息子は恋人 友情編

zebra

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仲間

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 私たちはお互い冗談を言ったりはしない。全て本音で喋る仲。

 だから、この二人は本気だということが分かる。

 細かい詮索はしないことにした。そんなことを聞いても意味が無い。

 息子の方を向く。

 「どうする?お願いする?」

 息子は頷いた。

 アカネが笑って言う。

 「そう。だったら今から呼び名を決めなきゃね」

 私たちはお互い子供の名前を教えたことは無い。芸能人の家族と同じで自身のことは話すが、子どものことはベールに被うことにしているから。自分の子供の話をする時でも名前は出さない。うちは一人っ子だから「息子」で済む。

 「私たちがRGBだから「ヒカリ」でどう?」

 「構わないわよ」

 芸名のようなものなのだから、何でもいい。

 「このホテル、4人部屋の和室があったわよね。今夜空いてたら変更してもらえないか聞いてみるわ。まだこの時間だったら変更できるかもしれない」

 今に始まったことではなく、アカネは先のことまでどんどん考えが回る。幹事やまとめ役をするのが生きがいみたいな人。

 受付に電話を入れる。

 「空いてるって。手続しに行きましょう」

 アカネは、受付の若い女性に話す。

 「先ほど内線電話を入れた者です。そういうわけで、予約してあった個室3部屋を4人部屋に変更お願いします」

 事務的に手続きは住んだが、このあと何が行われるかなど想像もできないことだろう。

 「布団を用意していただければ、あとは自分たちでやりますので明日の朝まで入室しないようにお願いします」

 「承知いたしました。お部屋の準備ができましたら、内線電話でお知らせいたします」

 しばらく雑談が続いた。「ヒカリ」と呼ばれることになった息子も初めて会うおばさんたちの間ですっかりなじんだ様子。

 電話が鳴った。アカネが取る。

 「「いつでもどうぞ」って。行きましょうか」

 部屋番号と案内図を確認しながら、今夜泊まる部屋に向かう。

 「ここね」

 広くは無いけど、まずまずの部屋。布団が並べて敷かれている。修学旅行の時を思い出す。トイレとバスルームも分けられている。

 アカネが指示を出す。

 「ヒカリはそこのお風呂を使って。私たちは地下の大浴場に行ってきましょう」

 アカネの家族を思い浮かべた。今頃はうるさい妻(母親)がいなくて羽を伸ばしていることだろう。

 久しぶりに二人のからだを見た。アカネは顔は普通だけど、体は確実にグラマラスな部類。アヤメは体は「幼児体型」に近いが、学年で上位を争った容姿。二人とも私とは違うタイプ。帰宅後、息子に感想を聞いてみようと思う。

 気のせいか、二人とも念入りに体を洗っているように見えた。この二人は結構長風呂なのだ。

 「そろそろ戻ろうか。ヒカリが待ちくたびれているかもよ」

 
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