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連載小説

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 エロ小説といえば、男性週刊誌の定番であろう。大体パターンは決まっていて、あまりぱっとしない雰囲気の中高年男性が出先で出会った女性に相談を持ちかけられたりして、やがてカラダの関係へと進んでいく。出会ったばかりのどこの誰とも知れない男性に簡単に体を許すなんてなんて股の緩い女なのかと思わざるを得ないが、視聴者の大半を占めるであろう中高年男性の「夢」を文章に仕上げているのだと思えば納得がいく。お互いの体を舐め合ったり、触り合ったりして最終的には性交に至る。このパターンから外れるものはまずない。

 冷静に考えればどこの誰とも知れない異性と簡単に性交するなんてリスクが高すぎる。特に主人公の男性はこのようにして多くの女性を渡り歩いているという設定だから、確実に性病に感染しているだろう。どの話を読んでもコンドームを使用しているという話は出て来ないからである。

 同じように多くの相手と性交しているアダルトビデオ女優、男優は定期的に性病検査を受けている。特に男優は自己負担のことが多く、費用はバカにならないので大変だという話をテレビ番組で聞いた。その意味で言えば風俗業界などより遥かに清潔と言えるが、それでも中には性病に感染する者もいるらしい。そんなことは公表されることはほぼ無いが。

 私がこのタイプの男性を登場させたのは「街角の女」だけである。昔ヘアヌード写真集が芸能人、素人問わずに氾濫していた時代に、「ちょっとお金が欲しい女性がマイクロバスを使って誰でもアルバイト感覚で気軽にヌード写真が撮れるようにしたい」という話をテレビ番組で見て思いついた次第である。こんなものが実現しなかったのはやはり倫理的に問題があったからなのだろう。

 もう少し変わったパターンがあってもいいと思う。

 日本では「管理売春」は法律で禁止されている。これは「売春」を禁止するものではない。あくまでも成人女性に限られるが、「個人営業」で、売春行為を行うのは様々な制限があるものの、それをクリアすれば禁止されているわけではない。売春婦が大っぴらに「広告」を出すわけにはいかないのであまり知られていないだけである。

 「個人売春」を法律で禁止しなかったのは、「売春防止法」施行時には政治家は愛人を囲っているのが普通で、それと区別することがほぼ不可能であるから、「合法的に」愛人を持ち続けることができるようにしたのだろう。

 こういうテーマで一つ書いてみようと思う。何時発表できるかは未定だが、設定については概ね固まってきている。「売春婦と市場を交えずに性交した」という話の方が遥かにリアリティがあるはずである。

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