もふもふにゃんこ ゴマくんの冒険記

戸田 猫丸

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第3部〜ニャンバリアンの侵略編〜

第20話〜最強伝説の幕開け〜

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 叫んでみると。
 ボクの周りで、紫色の光がビカビカと光り始めた。キタぜキタぜキタぜキタぜぇー!!

「【暁闇ぎょうあんの勇者、ゴマ】!!」

 前足と後ろ足が、自由に動く! 右前足には、“暗黒剣・ニャインライヴ”が、体には、青紫色の鎧が装備される!

「……フン」

 ライムが、太い前足をブンと振った。すると、周りの地面から土の塊がいくつも盛り上がったかと思うと、ウニョーンとひとりでに形を変えていった。
 土の塊は、ボクと同じぐらいの背丈の、人形のような形になった。その姿を見て、すぐに分かった。
 夢で見た、泥人形だ――!

「やれ、【クレイ・ゴーレムソルジャー】」

 ライムの号令で、ニャン十体ものクレイ・ゴーレムソルジャー泥人形どもが、一斉にボクの方へ向かってきた。

 だが、こんニャ奴ら、敵じゃねえ。
 むしろストレス発散にちょうどイイぜ。

「ライム、見てやがれ!」

 ボクはまた地面を蹴って、白み始めた空を目がけて跳び上がった。
 見下ろすと、公園の地面に泥人形どもが100体近くいて、キョロキョロとボクを探してたり、ニャン匹かで固まってソールさんたちを襲おうとしていたりするのが見えた。

「【デス・アースクエイク】!!」

 “暗黒剣・ニャインライヴ”の刃先を泥人形の群れに向けて、一気にダイブする。風がやいばのようにボクの体の周りに吹きつけて、地面が迫ってくる。
 “暗黒剣・ニャインライヴ”は、近くにいた泥人形どもを巻き込んで、地面にブッ刺さった。

 土煙が立つと同時に破裂音が響いて、地面がカミナリみてえに割れていく。
 ボクはすぐにダッシュして、その場を離れた。

「……す、凄いぞ、ゴマくん!」
「ゴマ……!」

 ソールさんと母ちゃんが、ボクの方へ駆け寄って来る。
 割れた地面から見える真っ黒い谷底へ、泥人形の大群が塵みてえに吸われていく――。
 最後の1匹が谷底へ落っこちた後、割れた地面が元に戻っていく。気付けば、まるでニャニ事もなかったかのように、元の公園の景色に戻っていた。

「見たかよ、母ちゃん、ソールさん! このままライムもぶっ潰してやるぜ!!」
「待ってください、ゴマ!」
「ゴマくん、止まるんだ!」
 
 このままライムに、ネズミたちが受けた痛みを、味わわせてやる!!
 ボクはもう一度、跳び上がった。
 ライムはその場から一歩も動かず、ボクを見上げながら、眼帯をしてない方の目を細めてやがる。
 ケガしねえ程度に痛めつけて、タイタンやスピカみてえにローブでグルグル巻きにしてやろう。

「喰らえ、ライム!! “ダークブレイク”!!」

 ボクはライムの近くの地面を狙って、“暗黒剣・ニャインライヴ”を構えながら、急降下した。
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