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十七話
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コルトは私の背中に手を回し、抱き着いてくる。見た目よりも子供っぽい。
「コルトさんは意外に子供なんだね」
「う……、ご、ごめん。母が厳しい方で、このように甘えられなかったから」
「よしよし、コルトさんは良い子だねぇ~。偉い偉い、頑張ってる頑張ってる」
私はコルトの後頭部を撫でて安心させる。
数分後、コルトは次第に離れた。
「えっと、キアスくんはDランククラスの寮に早く移動するんだ。朝なら皆、食堂に移動している。別の道を進めば遭遇する可能性が低い」
私は『禁断の書』を抱き、コルトの部屋から食堂を通らないように寮を出た。すると、簡単に脱出できた。
「入るのも脱出するのもチョロいな。まあ、男子学園の寮に入ろうとする変質者なんてそうそういないだろうし、警備が薄いのかな?」
私はDランククラスの寮に向かった。朝から鍛錬しているフレイとライトの姿が見える。
「お、頑張ってるね」
「キアス……。無事、帰って来たのか」
「キアスくん、お帰りなさい」
フレイとライトは私の姿を見て鍛錬を止め、駆け寄ってくる。
「うん、やっと仕事が片付いてね。学園の講義に出られるようになったよ」
私は講義を行う教授に届けを出しているので講義を休んだとことになっていない。まあ、有給みたいなものだ。実際は仕事してるけど。
「そうか。まあ、試験でいい点を取れるように頑張れ」
「キアスくんは追試確定だね」
フレイとライトは満面の笑みのまま、私を憐れむような視線を向けてくる。
――あぁ、中間試験終わってた。
六月の中間試験はウルフィリアギルドの依頼を受けていたら終わっており、不完全燃焼。七月末の期末試験に良い点を取れるよう切り替えて行く。
ただ、放課後に大量の試験を受ける羽目に。寝不足を解消していなければ完全に死んでいた。
☆☆☆☆
私が追試を終わらせたころ、シトラ学園長が直々に表彰したい者がいるらしく、全園生徒がエルツ工魔学園の闘技場に足を運んでいた。
全園集会というやつか。観覧席に全園生徒が座ると空席がほとんどなくなり、生徒の多さが伺える。
私も観覧席に座り、中央に立っているシトラ学園長の姿を平然と眺めていた。なんせ、私に一切関係ない話だと思っていたから。
「今日、集まってもらったのは、ある生徒を表彰するためだ」
シトラ学園長が周りに大声を放つ。生徒が何人もいるにも拘らず、私の方に視線を向けた。
「その者はDランククラスでありながら、大量発生したオークが蔓延る中でクラスメイトの捜索を自ら進んでこなし、巣を見つけ、単独でオークを撃破した。その者がいなければ多くの者が犠牲になっていただろう」
私はシトラ学園長の話を聞き、身に覚えがありすぎて体が固まっていた。
どうしてそこまで知っているのかわからない。フレイやライト、ルドラさん、ゲンナイ先生の話を総合した結果、私が皆を助けたと結論づけられてしまったのだろうか。ルドラさんに聞いていたとしても、私がオークを倒したことくらいしか知らないはず。
わざわざ、多くの生徒の前で言いふらすなど何を考えているんだ。
「一年Dランククラス、キアス・リーブン。ここに来なさい」
シトラ学園長は私の方に視線を向けただけではなく、苗字まではっきりと言い放った。
「キアス・リーブンって『黒羽の悪魔』と同じ名前じゃなかったっけ?」
「ああ、そうだな。だが、Sランク冒険者がDランククラスにいるわけがないだろう。別人に決まっているじゃないか」
「『黒羽の悪魔』は女って噂だし、男子しかいない学園にいるわけない」
多くの生徒たちがざわざわと会話し始める。私が思っている以上に『黒羽の悪魔』という通り名は王都の中で広がっている。その者と同じ名前と苗字を持つ者だけで変な疑いがかけられるのは当然だった。
シトラ学園長はしたり顔で、私を手招きしている。今までバレないように頑張ってきたのに、私の変装や努力が水の泡になりかけている。
止まっていても、終わらないため私はシトラ学園長のもとにすぐに移動した。
「シトラ学園長、これはいったいどういう意味ですか。なんでこんなことを」
「キアスは、エルツ工魔学園の生徒として誇らしい行いをした。それを表彰するのはごく自然のことだ。まあ、一種の宣伝でもあるが……、学園の失態を薄くするためにキアスを表彰しないわけにはいかないんだ」
シトラ学園長は小さな声で、私を表彰する意図を教えてくれた。
どうやら、以前の実習の時にオークに襲われたのは、ルドラさんの失態だが周りから見たらエルツ工魔学園の失態にも見えるらしい。その悪い評価を良い評価で塗り替えるために、私が使われた。
「キアスはエルツ工魔学園の者全てが模範にするべき優秀な生徒であり、彼女……ではなく、彼のような勇敢な者はこれからの未来にいなくてはならない存在だ。皆も、キアスを見習い成長するように努めてほしい。では、皆でキアスに盛大な拍手を送ろう」
シトラ学園長が拍手し始めると、多くの者たちが手を叩き、闘技場全体が楽器のように共鳴して爆音が響き渡る。ただ、生徒を助け、オークを倒しただけなのに。でも、それが皆にとっては凄いことらしい。
――じゃあ、今まで私がやってきた仕事ってどれだけ凄いことなんだろう。ルドラさんが言っていたように、本当に私にしかできない仕事だったんだろうか?
