三つ子の怨念百まで

一周忌

　6/3はあなたの命日で、一周忌に行ってきたが、先日の大雨で墓地は水没していて、結局食事会だけで終わった。喪主の妹が再度やる積もりかどうかは分からないが、この方がむしろあなたにふさわしかったと言えなくもない。

　あなたが「捨てた」女性、結局ずっと独り身だったそうだな。あなたがそのことを私に話さなかったのは、隠しておきたいことだったのかもしれないが、そうはいかないものだ。あなたが生きている間は口止めしていたことでも死んでしまえばそうはいかなくなるのは当然のこと。

　あなたは「女性は20代前半に結婚するのが普通の時代に5年も待っていてくれとは言えなかった」と話していたが、それでも待っているべきだった。母のことを常に彼女と比較して母に冷たく当たっていたのかもしれないが、母の方こそいい迷惑だ。あなたのおかげで一生を台無しにすることになってしまった。

　あなたと結婚していた32年はあなたにとっては一生の4割にもならないが、母にとっては6割近くで、一生の半分をはるかに超える期間だ。あなたのような人とそんな長い間一緒にいることになった母には心から同情せざるを得ない。

　その彼女はまだ存命らしいから、あなたが死んだことを知ったことだろう。彼女もあなたのことを恨んでいるかもしれないが、そうだとしてもそれは当然のことだ。

　あなたが生きている間にやったことは法律上は犯罪でなかったかもしれないが、二人の女性の一生を台無しにしたことは極めて重い。

　あの後来週の日曜にやり直すという連絡が来たが、参加はできないと伝えた。今のところ特に予定が入っているわけではないけど、そんなことに時間を費やすのは無駄だからだ。あなたにしても大嫌いな私が来ないほうがいいだろうよ。