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簡易模型と図面の手直し…そして試作車の完成
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ハンス様からのご指導の下、ケント紙を使って縮尺を変えて作ってみろということで、今はみんなで図工中ですの。
「ユーディ様~、ここ図面通りに裁断したのに端があいませんわよ」
「あら本当」
次々と図面の問題点が浮き彫りになってきますわね。
問題となった箇所を修正し、模型を作りながら図面を直していきます。
1/16のサイズで模型を作り上げる中で、発動機や機関砲については細かく作っても証がありませんから、大きく外枠が分かるように箱を作って取り付けます。
組立て中にどこから機関砲を取り付けるのか?とかエンジンをどうやって下すのかなどの問題も浮き彫りになりましたわね。
最初に考えた時からだいぶ形が変わった気がいたします。
兵器のわりにどことなくかわいく見えるまるっこい車体になりました。
発動機搭載のために車両後部は大きく観音開きする扉を付けました。
搭乗は車体上部から行います。
機関銃は全面装甲版の一部を切り書いて搭載。
ボルト4本で車体から取り外せるようにしてあります。
これ等の修正をして今一度ハンス様に見てもらい、合格をいただいたことから試作車の製造がはじまりました。
試しに購入されたというカーデン・ロイド豆戦車から履帯やクラッチを取り外し、持ち込まれた発動機に機関砲を搭載。
部品製作がほぼ車体構造のみだったことから、約1ヶ月で完成し学校へ納車されたのです。
「模型よりもなんだかかわいらしくなりましたわね」
「色のせいもあると思いますわよ。模型は真っ白でしたから」
目の前の試作1号はプライマー…下塗り塗装で納車されたので、全体的にピンク色です。
本当であればこれに上塗り塗装を施すのですが、まずは動作確認をしたいと先に納品いただきました。
おかげでなんだかとってもキュートですわね。
「ユーディ様、これ動きますわよ」
「ニーナ様、もう燃料は入れてありますから発動機さえ回せば動きますわよ」
「さっそく動かしてみましょう~」
「ニーナ様、せめて着替えてくださいまし」
学校の制服を汚してはいけませんので、体操着に着替えました。
わが校の制服はグレーのブレザーに白いスカートなので、スカートは汚れると目立ちます。
可愛いデザインなんですが、汚れる可能性のある学科は服装を変えてほしいですわね。
「では発動機を回しますわよ」
私は車体後部の穴にクランクを差し込んでぐるぐる回すと、発動機が回り始めます。
「しゅっぱーつ!」
ニーナ様だけを乗せた試作1号戦車はトコトコと前進を始めます。
「ユーディ様、これ顔出してないと外がまともに見えませんわ~」
なかには二本のレバーがあり、それがブレーキの役割をしています。
クラッチをつなぎブレーキを解除すれば、左右の履帯が駆動する形です。
ブレーキのかけ方で曲がるので、左右のバランスをとらないとまっすぐ進まないようで、蛇行しながら進んでいきます。
有る程度進んだところで、停止した試作1号からニーナ様が頑張って降りてきます。
乗り降りも大変そうですわね…
「まっすぐ走るの大変ですわ」
「自動車のようにはいかないのですわね」
シルビア様の言う通り。どうしたって操作方式からそうなります。
「操舵輪がないですから、左右のブレーキ力で曲がるので、ブレーキの掛け方が左右で合ってないと曲がっていってしまいますからね」
「ユーディ様ひとまずこれを御父上に見てもらってはいかがかしら?」
「ローザ様、すでに父には学校へ来てもらうよう依頼しておりますわ」
流石ユーディ様とお三方から言われました。
まぁこれがそのまま使える兵器とならないことは私が百も承知です。
装甲は足らない、主砲は貧弱、操作方法は煩雑、結局積んでるエンジンはガソリンエンジンですし、馬力は全く足りません。