私が嫌々やっていた仕事は私にしかこなせなかったのだとしたら、私が仕事をこなさなければ多くの者が困ってしまうのも理解できる。
じゃあ、私が面倒臭がっている時間だけ多くの者たちが危険にさらされて、私のような思いをする人が増えているのだとしたら……。
季節は夏に向かっているはずなのに、体温が下がった気がした。
「キアスにとっては些細なことかもしれないが、お前の行いは生徒だけではなく、騎士団や冒険者たちを間接的に救っている。あの規模のオークが暴れていれば、大きな被害が出ていたのは間違いない。お前の行動で多くの者が救われたんだ」
シトラ学園長は私の肩に手を置き、今までにないくらい優しい笑顔を向けてきた。
もしかすると私がこなしていた仕事は私が思っている以上に大切なのかもしれない。
多くの生徒の前で表彰された私はエルツ工魔学園の生徒たちの模範になってしまった。
だが、私の生活に変わりはなかった。
Sランク冒険者がDランククラスにいるわけがないという考えが私と『黒羽の悪魔』を乖離してくれているらしい。
ただ、以前より明らかに疑いの目が増えた。エルツ工魔学園にいられる時間は長くないかもしれない。
☆☆☆☆
私がエルツ工魔学園に入学してから三カ月近くが経ち、六月の後半。前回の実習でオークに襲われた私達はルークス森の別の場所で再度実習をこなした。
森の中に生暖かい風が吹き、梅雨のジメジメとした嫌な湿気が肌に張り付く。広がる光景を見つめ、頬に冷や汗が流れた。
「く、な、なんでスライムなんかに」
フレイは体がゲル状のスライムに捕まり、身動きが取れない状態になっていた。直径二メートルほどもある大きなスライムに体を拘束され、息苦しそうだ。
「う、うぅ……。ぬ、ぬるぬるが体を這って気持ち悪いよぉ……」
ライトもフレイと同様にスライムに捕まっていた。ライトは男なのにそこら辺の女子より可愛いので、とても破廉恥だ。
「お、俺はスライムごときに、負けられん」
フレイは体を動かそうとするがスライムの拘束が強くなっていくばかり。ぬるぬるの触手がフレイの鎧をべりべりと剥がしていき、鎖帷子が露出する。
「やっ……。そ、そんなところ、入ってこないで……」
ライトは冒険者服の中にスライムの触手が入り込んできて、涙目になりながら震えている。全身が巨大なナメクジに這われているような感覚を味わっているだろう。
「ふ、二人とも……」
私は『禁断の書』を開き、書きなぐろうと思っても、指が震えて羽根ペンを動かせなかった。
――ま、まただ。なんで、指が動かないんだ。こんなに卑猥なところ、めったに見られないのに。
知り合いが魔物に襲われている状況は、村が魔物に襲われた時以降、真面に見た覚えがなかった。スライムは弱い。襲われても簡単に死なない。そうわかっていても、体が震えて直ぐに動けなかった。
「おい、キアス。さっさと助けろ」
怪我が治ったゲンナイ先生は遠くから叫んだ。その瞬間、私は震えていた体が落ち着いた。
――今は、あの時と違うよな。
「す、すみません。すぐに倒します」
私は羽根ペンを操り、先端をスライムの核に直撃させる。すると、核が壊れ大きなスライムは体を維持できなくなり、水のように溶ける。
「コルトさんは意外に子供なんだね」
「う……、ご、ごめん。母が厳しい方で、このように甘えられなかったから」
「よしよし、コルトさんは良い子だねぇ~。偉い偉い、頑張ってる頑張ってる」
私はコルトの後頭部を撫でて安心させる。
数分後、コルトは次第に離れた。
「えっと、キアスくんはDランククラスの寮に早く移動するんだ。朝なら皆、食堂に移動している。別の道を進めば遭遇する可能性が低い」
私は『禁断の書』を抱き、コルトの部屋から食堂を通らないように寮を出た。すると、簡単に脱出できた。
「入るのも脱出するのもチョロいな。まあ、男子学園の寮に入ろうとする変質者なんてそうそういないだろうし、警備が薄いのかな?」
私はDランククラスの寮に向かった。朝から鍛錬しているフレイとライトの姿が見える。
「お、頑張ってるね」
「キアス……。無事、帰って来たのか」
「キアスくん、お帰りなさい」
フレイとライトは私の姿を見て鍛錬を止め、駆け寄ってくる。
