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32話:ミリア危機一髪
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私とルーナは二人一組で常に活動している。
最近ではだいたい3日間ぐらいは森や林に居るというような状態だ。
敵補給線の徹底的な破壊と、接敵した斥候の撃退が主な任務になっている。
「正面、斥候がいます」
「確認した…」
パスッ
もう引き金を引くのに躊躇はない。
軽装な斥候の頭に命中し吹き飛ぶ脳漿が見えてしまい目を伏せる。
最近は夜眠る時間が明らかに短くなっている。
脳裏に敵が吹き飛ぶ瞬間が浮かんでしまい目が覚めるのだ。
何度かルーナに抱きしめてもらって眠ることがあった。
ボルトを回転させて次弾を装填して、排莢された空薬莢を拾う。
この音だけは消せないわね…
「これで103人目ですね」
「なんで、毎日わざわざ林に入ってくるのかしらね」
もちろん偵察の為だろうけど。
もうすぐ日が暮れる。
帝国の斥候や輸送部隊の護衛達は夜にわざわざ火を焚いていた。
おかげでわかりやすく敵を確認できたので夜間でも銃撃を行っていたのだけれど、そのせいで帝国軍は夜でも火をたかなくなってしまった。
*****
「ルーナ、先に眠るわね」
夜になる前に夕食を取った後、先に眠るのは大体私から。
体内時計の感覚が間違いないルーナに起きていてもらい、交代で私が明けまでの寝ずの番をする。
「…ミリア様お待ちください。臨戦態勢を」
そういわれ私は地面に置いていた銃をすぐに手に取りギリースーツをかぶりなおす。
いつもは双眼鏡しか手に持っていないルーナが銃とナイフを取り出す。
「なにがあったの」
私はいつも以上の声の小ささでルーナに問いかけた。
「敵です、普通の斥候ではありません…」
「暗殺者の類ってこと?」
「えぇそうなりますミリア様絶対に動かないでください」
私が頷くとルーナは素早く私のもとを離れた。
敵の気配を私ではつかめないけれど、ルーナはつかんでいるらしい。
ルーナの持つナイフはあえて黒染めされており光をほぼ反射しない。彼女が少し距離をとれば夜の闇に紛れそして迷彩柄の服のせいでどこにいるかなんて追いかけられなくなる。
私はルーナに言われた通り木を背にしてしゃがみ込んだまま銃を持つ。
そして銃に迷彩柄の毛布をかぶせて完全に動かないように体勢を整えた。
この姿勢なら長時間動かないでいられる。
*****
しばらく時間がたったと思う。
カサッと斜め後方から落ち葉を踏む音がわずかにした。
近い!
体や首を動かさずに目線だけ動かし周囲を見渡すが何も見えない。
そう思っていた時、目の前に黒い塊が落ちてきてゆっくりと立ち上がる。
「貴様がアヤタルか!!」
細身だが背の高い男の双眼が私をとらえている。
きっとこの男私の事を探していたんだ。
最近私は王国軍内で”アヤタル”なんてたいそうな渾名をもらってしまっている。
私は慌てて銃を構えようとしたが衝撃を受けて銃が飛ばされてしまった!
男がライフルを蹴り飛ばしたようだ。
「その首貰った!」
漆黒の衣装を身に着けた男の手が上がる。
ルーナと同じように黒塗りにされたナイフが私の視界に入る。
バスッチューン!!
