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新聞
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目が覚めた。どうやらだいぶ寝坊してしまったようだ。
階段を下りていく。母が食事の支度をしている。
リビングの床には新聞がたくさん散らばっている。思い出した。今日は1月1日。増大号で紙面がたくさんある。
父と弟は新聞を見た後一緒に車で出かけたらしい。どこに行ったのかは知らないし興味も無い。
新聞を見ることはせず、郵便受けに向かう。
私は数年前から家族とは別に自分専用に新聞を取っている。今日は別だが普段は一番早く起きることが多く、興味がある記事はその場で切り抜いてしまうからである。自分専用にしていれば後から見る家族のことなど考えなくて済む。
外に出たところで車が戻ってきた。父と弟が帰って来たらしい。
私が自分専用の新聞を取り込んでいるのを見ると、父の様子が変わった。
すでに新聞を取り込んでいたのに、別の新聞を取り込んでいたのが気になったようだ。
「お前、別の新聞を取っているのか?」
「いいや、全く同じ新聞だよ。同じ新聞だけど、僕専用の奴」
「一緒に住んでいる家族なのに、何でそんな無駄なことするんだ。一緒に住む意味はあるのか。新聞も共用できないのなら、一緒に住む意味は無い」
この態度には許せなかった。
「見た時にすぐ切り抜きができるように、別に取っているんだよ。一緒に住んでいるからといって、何もかも共用しなければならないなんてことは無いだろう。家族全員衣服を共用しているか?歯ブラシを共用しているか?さあ、どうなんだ」
父は言葉に詰まった。こんな返事を想定していなかったらしい。ものすごく不満な顔のまま家の中に入る。
気にせず新聞を持ち込んでリビングで見る。
増大号なので見ていない紙面が多い。弟が近寄ってくる。
「見ていない紙面、見せてもらってもいいかな」
家族が取っている新聞の方は父が見た時に部屋中に散らばっている。読みにくいからなのだろう。
「構わんよ」
父は不満気な顔のままだ。母は以前から私が別に新聞を取っていたことを知っているから、特に何も言うこと無く朝食の支度を続けている。
私は新聞を見続ける。連載小説が今日最終回を迎えたようだ。
階段を下りていく。母が食事の支度をしている。
リビングの床には新聞がたくさん散らばっている。思い出した。今日は1月1日。増大号で紙面がたくさんある。
父と弟は新聞を見た後一緒に車で出かけたらしい。どこに行ったのかは知らないし興味も無い。
新聞を見ることはせず、郵便受けに向かう。
私は数年前から家族とは別に自分専用に新聞を取っている。今日は別だが普段は一番早く起きることが多く、興味がある記事はその場で切り抜いてしまうからである。自分専用にしていれば後から見る家族のことなど考えなくて済む。
外に出たところで車が戻ってきた。父と弟が帰って来たらしい。
私が自分専用の新聞を取り込んでいるのを見ると、父の様子が変わった。
すでに新聞を取り込んでいたのに、別の新聞を取り込んでいたのが気になったようだ。
「お前、別の新聞を取っているのか?」
「いいや、全く同じ新聞だよ。同じ新聞だけど、僕専用の奴」
「一緒に住んでいる家族なのに、何でそんな無駄なことするんだ。一緒に住む意味はあるのか。新聞も共用できないのなら、一緒に住む意味は無い」
この態度には許せなかった。
「見た時にすぐ切り抜きができるように、別に取っているんだよ。一緒に住んでいるからといって、何もかも共用しなければならないなんてことは無いだろう。家族全員衣服を共用しているか?歯ブラシを共用しているか?さあ、どうなんだ」
父は言葉に詰まった。こんな返事を想定していなかったらしい。ものすごく不満な顔のまま家の中に入る。
気にせず新聞を持ち込んでリビングで見る。
増大号なので見ていない紙面が多い。弟が近寄ってくる。
「見ていない紙面、見せてもらってもいいかな」
家族が取っている新聞の方は父が見た時に部屋中に散らばっている。読みにくいからなのだろう。
「構わんよ」
父は不満気な顔のままだ。母は以前から私が別に新聞を取っていたことを知っているから、特に何も言うこと無く朝食の支度を続けている。
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