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第1章 第二の人生
第一話 大きくなって
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数年が経過し、十二歳になった俺は熱く照りつける太陽の元で、魔法の練習に勤しんでいた。
時が経つのは早い⋯⋯なんて、おじいちゃん臭いことを思う。
五歳になる頃には立って歩ける様になり、ある程度喋れるようにもなった。その頃から母親に文字を教わりながら魔法の本を読んで勉強をした⋯⋯。
九歳の時、初めて魔法を使えるようになった。本を読んで学んだ魔法の知識を使いながら魔法の練習に明け暮れるようになった。
本を読んで学んだ事は魔法には階級というものがあり、初級、中級、上級、超級、星級と五段階の階級がある。
調べていくうちに分かったのが、この世界の一般人の多くは初級、もしくは中級しか扱えないらしい。
しかし例外もあり、上級を扱える人もいるみたいだけど、その数はほんのひと握りしかいない。
この世界には冒険者ギルドがあり、一つのギルドに約百人もの冒険者が活動していて、その数多い冒険者の中でも上級を扱えるのは五十人に一人いるかいないかなのだとか⋯⋯。
超級ともなると、その存在はおとぎ話でしか聞かないと言われている。ある一冊の本によれば、超級は地形を抉り、その土地の環境を変えてしまうんだとか。
そして最後に星級⋯⋯ソレは大陸をたった一撃の魔法で大きく変形させ、世界を滅ぼす力があると⋯⋯。
(そんな階級のうち俺は初級の魔法しか使えない⋯⋯)
魔法が使えるようになってから試したのは自分の魔力量の確認だった。
結果は初級の魔力消費が比較的少ない魔法を一回使っただけで、動けなくなってしまう程少なかった────。
「少ない! 水を少し出すだけの魔法を一回、たった一回使っただけで体が動けなくなるなんて!」
その場で仰向けになる様にして倒れ込む。
(焦る必要はない。魔力量は訓練をすれば増やす事ができるみたいだし)
魔力を増やす方法は、至極単純で魔法を魔力が尽きるまで使い続ければいいだけ。それを一日も欠かさずに続ける。
(まるで筋トレみたいだ。限界まで追い込んで筋肉を強くする、それを毎日続ける)
しかし、今までのは九歳の頃の話で、その日から一日も欠かさずにやり続けた結果、十二歳になった今では同じ魔法を二十回は使う事ができるようになった。
試しに初級魔法の中で大きな魔法を使ってみたが、それは三回しか使えなかった。
使う魔法によってはやはりと言うか、魔力消費量が違うみたいだ⋯⋯正直に言ってこれが良い方なのか、悪い方なのかは分からない。だけど、確実に魔力量は九歳の頃に比べて増えている。
(魔法⋯⋯想像してたよりも何倍も楽しい! 日に日に使える回数が増えていくのを実感すると嬉しくなるしやっぱり、目に見えて成果が出るとモチベにも繋がる!)
爽やかな風に吹かれながら、横になっていると小さな小鳥達がやってきて俺の頬を優しくつつく
「はははっ、くすぐったいな。またお前達か、今は餌持ってないよ」
小鳥達に鼓舞されるかのように突かれながら体を起こす。
「さて、訓練を再開するか────」
立ち上がり片手を前に出し集中する。
「シャドウー、ご飯できたわよー、戻っておいで!」
そんな時、母さんに呼ばれる。もう朝食の時間になったのか⋯⋯続きは朝食を食べた後にやろう。
「はーい、すぐ行くよ」
服に着いた汚れを軽く払い落とし、家の中へ入ると美味しそうな匂いが鼻をくすぐった。
既に父さんと母さんが座っていた。俺も直ぐに席に座る。
「シャドウも来たわね。今日は新鮮なお魚が手に入ったから、腕によりを掛けて作ったわ」
「おぉ、美味そうだな。どれどれ、いただきます!」
父さんが母さんの作った焼き魚に箸を伸ばして綺麗に身を剥がして食べる。
「美味しいよエリザ! また料理の腕を上げたんじゃないか?」
父さんが母さんに感想を伝える。
「もう、そんなに褒めないでよクリス。でも嬉しいわ。ありがとう」
母さんは頬を赤らめながら返す⋯⋯こういうやり取りをほぼ毎日している。両親仲は他の家よりも絶対にいい方だと思う。
(羨ましいな。前世では彼女すら出来なかったからなぁ)
そんな両親を横目にご飯を黙々と食べ進めていく。
あまりにも長くイチャつくのでそろそろ止めてもらおう。