「うん、やっと仕事が片付いてね。学園の講義に出られるようになったよ」
私は講義を行う教授に届けを出しているので講義を休んだとことになっていない。まあ、有給みたいなものだ。実際は仕事してるけど。
「そうか。まあ、試験でいい点を取れるように頑張れ」
「キアスくんは追試確定だね」
フレイとライトは満面の笑みのまま、私を憐れむような視線を向けてくる。
――あぁ、中間試験終わってた。
六月の中間試験はウルフィリアギルドの依頼を受けていたら終わっており、不完全燃焼。七月末の期末試験に良い点を取れるよう切り替えて行く。
ただ、放課後に大量の試験を受ける羽目に。寝不足を解消していなければ完全に死んでいた。
☆☆☆☆
私が追試を終わらせたころ、シトラ学園長が直々に表彰したい者がいるらしく、全園生徒がエルツ工魔学園の闘技場に足を運んでいた。
全園集会というやつか。観覧席に全園生徒が座ると空席がほとんどなくなり、生徒の多さが伺える。
私も観覧席に座り、中央に立っているシトラ学園長の姿を平然と眺めていた。なんせ、私に一切関係ない話だと思っていたから。
「今日、集まってもらったのは、ある生徒を表彰するためだ」
シトラ学園長が周りに大声を放つ。生徒が何人もいるにも拘らず、私の方に視線を向けた。
「その者はDランククラスでありながら、大量発生したオークが蔓延る中でクラスメイトの捜索を自ら進んでこなし、巣を見つけ、単独でオークを撃破した。その者がいなければ多くの者が犠牲になっていただろう」
私はシトラ学園長の話を聞き、身に覚えがありすぎて体が固まっていた。
どうしてそこまで知っているのかわからない。フレイやライト、ルドラさん、ゲンナイ先生の話を総合した結果、私が皆を助けたと結論づけられてしまったのだろうか。ルドラさんに聞いていたとしても、私がオークを倒したことくらいしか知らないはず。
わざわざ、多くの生徒の前で言いふらすなど何を考えているんだ。
「一年Dランククラス、キアス・リーブン。ここに来なさい」
シトラ学園長は私の方に視線を向けただけではなく、苗字まではっきりと言い放った。
「キアス・リーブンって『黒羽の悪魔』と同じ名前じゃなかったっけ?」
「ああ、そうだな。だが、Sランク冒険者がDランククラスにいるわけがないだろう。別人に決まっているじゃないか」
「『黒羽の悪魔』は女って噂だし、男子しかいない学園にいるわけない」
多くの生徒たちがざわざわと会話し始める。私が思っている以上に『黒羽の悪魔』という通り名は王都の中で広がっている。その者と同じ名前と苗字を持つ者だけで変な疑いがかけられるのは当然だった。
シトラ学園長はしたり顔で、私を手招きしている。今までバレないように頑張ってきたのに、私の変装や努力が水の泡になりかけている。
止まっていても、終わらないため私はシトラ学園長のもとにすぐに移動した。
「シトラ学園長、これはいったいどういう意味ですか。なんでこんなことを」
「キアスは、エルツ工魔学園の生徒として誇らしい行いをした。それを表彰するのはごく自然のことだ。まあ、一種の宣伝でもあるが……、学園の失態を薄くするためにキアスを表彰しないわけにはいかないんだ」
シトラ学園長は小さな声で、私を表彰する意図を教えてくれた。
どうやら、以前の実習の時にオークに襲われたのは、ルドラさんの失態だが周りから見たらエルツ工魔学園の失態にも見えるらしい。その悪い評価を良い評価で塗り替えるために、私が使われた。
「キアスはエルツ工魔学園の者全てが模範にするべき優秀な生徒であり、彼女……ではなく、彼のような勇敢な者はこれからの未来にいなくてはならない存在だ。皆も、キアスを見習い成長するように努めてほしい。では、皆でキアスに盛大な拍手を送ろう」
シトラ学園長が拍手し始めると、多くの者たちが手を叩き、闘技場全体が楽器のように共鳴して爆音が響き渡る。ただ、生徒を助け、オークを倒しただけなのに。でも、それが皆にとっては凄いことらしい。
――じゃあ、今まで私がやってきた仕事ってどれだけ凄いことなんだろう。ルドラさんが言っていたように、本当に私にしかできない仕事だったんだろうか?
