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王子
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王子からいきなり呼び出しを食った。
王子といっても私と同年である。大の大人なのになぜわざわざ私を呼び出したのか不明だが、旧知の知り合いなのでその点にも興味があって承諾した。
普段は日本国内で暮らしているが、一時的に母国に帰国していた。このご時世で航空路線が休止することになったので、急遽日本に戻ることになったらしい。
「やあ、よく来たな」
相変わらず横柄な口を利く。「王子」なのだからやむを得ないか。
「じゃあ、行こうか」
呼び出した理由はまだ話す気は無いらしい。
飛行機の中の世間話で呼び出した理由が分かった。
「俺が使っているゲーム機、電源装置が故障したらしいんだ。お前んとこで修理してもらえないか」
そんなことか。
日本に戻ってきた。そのまま私の研究室に直行する。
「一応見てはみるが、お前の国とは電機の規格が違うから、うちで修理できるか分からんよ」
「ああ、それは百も承知だ」
電源装置を見てみると、実に細かい文字で何やら書かれている。老眼の目にはとても見えない。
若い研究員に頼む。
「ここ、なんて書いてあるか分かるか」
研究員は見てみるが、首をかしげている。彼にも見えないくらい小さな字なのか、それとも読めない言葉で書かれているのだろうか。
他の研究員にも見てもらうが、やはり読めないようだ。
「そうか、分からないのか」
王子は見るからにがっかりした様子になった。
王子といっても私と同年である。大の大人なのになぜわざわざ私を呼び出したのか不明だが、旧知の知り合いなのでその点にも興味があって承諾した。
普段は日本国内で暮らしているが、一時的に母国に帰国していた。このご時世で航空路線が休止することになったので、急遽日本に戻ることになったらしい。
「やあ、よく来たな」
相変わらず横柄な口を利く。「王子」なのだからやむを得ないか。
「じゃあ、行こうか」
呼び出した理由はまだ話す気は無いらしい。
飛行機の中の世間話で呼び出した理由が分かった。
「俺が使っているゲーム機、電源装置が故障したらしいんだ。お前んとこで修理してもらえないか」
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