「母さん、父さん。朝から息子のいる前で何をやってるのさ」
軽く咳払いをして、父さんと母さんに声をかける。
「おっと、すまんすまん」
「あら、私としたことが」
腑抜けた笑みをしながら二人は照れ臭そうにご飯を食べ始める。
「母さん、この後また魔法の練習に行ってくるね」
「分かったわ。お弁当作っておくわね」
「その前にシャドウ、父さんから少し話が一つあるから食事のあと、少し待っててくれ」
珍しい。父さんから話なんて⋯⋯しかもいつにもなく真剣な表情だ。
「分かったよ。父さん」
そんな父さんを見ると俺の背筋は自然と伸びた。
「ありがとう」
父さんはそう言うといつもの表情に戻った。
それからは楽しく家族で喋りながら食事を終えた後、父さんからの話を座って待つ。
(一体なんの話なんだろう。あんな顔をしたところを見た事がないから緊張するなぁ)
少しすると洗い物を済ませた父さんと母さんが戻ってきて椅子を俺の傍に持ってきて座る。
「さて⋯⋯話っていうのはシャドウ、お前は来年で十三歳になる」
「うん」
「お前はいつも朝食が終わると必ず魔法の練習をしに行くだろ?」
「魔法をもっとたくさん使えるようなりたいし、今のうちに練習すれば色々と便利かなって思って」
「そこでだ、シャドウ。お前、魔法学園に通ってみないか?」
「魔法、学園?」
魔法学園────文字通り魔法について学び、技術を身につけるための学園だ。
「ああ、どうだ?」
確かに今は独学で魔法の練習をしている。けれど、いつかは限界はやってくる。
学園に行って学べばその限界を超えることが出来るかもしれない。
(それなら迷う必要は無いよね────)
「行ってみたい。もっと力や知識とかしっかり学べそうだし。でも、なんでまた急に?」
「いや、お前が魔法を使い始めてから母さんと話し合っていたんだ。シャドウが十三歳になる頃には話をしようってな」
「そうだったんだ」
父さんの話を聞いてから胸の奥からじんわりと暖かい何かが広がっていくのを感じる。
「それで⋯⋯シャドウは通いたいってことでいい?」
静かに話を聞いていた母さんが口を開いた。
「うん。父さん達が僕のためを考えてくれたのが分かるし、そんな父さん達の期待にも応えたい」
「まぁ、シャドウってば」
母さんは静かに口に手を当てて泣き始め、父さんは体を震わせながら何かを噛み締めるようにしている。
「よし、シャドウ。それじゃあ、来年から通うってことでいいんだな? それなら学園の事について色々と教えるぞ」
「うん、お願い」
魔法学園については魔法を学び、知識や力をつけるって常識しか知らないからここで詳しい話が聞けるのは嬉しい。
「まず、魔法学園はどこも基本的には十三歳に入学して、十八歳に卒業する五年制だ。中には寮のある学園もあって、お前に通ってもらう学園は寮のある学園だ」
「魔法学園は他にも色々あるの?」
「あぁ、あるさ。簡単に言うと他の学園では寮が無いところや、五年制じゃなくて三年制とか色々な。お前が通う予定の学園は、至って普通の学園だから問題なく入れるだろう」
(前世でも色々な学校はあったから、こっちも同じ感じかな)
「他には何か魔法学園についてある?」
「そうだな⋯⋯あるとすれば、どの魔法学園にも言える事なんだが、首席で卒業した者は学園側からの援助が貰えて仕事を探す時なんかに役立つぞ」
「そうなんだ⋯⋯卒業生の中に有名な人とかいるの?」
「あぁ、いるぞ。例えば、この国の騎士団長やこの国の冒険者ギルドの冒険者、白銀のシエンなんかが有名だな」
「へぇ、そうなんだ」
騎士団長はこの国の英雄と呼ばれる人で、数々の逸話がある人で、白銀のシエンは数百にも亘る魔物を1人で殲滅したなんて話がある人だ。
この国で暮らす人々にとって、知らない人はいないほどの人達だ。
「僕も、頑張ればその人達みたいにすごい人になれるかな?」
「ああ! なれるさ、なんたってお前は俺達の息子だからな!」
「うふふ、そうよ。シャドウ、あなたならきっとすごい子になれるわ」
「よし、それじゃあ頑張って卒業して、父さんや母さんが自慢出来るような立派な男になってみせるよ!」
椅子から勢いよく立ち上がり、拳を掲げて声高らかに言う。
「よし、息子の門出だ! 今日の夜は宴にするぞ!」
「もう、クリスってば気が早いわよ」
「そうだよ、父さん。まだ十三歳まであと一年もあるんだから」
三人で笑い合いながら、これからの事についての準備等を話し合いその日は終わった。
