私がエロ小説を書き始めるようになった理由

1/400

　確か週刊誌だったと思うが、「アダルトビデオ女優の経験者は日本人女性の1/400」というのを聞いた（読んだ？）ことがある。

　電車には、通勤ラッシュ時には20m車両の場合1両当たり200人くらいは乗っているので、半分が女性であると仮定すると、4両に一人は経験者がいることになる。

　幾らなんでも多すぎるのではないかと思い、計算して見ることにした。

　調べてみると、日本の人口のうち女性は約6500万人らしい。1/400とすると、単純計算で16万2500人になる。いつ頃からアダルトビデオ女優というものが登場したのかはっきりは分からないが、ビデオ機器が各家庭に普及したのは35年前くらいであるから、その頃からだとすると1年間にデビューした人数は平均して4643人。一度くらいしか出演しなかった人も含めればまあ妥当な数字であろう。

　当然のことながら、6500万という数字には老婆も乳幼児も含まれる。今でこそ中高年のアダルトビデオ女優もそれほど珍しくないが、昔の日本人男性は若い女性を好む傾向にあり、アダルトビデオ女優も25を過ぎるとほぼ「引退」になったらしい。つまり、35年前にはどんなに贔屓目に見ても30以上の女性で経験者はほとんどいなかっただろうと想像する。

　35年前当時30歳の女性は現在65歳になる。現在65歳以上の女性はざっと2000万人である。この年代の女性でアダルトビデオ女優経験者は全くいないとまでは言わなくてもほぼ無視できると見做すと、残りの女性の数は4500万人になる。

　当然のことながら18歳未満で出演している女性も出演経験は無いはずなのだが、人口は5歳毎に統計が出ていて、「1５～19」となっている中には18歳以上と未満の女性が混在している。実に大雑把な計算だが、この世代の2/5が18歳以上と仮定すると、14歳以下の世代が751万、15～17歳が172万となり、合計で923万人。この人口も当然除外することになる。

　その結果、4500万-923万＝3577万で約3600万。このうち16.25万人がアダルトビデオ女優経験者だとすると18歳から65歳の世代に限れば大雑把に言って1/220がアダルトビデオ女優経験者ということになる。

　はっきり言ってこの数字はかなり大きい。まさかここまで多いとは思わなかった。以前見たテレビ番組で、「今ではごく普通の女性がアダルトビデオに出演している」と言っていたのを思い出したが、強ち外れてはいないようだ。

　ひょっとしたら、あなたの近所の主婦、職場の同僚、大学のクラスメイトなどにアダルトビデオ出演経験者がいるのかもしれない。