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学園のエリゼ その2
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あたふたするエリゼ様をほっといて、私は教室を出る。
まったく。
学園のモラルはどうなってるのよ。
私=リアの学年は、サウスウッド会長の学年ということもあって、
秩序がとれていたわ。
貴族の序列、学園の役割の違い、学習上の順番…それらは自然に分かれていて。
もちろん学園での<学び手としての平等>は保たれていたけれど、
人望のある者は、
リーダーとしての振る舞いを忘れず、
生徒会や、部活動の役員は、
その責務を物差しにしていたし、
無論のこと、学業に優秀な人は、その意味でリスペクトされた。
でも、
それはそれ。
私たちは、社会に出れば、社会の仕組みが物差しとなる。
だから、高位貴族の子息は、家を盛り立てるために学び、
交友を広げる。
令嬢は、婚約を結んだり、結ばれるのを待ったりして、
素養を高める。
その貴族の家とつながった仕事に就きたいものは、そのための勉強を。
修練を。
町で仕事に就くものは、学友とのつながりをいかして、
身を立てることを考えている。
大人なのだ。
特に、リアのクラスは、そうだった。
学園は、学力至上主義であるから、クラス分けは成績に準ずる。
それが、様々な身分への忖度や思惑から、もっともよい言い訳だったから。
無論、リアはAクラス。
3クラスあるが、やはり幼児から教育を受けてきた高位貴族が多かった。
下に行くほど、平民が増える。
(または、なまけものの放蕩息子とかね)
だからだろうか。
エリゼ様のクラスは、1のB。
侯爵令嬢のエリゼ様だが、お勉強は苦手だったようだ。
特に1年は、B組に平民が多かった気がする。
もしくは、平民が教室を牛耳っていたのか。
(ココ・セントラルも、平民よね)
この国は、平民であっても姓をもつ。
持たないのは、よほど下層の者たちだ。
ココ嬢は、ずばぬけた美少女だった。
入学式から目立っていた。
生徒会として、新入生の前に立っアレクシス第二王子の目に留まるほど。
小柄な体に華奢な手足。
蜂のような細腰。
それなのに、胸は制服の中で、窮屈そうに二つの球を形どる。
要請のような表情に、妖艶さをちらちらと見せて、
あっという間に、二人は近づいた。
ココ嬢の天真爛漫さ、その明るさ、人たらしな性格。
そのどれもが、いままで学園にいなかったキャラクターだったのだ。
ココ嬢の『ゆるされざる恋』は、
いつしか『純愛』と呼ばれ、背徳感を排した綺麗ごとになっていた。
それとともに、本来の婚約者である
<完璧な令嬢>のノースフォース様は、
純愛を邪魔する御方として、平民や下位貴族たちを中心に、
悪女扱いされるようになった。
茨姫、なる二つ名は、二人に悪態をつき、引き離さんとする意地悪さを象徴している
らしい。
リア=エリゼは、授業が終わるのを廊下で待ち、2-Aの傍で人を待つことにした。
まったく。
学園のモラルはどうなってるのよ。
私=リアの学年は、サウスウッド会長の学年ということもあって、
秩序がとれていたわ。
貴族の序列、学園の役割の違い、学習上の順番…それらは自然に分かれていて。
もちろん学園での<学び手としての平等>は保たれていたけれど、
人望のある者は、
リーダーとしての振る舞いを忘れず、
生徒会や、部活動の役員は、
その責務を物差しにしていたし、
無論のこと、学業に優秀な人は、その意味でリスペクトされた。
でも、
それはそれ。
私たちは、社会に出れば、社会の仕組みが物差しとなる。
だから、高位貴族の子息は、家を盛り立てるために学び、
交友を広げる。
令嬢は、婚約を結んだり、結ばれるのを待ったりして、
素養を高める。
その貴族の家とつながった仕事に就きたいものは、そのための勉強を。
修練を。
町で仕事に就くものは、学友とのつながりをいかして、
身を立てることを考えている。
大人なのだ。
特に、リアのクラスは、そうだった。
学園は、学力至上主義であるから、クラス分けは成績に準ずる。
それが、様々な身分への忖度や思惑から、もっともよい言い訳だったから。
無論、リアはAクラス。
3クラスあるが、やはり幼児から教育を受けてきた高位貴族が多かった。
下に行くほど、平民が増える。
(または、なまけものの放蕩息子とかね)
だからだろうか。
エリゼ様のクラスは、1のB。
侯爵令嬢のエリゼ様だが、お勉強は苦手だったようだ。
特に1年は、B組に平民が多かった気がする。
もしくは、平民が教室を牛耳っていたのか。
(ココ・セントラルも、平民よね)
この国は、平民であっても姓をもつ。
持たないのは、よほど下層の者たちだ。
ココ嬢は、ずばぬけた美少女だった。
入学式から目立っていた。
生徒会として、新入生の前に立っアレクシス第二王子の目に留まるほど。
小柄な体に華奢な手足。
蜂のような細腰。
それなのに、胸は制服の中で、窮屈そうに二つの球を形どる。
要請のような表情に、妖艶さをちらちらと見せて、
あっという間に、二人は近づいた。
ココ嬢の天真爛漫さ、その明るさ、人たらしな性格。
そのどれもが、いままで学園にいなかったキャラクターだったのだ。
ココ嬢の『ゆるされざる恋』は、
いつしか『純愛』と呼ばれ、背徳感を排した綺麗ごとになっていた。
それとともに、本来の婚約者である
<完璧な令嬢>のノースフォース様は、
純愛を邪魔する御方として、平民や下位貴族たちを中心に、
悪女扱いされるようになった。
茨姫、なる二つ名は、二人に悪態をつき、引き離さんとする意地悪さを象徴している
らしい。
リア=エリゼは、授業が終わるのを廊下で待ち、2-Aの傍で人を待つことにした。
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