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金曜スペシャル(5)
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この番組のエロテーマと言えば、「ヌーディスト村潜入取材」が挙げられるだろう。
もちろん、日本国内には存在しない。造ろうとしたこともあったようだが、当然のことながら実現しなかった。日本人の倫理観には合いそうにない。
恐らく海外の取材番組を購入したものなのだろう。白人の女性レポーターが欧米だと思われる街中で一般の人にインタビューするところから始まる。
「ヌーディズムについてどう思われますか?」
回答は人それぞれ。嫌悪感を示す人、「本人の自由だが、人前で裸になるなんて考えられない。自分はやらない」という人、「街中ではやらないが、好き」だという人(少数派だろう)。
ヌーディストだという女性の説明が入る。
「ヌーディズムを誤解する人が多いようです。裸で生活することでセックスと結び付けた考える人が多いようですが、ヌーディズムとセックスは関係がありません。裸で生活しているというだけで、普段の生活はそれ以外なんの変わりもありません。ヌーディズムは非常に自然な、健康的な生活スタイルなのです」
とはいえ、この番組を見た人の大半はエロ番組として見ていたのはほぼ間違いないだろうけど。
ナレーションが入る。
ヌーディスト村の入り口。どこにあるかは聞き洩らしたが、恐らくヨーロッパの温暖な地域であろう。冷寒な地域ではとても不可能だろうから。
「私たちは潜入取材をすることにした。ヌーディスト村だからといって裸になることが義務付けられているわけではない。私たちは着たまま行ったが、ここでは服を着ている方が恥ずかしいように思われてくる」
カメラが入る。「ルパン三世」でもヌーディスト村が出てきたことがあるが、この作品では男女とも股間を葉っぱで隠していた。映像ではそんなことをしている人はいない。アニメであっても現実に即して描くことは制限があったのかもしれない。
但し、股間が映りそうになると雲のような暈しが出てくる。数名だと一直線で隠されてしまうこともあった。
裸でいるのが普通の生活であるためか、他の異性を見ている人などいない。
一組のカップルが歩いている。男性は初めて来たのだそうで上半身は裸だが、トランクスを履いている。女性は文字通り生まれたままの姿である。時々女性が男性のトランクスを引き摺り下ろそうとするが、男性は必死で抑えている。
テニスをしている人たちもいる。普通に動き回っているが、女性の場合は抑えるものが無いので両胸が揺れている。映ってはいないが、男性の股間も同様なのだろう。
撮影クルーは一組の家族に注目する。両親と一人娘で、娘は14歳とのこと。内向的な娘を変えるために来たのだそうだ。今思えばやらせの可能性も高いだろうが、作戦としては極端である。
娘はコテージに引き籠っている。もちろん服を着たままである。両親は裸になって出かけてしまう。
村内での生活の紹介シーンに移る。ほとんどの人は何一つ身につけていない。それ以外は特に変わったこと無く、普通に生活をしている。別荘地のような存在なのだろう。店舗などもあり、買い物をする人も店員も全裸である。
生活しているのは普通の人なので、必ずしも美人、美男子ではない。老若男女、様々な人がいる。但し、映っているのは白人ばかりである。当時は今ほど移民がいるわけではなかったからかもしれない。
番組の最後に、家族の映像に戻る。
娘は相変わらずコテージに籠ったまま。窓から、同じくらいの少女たちが裸で駆け回っているのを羨むように見ている。
両親は娘に語り掛ける。
「大丈夫だから脱いでごらん」
娘はついに決意する。
服に手を掛ける。ボタンを外していき、下着姿になる。最後に思い切って下着も脱ぐパンツも脱いで、「生まれたままの姿」に。
考えてみれば、これはカメラの前でやっているのである。やらせでないとすれば相当な覚悟だったはずである。
両親は部屋から出てきた娘を無言で迎える。
両親とともにコテージを出た娘はすっかり明るくなり、ここでの生活を楽しんでいく。
これで終わっていたが、何とも現実離れした場所だと私は思った。