本に乗っているような強力無比な戦車を作るのは当分先でしょう。
卒業までにある程度研究が進められればいいのですが…
「ユーディ様~、ここ図面通りに裁断したのに端があいませんわよ」
「あら本当」
次々と図面の問題点が浮き彫りになってきますわね。
問題となった箇所を修正し、模型を作りながら図面を直していきます。
1/16のサイズで模型を作り上げる中で、発動機や機関砲については細かく作っても証がありませんから、大きく外枠が分かるように箱を作って取り付けます。
組立て中にどこから機関砲を取り付けるのか?とかエンジンをどうやって下すのかなどの問題も浮き彫りになりましたわね。
最初に考えた時からだいぶ形が変わった気がいたします。
兵器のわりにどことなくかわいく見えるまるっこい車体になりました。
発動機搭載のために車両後部は大きく観音開きする扉を付けました。
搭乗は車体上部から行います。
機関銃は全面装甲版の一部を切り書いて搭載。
ボルト4本で車体から取り外せるようにしてあります。
これ等の修正をして今一度ハンス様に見てもらい、合格をいただいたことから試作車の製造がはじまりました。
試しに購入されたというカーデン・ロイド豆戦車から履帯やクラッチを取り外し、持ち込まれた発動機に機関砲を搭載。
部品製作がほぼ車体構造のみだったことから、約1ヶ月で完成し学校へ納車されたのです。
「模型よりもなんだかかわいらしくなりましたわね」
「色のせいもあると思いますわよ。模型は真っ白でしたから」
目の前の試作1号はプライマー…下塗り塗装で納車されたので、全体的にピンク色です。
本当であればこれに上塗り塗装を施すのですが、まずは動作確認をしたいと先に納品いただきました。
おかげでなんだかとってもキュートですわね。
「ユーディ様、これ動きますわよ」
「ニーナ様、もう燃料は入れてありますから発動機さえ回せば動きますわよ」
「さっそく動かしてみましょう~」
「ニーナ様、せめて着替えてくださいまし」
学校の制服を汚してはいけませんので、体操着に着替えました。
わが校の制服はグレーのブレザーに白いスカートなので、スカートは汚れると目立ちます。
可愛いデザインなんですが、汚れる可能性のある学科は服装を変えてほしいですわね。
「では発動機を回しますわよ」
私は車体後部の穴にクランクを差し込んでぐるぐる回すと、発動機が回り始めます。
「しゅっぱーつ!」
ニーナ様だけを乗せた試作1号戦車はトコトコと前進を始めます。
「ユーディ様、これ顔出してないと外がまともに見えませんわ~」
なかには二本のレバーがあり、それがブレーキの役割をしています。
クラッチをつなぎブレーキを解除すれば、左右の履帯が駆動する形です。
ブレーキのかけ方で曲がるので、左右のバランスをとらないとまっすぐ進まないようで、蛇行しながら進んでいきます。
有る程度進んだところで、停止した試作1号からニーナ様が頑張って降りてきます。
乗り降りも大変そうですわね…
「まっすぐ走るの大変ですわ」
「自動車のようにはいかないのですわね」
シルビア様の言う通り。どうしたって操作方式からそうなります。
「操舵輪がないですから、左右のブレーキ力で曲がるので、ブレーキの掛け方が左右で合ってないと曲がっていってしまいますからね」
「ユーディ様ひとまずこれを御父上に見てもらってはいかがかしら?」
「ローザ様、すでに父には学校へ来てもらうよう依頼しておりますわ」
流石ユーディ様とお三方から言われました。
まぁこれがそのまま使える兵器とならないことは私が百も承知です。
装甲は足らない、主砲は貧弱、操作方法は煩雑、結局積んでるエンジンはガソリンエンジンですし、馬力は全く足りません。
本に乗っているような強力無比な戦車を作るのは当分先でしょう。
卒業までにある程度研究が進められればいいのですが…
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