる、と」
「はい。名目上は歴史学習ということで許可をもらっています」
「随分と親切だな」
「学生には裏は見えないと思われているのでしょう」

 そこで、僕はかっこよくするため、意味深な事を言う。

「いいや。これは……誰かが裏に踏ませたい、と考えたのだろう」
「なるほどッ!!」
「だが、今は理由が見通せない。だが、いつか分かる時が来るのは事実……その時まではただ見ていることしかできない」
「もちろんです」
「おそらくは黒の色素、聖教は関わっているはずだ。引き続き調査を」
「了解」

 ミレイアは青の霧になって消えた。

 旅行が楽しみだな。
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(新章です。五章が終われば、なろうと話が分岐します)
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