私が嫌々やっていた仕事は私にしかこなせなかったのだとしたら、私が仕事をこなさなければ多くの者が困ってしまうのも理解できる。
じゃあ、私が面倒臭がっている時間だけ多くの者たちが危険にさらされて、私のような思いをする人が増えているのだとしたら……。
季節は夏に向かっているはずなのに、体温が下がった気がした。
「キアスにとっては些細なことかもしれないが、お前の行いは生徒だけではなく、騎士団や冒険者たちを間接的に救っている。あの規模のオークが暴れていれば、大きな被害が出ていたのは間違いない。お前の行動で多くの者が救われたんだ」
シトラ学園長は私の肩に手を置き、今までにないくらい優しい笑顔を向けてきた。
もしかすると私がこなしていた仕事は私が思っている以上に大切なのかもしれない。
多くの生徒の前で表彰された私はエルツ工魔学園の生徒たちの模範になってしまった。
だが、私の生活に変わりはなかった。
Sランク冒険者がDランククラスにいるわけがないという考えが私と『黒羽の悪魔』を乖離してくれているらしい。
ただ、以前より明らかに疑いの目が増えた。エルツ工魔学園にいられる時間は長くないかもしれない。
☆☆☆☆
私がエルツ工魔学園に入学してから三カ月近くが経ち、六月の後半。前回の実習でオークに襲われた私達はルークス森の別の場所で再度実習をこなした。
森の中に生暖かい風が吹き、梅雨のジメジメとした嫌な湿気が肌に張り付く。広がる光景を見つめ、頬に冷や汗が流れた。
「く、な、なんでスライムなんかに」
フレイは体がゲル状のスライムに捕まり、身動きが取れない状態になっていた。直径二メートルほどもある大きなスライムに体を拘束され、息苦しそうだ。
「う、うぅ……。ぬ、ぬるぬるが体を這って気持ち悪いよぉ……」
ライトもフレイと同様にスライムに捕まっていた。ライトは男なのにそこら辺の女子より可愛いので、とても破廉恥だ。
「お、俺はスライムごときに、負けられん」
フレイは体を動かそうとするがスライムの拘束が強くなっていくばかり。ぬるぬるの触手がフレイの鎧をべりべりと剥がしていき、鎖帷子が露出する。
「やっ……。そ、そんなところ、入ってこないで……」
ライトは冒険者服の中にスライムの触手が入り込んできて、涙目になりながら震えている。全身が巨大なナメクジに這われているような感覚を味わっているだろう。
「ふ、二人とも……」
私は『禁断の書』を開き、書きなぐろうと思っても、指が震えて羽根ペンを動かせなかった。
――ま、まただ。なんで、指が動かないんだ。こんなに卑猥なところ、めったに見られないのに。
知り合いが魔物に襲われている状況は、村が魔物に襲われた時以降、真面に見た覚えがなかった。スライムは弱い。襲われても簡単に死なない。そうわかっていても、体が震えて直ぐに動けなかった。
「おい、キアス。さっさと助けろ」
怪我が治ったゲンナイ先生は遠くから叫んだ。その瞬間、私は震えていた体が落ち着いた。
――今は、あの時と違うよな。
「す、すみません。すぐに倒します」
私は羽根ペンを操り、先端をスライムの核に直撃させる。すると、核が壊れ大きなスライムは体を維持できなくなり、水のように溶ける。
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