心配性な親友

小鳥遊 琉歌

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心配性が過ぎる!

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都織トオリ「…なぁ、オレ今日別の友達とカラオケ行くって言ったっけ?」

貴嗣タカツグ「人伝に聞いたんだよ。いつも言ってるだろ。俺も行くって」

都織「あのなぁ!オレも青春したいんだけど!?」

貴嗣「俺込みで青春してくれ」

都織「……」

男子A「オリ!行こうぜ!……って、貴嗣もくんのか?」

貴嗣「ああ。悪いな」

男子B「てか貴嗣が居てくれたほうがありがたいわw」

男子A「確かに!オリだけ誘ったけど、な!」

都織「……」

男子C「そろそろ行こうぜ!!」

担任「お前ら3人は放課後補講だろ!居残りはどうした!!」

男子A.B.C「「「……」」」

担任「藤宮都織、悪いな。コイツら連れてくぞ。…ああ、あと篠本貴嗣。進路担当の三波先生が呼んでいたぞ」

貴嗣「あ、あとで行きます。…都織、悪い。ちょっと行ってくるから、教室で待っててくれ」

都織「…なぁ、なんで毎回オレの邪魔するわけ?」

貴嗣「別に邪魔しているわけじゃ--」

都織「もう知らねぇよ!オレ先帰るから!!!」

貴嗣「あ、ちょ!都織!!」

三波先生「あ、篠本君。すぐ終わるからちょっと来て」

貴嗣「っ…」


~繁華街にて~

都織「オレだって一人行動したいんだよ」

チンピラA「あっれぇ、兄ちゃん一人?」

都織「え、あ」

チンピラB「お、男だけど可愛いじゃん。ちょっと俺らといいとこ行こうぜ」

チンピラA「遊んだあとはお金めっちゃ稼げるとこ紹介するからよ」

都織「っ!!ハァ、ハァ、ハァ!」

チンピラB「こいつ過呼吸起こしてねぇか?」

チンピラA「丁度いいじゃん。介抱した振りして連れて行こうぜ」

貴嗣「…都織!!!!」

チンピラA「ちっ、お連れさんかよ」

貴嗣「てめぇ!」

チンピラB「くっそ、大声出されたらどうにもできねぇじゃねぇか。諦めるぞ!」


貴嗣「都織!都織!!ゆっくり息しろ!」

都織「っ…!たか……つ…ぐ…?」

貴嗣「ああ!よかった…」

都織「…お……れ」

貴嗣「お前の人見知りって並の物じゃないだろ。小学校の時も倒れてたの忘れたのか?」

都織「でも……最近は…」

貴嗣「それは俺とか、安心できる親友がいたからだろ!今日だって、あいつらが俺も誘ったのは都織が知らない人に囲まれてパニックにならないようにって意味だったんだぞ」

都織「……っ」

貴嗣「お前の自由を奪いたい訳じゃないんだ。人見知りが治るまでちゃんと付き合うから、少しずつ治そう」

都織「…っ。貴嗣…。ありがとう」

貴嗣「泣くなって。取り合えず帰ろう」

都織「ああ…っ」


~高校卒業式~

男子A「にしても、お前らが別の大学行くとはな」

男子B「てっきり同じとこ行くと思ってたわ」

貴嗣「都織ももう一人でもパニックにはならなくなったしな」

男子A「でも、だからってオリのやつ。留学とか急成長し過ぎだろ」

貴嗣「それは俺も思うけど、アイツが決めた事だから応援するさ」

都織「貴嗣!写真撮ろう!!」

貴嗣「ああ」

都織「…次会うのは成人式だな」

貴嗣「そうだな。その頃には彼女作らなきゃなぁ」

都織「貴嗣ならすぐできるだろ?」

貴嗣「んー。見つかるかもだけど、モノにできるかは俺次第だな」

都織「そこは頑張れよwオレも外国美女捕まえるから」

貴嗣「それこそ無理だろw」

都織「ちょっ!それはねぇだろ!!」

貴嗣「…まぁ、元気でな」

都織「貴嗣もな。今のオレがあるのは、間違いなく貴嗣のお陰だから。ありがとな」

貴嗣「謝んなよ。幼馴染で大親友なんだから当然だろ?」

都織「ははっ!じゃあ貴嗣に何かあったらオレが助けるわ」

貴嗣「期待しないで待ってるよ」

都織「たくっ!そこは素直にありがとうでいいだろうが」

貴嗣「そろそろ行かなきゃな」

都織「…じゃ!またな!大親友!」

貴嗣「ああ、元気でな」

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