息子は恋人 友情編

zebra

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アカネ①-2 胸

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 一瞬頭をよぎった。

 アカネやアヤメは純粋に息子へのボランティア精神でこんなことを引き受ける気になったのだろうか。

 そうではあるまい。きっと二人とも「オンナ」としての素質が眠っていて、私がこんな話をしたことでそれが目覚めたのだろう。私たちはまだ「枯れてしまう」年齢ではないのだから。

 私たちは小学生である息子を玩んでいるのだろうか。いくら本人の合意があっても子供を相手にするのは「犯罪」だと聞いたことがある。

 でも、息子は決して嫌がっている様子は無い。少しでも嫌がる素振りを感じるようになったらその時考えればいいと思うことにした。 

 息子はまだアカネの胸を楽しんでいる。自然なことなのだろうけど、やはり少々妬ける。こればかりは慣れるしかないだろう。

 アカネの胸、私と明らかに違うところがある。「裏側」の存在。

 私の胸は起き上がっても仰向けになっても、「裏側」はできない。アカネの胸はどちらの姿勢でも間に何か入れられるくらい大きな隙間ができる。わずかな「違法薬物」くらいなら、何の問題も無く隠せるだろう。

 私の胸もあれくらい大きかったら、もっと息子は楽しんでくれたのかな、とも思う。これ以上大きくなりようがないのだから贅沢を言っても仕方がないけど。

 アカネにヤキモチを妬いている自分に気付く。

 ダメだ。今息子の恋人はアカネなんだから。私じゃない。愛し合っているときはその相手だけのことを考える様にならなければ。今は私のことなんて忘れて、アカネだけをひたすら愛してくれればいいはず。この期に及んで彼氏が浮気相手とやってるところに出くわしたみたいな気分になってどうする?

 そう考えると吹っ切れた。今日の私は息子の恋人では無くて、ただの傍観者。アカネに失礼なことをしていないか、冷静に観察していればいい。

 私もまだまだだな。このままだと息子に彼女ができた時には嫉妬でおかしくなってしまうかもしれない。

 息子に教えるということは、息子からも教えられること。それを肝に念じなくちゃ。

 小学校高学年頃を思い出す。

 それまでただ乳首が平面についていただけだったのが、周囲が膨らみ始めたのを感じた時。

 母親を始めとした大人の女性の胸がそういう状態なのは知っていたけど、自分がそうなるなんて考えて見たことも無かった。ましてや、それが赤ん坊を育てるためだけではない、別の役目を持っているなんて。

 男の人が、女性の胸に特別な感情を抱くものだということはこの頃から気が付いていたけど、何故なのかは分からなかった。

 父親が裸の女性の写真の乗った週刊誌や映像作品を見ているのは気が付いていた。そういうところでは大抵胸も露わな女性が登場し、男の人が触ったり舐めたりしていたのを思い出す。

 赤ちゃんじゃないのに、何でそんなことするんだろうと思ったもの。

 わずかに膨らみかけた乳首の周りを触ってみた。少し凹んで、すぐ戻った。

 やがては大人と同じように大きく膨らんでくるのかもしれないけど、そんな自分は想像できない。

 私の胸も大きくなったら男の人が見たがったり、触りたがったりするのかな。そんな風に想像したもの。

 アカネを見ると、私の心の中など考えもしないような顔をしている。分かっていてもあえてそういう風にしてくれているのかもしれない。

 息子の唇がアカネの乳首を含んだ。私以外の乳首を口にしたのは初めてのはず。

 
 


 
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