8 / 14
ささる気持ち
「なんでここに女がいるんだよ」
そんな声が聞こえた。
振り返ると私と同い年くらいの男の人が立っていた。
黒の短髪に、眉毛辺りに随分昔の傷跡が残っているようだった
こんな形の傷痕は珍しいな、、
「おい、」
しかも顔が整っているため不謹慎かもしれないが結構似合っていた。
もう痛くないのだろうか?
「おい!!!近い!!!!!!!」
あ、やばい。完全に1人の世界に入っていた。
青年の声で現実に戻ってきたがどうしたんだろう?顔が真っ赤だ。
でもこの顔どこかでみたこともあるような、、?どこだったかな。
「すみません、ちょっと珍しくてつい」
「つい、でこんな近くに来たら危ねぇだろ!何やってんだよ!」
すごい怒られてる…
またやってしまったかな。
「ルトファ様はサクラさんを心配してるんですよ」
右にいたルーマスさんが小声でそんなことを言う。
心配?
確かに危ねぇだろって言っていたな。
そんでこの人はルトファさんと言うんですね、
しかもやっぱり顔が真っ赤だけど大丈夫かな?
えっと、もしかして本当に心配してくれてる?
少し可愛く見えてきてしまった。
そんなこと言ったらもっと怒られるだろうけど。
「すみません、失礼しました。本日付けで使用人として騎士団寮で働かせて頂きます。サクラです。どうぞよろしくお願いします。」
大勢の前で話すのは苦手だが、業務と思えば大丈夫だ。
「あん時の傷は」
ん?何か言った?
と顔を先ほどの青年に向ける。
「あの時の傷はもう大丈夫なのかよ、」
あの時の傷、、?
「この前、飛び込んだやつ」
飛び込んだ、、ああ。
魔物のしっぽで気絶したやつか。
こうやって一言で表すと恥ずかしいけど。
「はい、もう大丈夫です」
そういえばよく見ればあの時の騎士か。
どこかでみたことあると思ったけど。
「その、、悪かった」
わるかった、??
「え?」
聞き間違いと思いもう一度聞き直す
何故だかその青年はとても声が小さい
「っ、、だから!お前を守らなきゃ行けない立場なのに怪我させて悪かったって言ってんだよ」
わあ、
次はすごく大きい声だ。
「えっと、貴方が無事ならよかった、」
そっか。
この人は少し不器用なのかもしれないな。
怒っているように見えるけど心の底は随分と温かい気がする。
そう思い、ふっと笑みをこぼす。
シーーーーンと静まり返るこの場に気付き周りを見渡す
???
「っおま!」
目の前の青年は先程より更に顔を赤くしている。
青年だけではなく、周りの使用人や騎士たちも顔が真っ赤だ。
なに?流行り病???
本気で心配になり周りを見渡そうとすると、
後ろから大きな手が伸びてきて、私の顔を覆った
「っ!」
いきなり真っ暗になった視界に驚く
「そんな顔を見せたらだめだよ、レイ。」
低い声が上から聞こえる。
この声はロイド、、?
ゆっくりその手を退かし、上を見上げる
上から覗き込むロイドの青い瞳は真っ直ぐにこちらを見ている。
、、すごく近いな。
「、、そんな顔?」
そんなに私は酷い顔をしていただろうか?
みんなに不快感を与えてしまったなら申し訳ない。
「うん、すごく可愛い顔をするからみんなが驚いてしまっただろ?」
、、、可愛い?
「え?誰が?」
「レイが」
私が可愛い顔?
何を言ってるのか。愛想がないとは散々言われ続けたけど可愛いなんて一回も言われたことない。
「ロイドって不思議なこと言うんだね?」
レイは100人に聞いたら100人が美人と答える容姿をしているにも関わらず、人と関わらなすぎてそれすらも自覚していなかった。
可愛いと言ってくれる両親も友達も彼氏もいなかったからか鈍感の鈍鈍無自覚美人へと成長してしまった。
「、、これは相当大変だな」
ロイドの小さな呟きはレイの耳へと届くことはなかった。
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
婚約者のいる運命の番はやめた方が良いですよね?!
月白みき
恋愛
結婚に恋焦がれる凡庸な伯爵令嬢のメアリーは、古来より伝わる『運命の番』に出会ってしまった!けれど彼にはすでに婚約者がいて、メアリーとは到底釣り合わない高貴な身の上の人だった。『運命の番』なんてすでに御伽噺にしか存在しない世界線。抗えない魅力を感じつつも、すっぱりきっぱり諦めた方が良いですよね!?
※小説家になろうにも投稿しています※タグ追加あり
女性が少ない世界に転生した控えめ伯爵令嬢、なぜか五人の婚約候補に選ばれて少しずつ恋を知っていきます
ノッポ
恋愛
女性が極端に少ない異世界に転生した私は、気づけば伯爵令嬢になっていた。
前世は日本で普通に生きていたせいか、貴族令嬢らしい強気な振る舞いがどうしても苦手。
社交界デビューを迎えても、「どうして私が選ばれるの?」と戸惑うばかりだった。
けれど今年デビューする高位令嬢はわずか三人。
家同士の思惑も重なり、騎士団長家の息子、宰相子息、魔術師団長の息子、幼なじみの侯爵子息、そして英雄騎士――
五人の若きエリートとのお見合いが次々と始まってしまう。
遠慮がちで控えめな性格は、この世界では珍しく、気づけば少しずつ距離を縮めていく彼ら。
異世界での恋愛に戸惑う日々。けれど出会いを重ねるたびに、私は少しずつ変わっていく――。
女性希少世界で、自分の幸せを選べるようになるまでの逆ハーレム恋愛ファンタジー。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハーレム異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーレムです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
【完結】タジタジ騎士公爵様は妖精を溺愛する
雨香
恋愛
【完結済】美醜の感覚のズレた異世界に落ちたリリがスパダリイケメン達に溺愛されていく。
ヒーロー大好きな主人公と、どう受け止めていいかわからないヒーローのもだもだ話です。
「シェイド様、大好き!!」
「〜〜〜〜っっっ!!???」
逆ハーレム風の過保護な溺愛を楽しんで頂ければ。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。
櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。
夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。
ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。
あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ?
子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。
「わたくしが代表して修道院へ参ります!」
野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。
この娘、誰!?
王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。
主人公は猫を被っているだけでお転婆です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。