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再出発
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夜のコンビニは、客も少なく、品出しや清掃が迅速にできた。しかし、ガラの悪い若者や酔っ払いの入店はしばしばあった。
風馬は、夜のコンビニのバイトを週4入れ、親の援助を受けながら、生計を立てていた。
風馬は、誰もいない店内の床をモップかけを始めた時だった。ズボンのポケットに入れていた携帯が震え出した。
風馬は、こっそり携帯を開くと、慌ててトイレに入った。
「もしもし⁈」
「もしもし?風馬?」
声の主は、陽奈だった。
「急にどうした⁈」
「今、◯◯駅にいるんだけど。迎えに来れる?」
「え⁈今?今、バイト中なんだけど」
「夜、人もいない駅に、女の子を一人にさせるの?」
「ぅう~。分かった。でも、1時間待ってくれないか?」
「1時間…分かった。待ってるから迎えにきてね」
電話を切ると、風馬はため息を吐いた。
「田沼さーん」
風馬は、夜勤バイトで入ってる田沼という中年の男に、親が急遽家に来たので早退させてほしいと嘘の事情を説明した。
風馬は、やりかけていた仕事を終わらせ、タクシーで駅に向かった。
駅に到着すると照明は落ち、真っ暗だった。風馬は、携帯を見るとメールが入っていた。陽奈から、駅前のコンビニで待つと。
駅前のコンビニに入ると、陽奈は雑誌を立ち読みしていた。
「陽奈」
「風馬。遅いから!駅閉めるって言われたからコンビニで待ってたよ」
「悪い。でも、バイト中で。…それに来ると思わなかったから…」
「風馬でしょ。地元じゃ無い所で遊ぼうって言ったのは。だから、遊びに来たの」
「そうだけど」
陽奈は、辺りを見渡した。
「一回、ここ出ようか」
二人はコンビニを出て、駅前にあるバス停のベンチに腰をかけた。
「久しぶりに話すね。空さんの葬儀の時、雰囲気的に話しかけずらくてさ」
「俺も、話かけられなかった」
風馬は俯いていて、二人の会話はぎこちなく交わされた。
「風馬、ちょっと聞いてもいい?」
「何?」
「あの事件の後、私、男子からいじめられてたじゃん。どうして、かばってくれたの?」
「どうしてって…好きな人がいじめられたら、黙ってられないだろ」
「殺そうとしたのに?」
風馬は、真面目な顔で陽奈を見つめた。
「それ位、陽奈は俺をおかしくさせる」
「今でも?」
陽奈も風馬の顔を見つめた。
「今もおかしくなる」
「じゃあ、もう一回友達から始めよう」
「いいの?」
「いいよ。ああ、お腹空いてきた。風馬の奢りで、ご飯食べに行こう」
「俺が⁈」
「だって、ここ来るのに、お金も時間もかかったんだよ」
「…分かったよ。いっぱいご馳走してやる!」
二人は笑い合った。
陽奈は、風馬のした事はすぐには許せなかった。しかし、風馬の本当の気持ちを受け止め、少しずつ向き合っていこうと決めた。
風馬は、夜のコンビニのバイトを週4入れ、親の援助を受けながら、生計を立てていた。
風馬は、誰もいない店内の床をモップかけを始めた時だった。ズボンのポケットに入れていた携帯が震え出した。
風馬は、こっそり携帯を開くと、慌ててトイレに入った。
「もしもし⁈」
「もしもし?風馬?」
声の主は、陽奈だった。
「急にどうした⁈」
「今、◯◯駅にいるんだけど。迎えに来れる?」
「え⁈今?今、バイト中なんだけど」
「夜、人もいない駅に、女の子を一人にさせるの?」
「ぅう~。分かった。でも、1時間待ってくれないか?」
「1時間…分かった。待ってるから迎えにきてね」
電話を切ると、風馬はため息を吐いた。
「田沼さーん」
風馬は、夜勤バイトで入ってる田沼という中年の男に、親が急遽家に来たので早退させてほしいと嘘の事情を説明した。
風馬は、やりかけていた仕事を終わらせ、タクシーで駅に向かった。
駅に到着すると照明は落ち、真っ暗だった。風馬は、携帯を見るとメールが入っていた。陽奈から、駅前のコンビニで待つと。
駅前のコンビニに入ると、陽奈は雑誌を立ち読みしていた。
「陽奈」
「風馬。遅いから!駅閉めるって言われたからコンビニで待ってたよ」
「悪い。でも、バイト中で。…それに来ると思わなかったから…」
「風馬でしょ。地元じゃ無い所で遊ぼうって言ったのは。だから、遊びに来たの」
「そうだけど」
陽奈は、辺りを見渡した。
「一回、ここ出ようか」
二人はコンビニを出て、駅前にあるバス停のベンチに腰をかけた。
「久しぶりに話すね。空さんの葬儀の時、雰囲気的に話しかけずらくてさ」
「俺も、話かけられなかった」
風馬は俯いていて、二人の会話はぎこちなく交わされた。
「風馬、ちょっと聞いてもいい?」
「何?」
「あの事件の後、私、男子からいじめられてたじゃん。どうして、かばってくれたの?」
「どうしてって…好きな人がいじめられたら、黙ってられないだろ」
「殺そうとしたのに?」
風馬は、真面目な顔で陽奈を見つめた。
「それ位、陽奈は俺をおかしくさせる」
「今でも?」
陽奈も風馬の顔を見つめた。
「今もおかしくなる」
「じゃあ、もう一回友達から始めよう」
「いいの?」
「いいよ。ああ、お腹空いてきた。風馬の奢りで、ご飯食べに行こう」
「俺が⁈」
「だって、ここ来るのに、お金も時間もかかったんだよ」
「…分かったよ。いっぱいご馳走してやる!」
二人は笑い合った。
陽奈は、風馬のした事はすぐには許せなかった。しかし、風馬の本当の気持ちを受け止め、少しずつ向き合っていこうと決めた。
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