学園での生活を思い浮かべると少しの不安はあるが期待を胸に抱きながら今日も過ごしていく。
時が経つのは早い⋯⋯なんて、おじいちゃん臭いことを思う。
五歳になる頃には立って歩ける様になり、ある程度喋れるようにもなった。その頃から母親に文字を教わりながら魔法の本を読んで勉強をした⋯⋯。
九歳の時、初めて魔法を使えるようになった。本を読んで学んだ魔法の知識を使いながら魔法の練習に明け暮れるようになった。
本を読んで学んだ事は魔法には階級というものがあり、初級、中級、上級、超級、星級と五段階の階級がある。
調べていくうちに分かったのが、この世界の一般人の多くは初級、もしくは中級しか扱えないらしい。
しかし例外もあり、上級を扱える人もいるみたいだけど、その数はほんのひと握りしかいない。
この世界には冒険者ギルドがあり、一つのギルドに約百人もの冒険者が活動していて、その数多い冒険者の中でも上級を扱えるのは五十人に一人いるかいないかなのだとか⋯⋯。
超級ともなると、その存在はおとぎ話でしか聞かないと言われている。ある一冊の本によれば、超級は地形を抉り、その土地の環境を変えてしまうんだとか。
そして最後に星級⋯⋯ソレは大陸をたった一撃の魔法で大きく変形させ、世界を滅ぼす力があると⋯⋯。
(そんな階級のうち俺は初級の魔法しか使えない⋯⋯)
魔法が使えるようになってから試したのは自分の魔力量の確認だった。
結果は初級の魔力消費が比較的少ない魔法を一回使っただけで、動けなくなってしまう程少なかった────。
「少ない! 水を少し出すだけの魔法を一回、たった一回使っただけで体が動けなくなるなんて!」
その場で仰向けになる様にして倒れ込む。
(焦る必要はない。魔力量は訓練をすれば増やす事ができるみたいだし)
魔力を増やす方法は、至極単純で魔法を魔力が尽きるまで使い続ければいいだけ。それを一日も欠かさずに続ける。
(まるで筋トレみたいだ。限界まで追い込んで筋肉を強くする、それを毎日続ける)
しかし、今までのは九歳の頃の話で、その日から一日も欠かさずにやり続けた結果、十二歳になった今では同じ魔法を二十回は使う事ができるようになった。
試しに初級魔法の中で大きな魔法を使ってみたが、それは三回しか使えなかった。
使う魔法によってはやはりと言うか、魔力消費量が違うみたいだ⋯⋯正直に言ってこれが良い方なのか、悪い方なのかは分からない。だけど、確実に魔力量は九歳の頃に比べて増えている。
(魔法⋯⋯想像してたよりも何倍も楽しい! 日に日に使える回数が増えていくのを実感すると嬉しくなるしやっぱり、目に見えて成果が出るとモチベにも繋がる!)
爽やかな風に吹かれながら、横になっていると小さな小鳥達がやってきて俺の頬を優しくつつく
「はははっ、くすぐったいな。またお前達か、今は餌持ってないよ」
小鳥達に鼓舞されるかのように突かれながら体を起こす。
「さて、訓練を再開するか────」
立ち上がり片手を前に出し集中する。
「シャドウー、ご飯できたわよー、戻っておいで!」
そんな時、母さんに呼ばれる。もう朝食の時間になったのか⋯⋯続きは朝食を食べた後にやろう。
「はーい、すぐ行くよ」
服に着いた汚れを軽く払い落とし、家の中へ入ると美味しそうな匂いが鼻をくすぐった。
既に父さんと母さんが座っていた。俺も直ぐに席に座る。
「シャドウも来たわね。今日は新鮮なお魚が手に入ったから、腕によりを掛けて作ったわ」
「おぉ、美味そうだな。どれどれ、いただきます!」
父さんが母さんの作った焼き魚に箸を伸ばして綺麗に身を剥がして食べる。
「美味しいよエリザ! また料理の腕を上げたんじゃないか?」
父さんが母さんに感想を伝える。
「もう、そんなに褒めないでよクリス。でも嬉しいわ。ありがとう」
母さんは頬を赤らめながら返す⋯⋯こういうやり取りをほぼ毎日している。両親仲は他の家よりも絶対にいい方だと思う。
(羨ましいな。前世では彼女すら出来なかったからなぁ)
そんな両親を横目にご飯を黙々と食べ進めていく。
あまりにも長くイチャつくのでそろそろ止めてもらおう。
「母さん、父さん。朝から息子のいる前で何をやってるのさ」
軽く咳払いをして、父さんと母さんに声をかける。
「おっと、すまんすまん」
「あら、私としたことが」
腑抜けた笑みをしながら二人は照れ臭そうにご飯を食べ始める。
