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後輩
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霧雨の降る中、一人走っている。
外出規制の影響なのか、あまり人はいない。
家の建築現場の脇を通りかかった。数人が作業をしている。
若い男が一人いて、あまり手際が良さそうではない。
ミニショベルに乗っていた30代と思しき女性が降りて来て、若い男を巴投げで放り投げた。
幾ら手際が悪いとはいえ、あまりにひどすぎる。文句を言いに行く。
「うまくできなかったらきちんと教えるのが先輩の務めでしょう。それを放り投げるなんて後輩に対するいじめですよ」
作業員が私をとり囲んだ。何だか嫌な予感がする。
「そこまで言うならあなたも一緒に仕事をしてみればいい」
「こちらに来てください」
随分と古いビルに連れていかれた。会社の建物らしい。
作業着に着替えさせられる。
「これからあるお宅を訪ねます。一緒に来てください」
なんだかおかしなことになってきた。
作業員の一人とエレベータに向かう。同じビルに入っている入居者らしい。
「あなたはここで待っていてください」
ハンディカメラを持ってある部屋の中に入っていく。仕方が無いのでドアの前で待つ。何のために連れて来られたのか分からない。
しばらくして出てきた。
「これから会社に戻ります」
エレベータに乗って事務所に戻った。
「タオルを忘れてきた」
そう言いながら他の人からタオルを借りている。
事務所を出ると、エレベータの前にタオルが落ちていた。
「ここにあったか。まあいいや、あなたがこちらを使ってください」
借りてきた方を私に渡す。
入って来たときとは別のドアの前に来た。
「この中、あまりきれいではありません。汚れないように注意して通ってください」
開けると、腰をかがめてようやく通れるほどの高さで、いたるところにグリースのような固形脂がついている。
妙な姿勢で通り抜けたが、やはり少し汚れてしまった。
私に次にその男も出てくる。通り慣れているのかあまり汚れていない。
一緒にいるのは若いというほどではないが、私よりははるかに若い男である。
私が引っ越してきて21年他経つと話すと、随分と驚いていた。
これからどこに向かうのか、さっぱり分からない。
外出規制の影響なのか、あまり人はいない。
家の建築現場の脇を通りかかった。数人が作業をしている。
若い男が一人いて、あまり手際が良さそうではない。
ミニショベルに乗っていた30代と思しき女性が降りて来て、若い男を巴投げで放り投げた。
幾ら手際が悪いとはいえ、あまりにひどすぎる。文句を言いに行く。
「うまくできなかったらきちんと教えるのが先輩の務めでしょう。それを放り投げるなんて後輩に対するいじめですよ」
作業員が私をとり囲んだ。何だか嫌な予感がする。
「そこまで言うならあなたも一緒に仕事をしてみればいい」
「こちらに来てください」
随分と古いビルに連れていかれた。会社の建物らしい。
作業着に着替えさせられる。
「これからあるお宅を訪ねます。一緒に来てください」
なんだかおかしなことになってきた。
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ハンディカメラを持ってある部屋の中に入っていく。仕方が無いのでドアの前で待つ。何のために連れて来られたのか分からない。
しばらくして出てきた。
「これから会社に戻ります」
エレベータに乗って事務所に戻った。
「タオルを忘れてきた」
そう言いながら他の人からタオルを借りている。
事務所を出ると、エレベータの前にタオルが落ちていた。
「ここにあったか。まあいいや、あなたがこちらを使ってください」
借りてきた方を私に渡す。
入って来たときとは別のドアの前に来た。
「この中、あまりきれいではありません。汚れないように注意して通ってください」
開けると、腰をかがめてようやく通れるほどの高さで、いたるところにグリースのような固形脂がついている。
妙な姿勢で通り抜けたが、やはり少し汚れてしまった。
私に次にその男も出てくる。通り慣れているのかあまり汚れていない。
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これからどこに向かうのか、さっぱり分からない。
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