今考えてみると現実の家族に「密着取材」したものであるかは疑わしい。「密着取材」の形を取った「ドラマ」だったと考えるのが自然なように思える。
もちろん、日本国内には存在しない。造ろうとしたこともあったようだが、当然のことながら実現しなかった。日本人の倫理観には合いそうにない。
恐らく海外の取材番組を購入したものなのだろう。白人の女性レポーターが欧米だと思われる街中で一般の人にインタビューするところから始まる。
「ヌーディズムについてどう思われますか?」
回答は人それぞれ。嫌悪感を示す人、「本人の自由だが、人前で裸になるなんて考えられない。自分はやらない」という人、「街中ではやらないが、好き」だという人(少数派だろう)。
ヌーディストだという女性の説明が入る。
「ヌーディズムを誤解する人が多いようです。裸で生活することでセックスと結び付けた考える人が多いようですが、ヌーディズムとセックスは関係がありません。裸で生活しているというだけで、普段の生活はそれ以外なんの変わりもありません。ヌーディズムは非常に自然な、健康的な生活スタイルなのです」
とはいえ、この番組を見た人の大半はエロ番組として見ていたのはほぼ間違いないだろうけど。
ナレーションが入る。
ヌーディスト村の入り口。どこにあるかは聞き洩らしたが、恐らくヨーロッパの温暖な地域であろう。冷寒な地域ではとても不可能だろうから。
「私たちは潜入取材をすることにした。ヌーディスト村だからといって裸になることが義務付けられているわけではない。私たちは着たまま行ったが、ここでは服を着ている方が恥ずかしいように思われてくる」
カメラが入る。「ルパン三世」でもヌーディスト村が出てきたことがあるが、この作品では男女とも股間を葉っぱで隠していた。映像ではそんなことをしている人はいない。アニメであっても現実に即して描くことは制限があったのかもしれない。
但し、股間が映りそうになると雲のような暈しが出てくる。数名だと一直線で隠されてしまうこともあった。
裸でいるのが普通の生活であるためか、他の異性を見ている人などいない。
一組のカップルが歩いている。男性は初めて来たのだそうで上半身は裸だが、トランクスを履いている。女性は文字通り生まれたままの姿である。時々女性が男性のトランクスを引き摺り下ろそうとするが、男性は必死で抑えている。
テニスをしている人たちもいる。普通に動き回っているが、女性の場合は抑えるものが無いので両胸が揺れている。映ってはいないが、男性の股間も同様なのだろう。
撮影クルーは一組の家族に注目する。両親と一人娘で、娘は14歳とのこと。内向的な娘を変えるために来たのだそうだ。今思えばやらせの可能性も高いだろうが、作戦としては極端である。
娘はコテージに引き籠っている。もちろん服を着たままである。両親は裸になって出かけてしまう。
村内での生活の紹介シーンに移る。ほとんどの人は何一つ身につけていない。それ以外は特に変わったこと無く、普通に生活をしている。別荘地のような存在なのだろう。店舗などもあり、買い物をする人も店員も全裸である。
生活しているのは普通の人なので、必ずしも美人、美男子ではない。老若男女、様々な人がいる。但し、映っているのは白人ばかりである。当時は今ほど移民がいるわけではなかったからかもしれない。
番組の最後に、家族の映像に戻る。
娘は相変わらずコテージに籠ったまま。窓から、同じくらいの少女たちが裸で駆け回っているのを羨むように見ている。
両親は娘に語り掛ける。
「大丈夫だから脱いでごらん」
娘はついに決意する。
服に手を掛ける。ボタンを外していき、下着姿になる。最後に思い切って下着も脱ぐパンツも脱いで、「生まれたままの姿」に。
考えてみれば、これはカメラの前でやっているのである。やらせでないとすれば相当な覚悟だったはずである。
両親は部屋から出てきた娘を無言で迎える。
両親とともにコテージを出た娘はすっかり明るくなり、ここでの生活を楽しんでいく。
これで終わっていたが、何とも現実離れした場所だと私は思った。
今考えてみると現実の家族に「密着取材」したものであるかは疑わしい。「密着取材」の形を取った「ドラマ」だったと考えるのが自然なように思える。
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