私がエロ小説を書き始めるようになった理由

金曜スペシャル（終）

　「金曜スペシャル」の最後に、「科学番組」を紹介しておく。

　「科学番組」というのは、「科学番組」の形をとったエロ番組である。もちろん取りようによるが、見た人のほとんどはそう思ったに違いないと思う。

　題名　「生命の神秘！新しい生命の誕生するまで」

　ナレーション

　「哺乳動物には雄と雌がいます。子孫を残すためにある儀式を行います。、そう、交尾です。それは私たち人間も例外ではありません」

　動物たちの交尾シーンがいくつも映される。雄が雌の上に後ろから覆いかぶさり、ペニスが蛇のように動いて雌の体に入っていく。

　「私たちはあるカップルに密着しました」

　結婚式の風景。一組にカップルが祝福されながら歩いて行く。

　「初夜、それは大切な儀式を行うときです」

　二人だけになった男女は、衣服を脱ぎ捨ててベッドの上で睦み合う。二人の性器には暈しが入っているが、「挿入」する映像も流れる。

　それだけでも凄いことだが、何と女性の生殖器の中に小型カメラを挿入させて中の映像を映したのである。当時そんな映像がテレビで流れたことはなかったのではないだろうか。

　やがて女性は妊娠する。超音波撮影するところと、胎児の映像が映し出される。それは月を追う毎に大きくなっていく。

　やがて出産を迎える。当時の日本では少なかったと思われる「立ち合い出産」。女性が股間を大きく開いていきんでいる映像が流れるが、股間には暈しがかけられている。生まれるところは新生児だけ暈しがかけられずに映っている。

　生まれてきた赤ん坊を両親が抱きかかえるところで番組は終わっていた。


　このカップルがどういう人物なのか今となって走る由もないが、よく取材に応じたものだと思う。