「母さん、この後また魔法の練習に行ってくるね」
「分かったわ。お弁当作っておくわね」
「その前にシャドウ、父さんから少し話が一つあるから食事のあと、少し待っててくれ」
珍しい。父さんから話なんて⋯⋯しかもいつにもなく真剣な表情だ。
「分かったよ。父さん」
そんな父さんを見ると俺の背筋は自然と伸びた。
「ありがとう」
父さんはそう言うといつもの表情に戻った。
それからは楽しく家族で喋りながら食事を終えた後、父さんからの話を座って待つ。
(一体なんの話なんだろう。あんな顔をしたところを見た事がないから緊張するなぁ)
少しすると洗い物を済ませた父さんと母さんが戻ってきて椅子を俺の傍に持ってきて座る。
「さて⋯⋯話っていうのはシャドウ、お前は来年で十三歳になる」
「うん」
「お前はいつも朝食が終わると必ず魔法の練習をしに行くだろ?」
「魔法をもっとたくさん使えるようなりたいし、今のうちに練習すれば色々と便利かなって思って」
「そこでだ、シャドウ。お前、魔法学園に通ってみないか?」
「魔法、学園?」
魔法学園────文字通り魔法について学び、技術を身につけるための学園だ。
「ああ、どうだ?」
確かに今は独学で魔法の練習をしている。けれど、いつかは限界はやってくる。
学園に行って学べばその限界を超えることが出来るかもしれない。
(それなら迷う必要は無いよね────)
「行ってみたい。もっと力や知識とかしっかり学べそうだし。でも、なんでまた急に?」
「いや、お前が魔法を使い始めてから母さんと話し合っていたんだ。シャドウが十三歳になる頃には話をしようってな」
「そうだったんだ」
父さんの話を聞いてから胸の奥からじんわりと暖かい何かが広がっていくのを感じる。
「それで⋯⋯シャドウは通いたいってことでいい?」
静かに話を聞いていた母さんが口を開いた。
「うん。父さん達が僕のためを考えてくれたのが分かるし、そんな父さん達の期待にも応えたい」
「まぁ、シャドウってば」
母さんは静かに口に手を当てて泣き始め、父さんは体を震わせながら何かを噛み締めるようにしている。
「よし、シャドウ。それじゃあ、来年から通うってことでいいんだな? それなら学園の事について色々と教えるぞ」
「うん、お願い」
魔法学園については魔法を学び、知識や力をつけるって常識しか知らないからここで詳しい話が聞けるのは嬉しい。
「まず、魔法学園はどこも基本的には十三歳に入学して、十八歳に卒業する五年制だ。中には寮のある学園もあって、お前に通ってもらう学園は寮のある学園だ」
「魔法学園は他にも色々あるの?」
「あぁ、あるさ。簡単に言うと他の学園では寮が無いところや、五年制じゃなくて三年制とか色々な。お前が通う予定の学園は、至って普通の学園だから問題なく入れるだろう」
(前世でも色々な学校はあったから、こっちも同じ感じかな)
「他には何か魔法学園についてある?」
「そうだな⋯⋯あるとすれば、どの魔法学園にも言える事なんだが、首席で卒業した者は学園側からの援助が貰えて仕事を探す時なんかに役立つぞ」
「そうなんだ⋯⋯卒業生の中に有名な人とかいるの?」
「あぁ、いるぞ。例えば、この国の騎士団長やこの国の冒険者ギルドの冒険者、白銀のシエンなんかが有名だな」
「へぇ、そうなんだ」
騎士団長はこの国の英雄と呼ばれる人で、数々の逸話がある人で、白銀のシエンは数百にも亘る魔物を1人で殲滅したなんて話がある人だ。
この国で暮らす人々にとって、知らない人はいないほどの人達だ。
「僕も、頑張ればその人達みたいにすごい人になれるかな?」
「ああ! なれるさ、なんたってお前は俺達の息子だからな!」
「うふふ、そうよ。シャドウ、あなたならきっとすごい子になれるわ」
「よし、それじゃあ頑張って卒業して、父さんや母さんが自慢出来るような立派な男になってみせるよ!」
椅子から勢いよく立ち上がり、拳を掲げて声高らかに言う。
「よし、息子の門出だ! 今日の夜は宴にするぞ!」
「もう、クリスってば気が早いわよ」
「そうだよ、父さん。まだ十三歳まであと一年もあるんだから」
三人で笑い合いながら、これからの事についての準備等を話し合いその日は終わった。
学園での生活を思い浮かべると少しの不安はあるが期待を胸に抱きながら今日も過ごしていく。
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