「ぐっ」
ライフルとは違う音が響いて男が突然膝をつく。
私は慌てて立ち上がり男が持っていたナイフを蹴り飛ばした。
それとほぼ同時にルーナの横顔が見えた。
ルーナは片手に銃を持ったまま男を殴りつけ、左手で持っていたナイフで喉を掻っ切った。
「!!」
「お嬢様ご無事ですか」
私は目の前の出来事が信じられないまま頷く。
「すぐに荷物をまとめて撤退しましょう」
そういわれルーナは蹴り飛ばされたライフルを拾って私に渡してくれる。
確かに危なかった。
まさか物語でしか聞いたことがないような暗殺者に狙われるなんて思わなかったもの…
私とルーナは急いで王国軍本陣へと戻ることにした。
最近ではだいたい3日間ぐらいは森や林に居るというような状態だ。
敵補給線の徹底的な破壊と、接敵した斥候の撃退が主な任務になっている。
「正面、斥候がいます」
「確認した…」
パスッ
もう引き金を引くのに躊躇はない。
軽装な斥候の頭に命中し吹き飛ぶ脳漿が見えてしまい目を伏せる。
最近は夜眠る時間が明らかに短くなっている。
脳裏に敵が吹き飛ぶ瞬間が浮かんでしまい目が覚めるのだ。
何度かルーナに抱きしめてもらって眠ることがあった。
ボルトを回転させて次弾を装填して、排莢された空薬莢を拾う。
この音だけは消せないわね…
「これで103人目ですね」
「なんで、毎日わざわざ林に入ってくるのかしらね」
もちろん偵察の為だろうけど。
もうすぐ日が暮れる。
帝国の斥候や輸送部隊の護衛達は夜にわざわざ火を焚いていた。
おかげでわかりやすく敵を確認できたので夜間でも銃撃を行っていたのだけれど、そのせいで帝国軍は夜でも火をたかなくなってしまった。
*****
「ルーナ、先に眠るわね」
夜になる前に夕食を取った後、先に眠るのは大体私から。
体内時計の感覚が間違いないルーナに起きていてもらい、交代で私が明けまでの寝ずの番をする。
「…ミリア様お待ちください。臨戦態勢を」
そういわれ私は地面に置いていた銃をすぐに手に取りギリースーツをかぶりなおす。
いつもは双眼鏡しか手に持っていないルーナが銃とナイフを取り出す。
「なにがあったの」
私はいつも以上の声の小ささでルーナに問いかけた。
「敵です、普通の斥候ではありません…」
「暗殺者の類ってこと?」
「えぇそうなりますミリア様絶対に動かないでください」
私が頷くとルーナは素早く私のもとを離れた。
敵の気配を私ではつかめないけれど、ルーナはつかんでいるらしい。
ルーナの持つナイフはあえて黒染めされており光をほぼ反射しない。彼女が少し距離をとれば夜の闇に紛れそして迷彩柄の服のせいでどこにいるかなんて追いかけられなくなる。
私はルーナに言われた通り木を背にしてしゃがみ込んだまま銃を持つ。
そして銃に迷彩柄の毛布をかぶせて完全に動かないように体勢を整えた。
この姿勢なら長時間動かないでいられる。
*****
しばらく時間がたったと思う。
カサッと斜め後方から落ち葉を踏む音がわずかにした。
近い!
体や首を動かさずに目線だけ動かし周囲を見渡すが何も見えない。
そう思っていた時、目の前に黒い塊が落ちてきてゆっくりと立ち上がる。
「貴様がアヤタルか!!」
細身だが背の高い男の双眼が私をとらえている。
きっとこの男私の事を探していたんだ。
最近私は王国軍内で”アヤタル”なんてたいそうな渾名をもらってしまっている。
私は慌てて銃を構えようとしたが衝撃を受けて銃が飛ばされてしまった!
男がライフルを蹴り飛ばしたようだ。
「その首貰った!」
漆黒の衣装を身に着けた男の手が上がる。
ルーナと同じように黒塗りにされたナイフが私の視界に入る。
バスッチューン!!
「ぐっ」
ライフルとは違う音が響いて男が突然膝をつく。
私は慌てて立ち上がり男が持っていたナイフを蹴り飛ばした。
それとほぼ同時にルーナの横顔が見えた。
ルーナは片手に銃を持ったまま男を殴りつけ、左手で持っていたナイフで喉を掻っ切った。
「!!」
「お嬢様ご無事ですか」
私は目の前の出来事が信じられないまま頷く。
「すぐに荷物をまとめて撤退しましょう」
そういわれルーナは蹴り飛ばされたライフルを拾って私に渡してくれる。
確かに危なかった。
まさか物語でしか聞いたことがないような暗殺者に狙われるなんて思わなかったもの…
私とルーナは急いで王国軍本陣へと戻ることにした。
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