怪力悪役令嬢は冒険者になりたい!

タハノア

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王立魔法学園編2年生

013-ラーバルの疑問

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 マルレリンドが怒って訓練場に行ってしまった。隣にはアリッサ・エトワンスが座っている。入学式の一件からマルレリンドと仲が良くなったようだ。見目は良く性格も明るい、礼儀やマナーに多少問題があるけど頭が良い。アーク様との仲が良さそうなので、いざとなったらアリッサに乗り換えるよう仕向けるのもよいか? いや早まらなくて良い、まずは情報収集しゅうしゅうだ。

「ラーバル様、残ったということは、私に聞いたいことがあるんですよね?」
「話が早くて助かる。アーク様とマルレさんはいつもあんな感じか?」
「そうですね、いつも仲悪そう風で、実は仲がよいって感じですね」
「そうか……アーク様は、マルレさんの夢はご存じだとおもうか?」
「知らないと思います。たぶん剣術を訓練しているのも知らないでしょう」
「両者に結婚の意志いしはあると思うか?」
「アーク様は怪しいですが、マルレちゃんは、絶対ないですね完全に友達扱いです」
「そうか……」

 どうやら心配していた結婚願望はなさそうだ。冒険者になるための計画などは、話しているだろうか?

「夢をかなえるために、訓練の他に準備をしていると聞いたことはないか?」
「なにか考えてるようですが、よくわかりません。この前は取り巻きを作るとか言ってましたけど、向いてないし無理だと言っておきました」
「学生たちで、組織を作ろうとしていた、ということか?」
「いえ『迫力が』とか『説得力が』とか言ってたので虚勢を張りたいのだと思います」
「ふむ、何をしたいのか見当もつかないな」

 なにか策を練っているようだが、まるで予想がつかない……。うそすらまともに付けない彼女が何をしようとしているのだろうか?

「次は私が質問しますね」

 彼女の雰囲気が変わった……。いつもニコニコしている姿とは違い懐疑的な目でこちらをにらんでいる。

「先に答えさせておいてというわけか……抜目がないな」
「率直に聞きます。マルレちゃんを訓練している理由はなんですか?」
「聞いていただろ? 騎士団への勧誘だ」
「それはマルレちゃんの夢を妨害するってことですか?」
「最終的にという話で国のためになってほしいってだけだ。夢をかなえてもらっても問題はない」

 そう伝えると彼女は表情を和らげた。
 
「では、どこまで協力できるか、すり合わせをしましょうか?」
「フフ、よっぽどマルレさんのことが好きなのだな」
「マルレちゃんは、あんな感じだから覚えてないだろうけど、私を救ってくれたからね……」
「ふむ、ではこちらの筋書きを話そう」

 協力者としては十分だこちらの手の内をみせても問題ないだろう。

「まず結婚の阻止、次にドレストレイル家の説得、そして、騎士団への入団」
「分かりました。協力し合いましょう騎士団につては、彼女の意志いしを尊重するということでいかがですか?」
「それでいいでしょう。兄は何が何でも騎士団に入れたいみたいです。しかし、私としてはギルドを通じて依頼できるので、夢をかなえてもらっても良いと思ってますから。」
「では、ラーバル様とは協力関係、ということでいいですか?」
「わかった。よろしく頼む」
「こちらこそ」
「では、私は訓練場に行くことにする。また明日」
「はい、また明日」

 アリッサ・エトワンスと協力関係になった。我が家の権力の手が届かない王子との婚約は彼女に任せるしかない。

 こちらはドレストレイル家の説得をできるかどうかだ。ドレストレイル家は我が家についで貴族位2位だ。権力を振りかざしてもどうにかなる相手ではない。しかし父上にお願いすれば、説得の機会を作ることぐらいできるだろう。

 しかし、ドレストレイル侯爵家か……。通常の侯爵といえば、領地が国境に面していて国防のため軍を持っている辺境伯とも呼ばれる爵位だ。

 しかし、ドレストレイル家は王都内にあり、領土も国境と接していなく謎が多い侯爵だ。王都の防衛は我が家の管轄だし、軍を持っているとも聞いたことがない。

 我が家とともに、建国に貢献した家の一つであることぐらいしか情報がない。ただ爵位にあぐらをかいているだけで、何もしていない。そんな、うわさもあるが、それは、王族が許すわけがない……。

 説得など本当にできるのだろうか? 考えれば考えるほどに、不安要素しかない。

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