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心の中へ編
076-アリッサ 倒れた親友
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「マルレは規格外だね……負けるところが想像つかないよ」
ついさっき私がいった言葉……もしかしたらあれがフラグというやつかもしれない……
ラーバルに重症を負わせた黒鎧の化物が命尽きる寸前に放った攻撃は私の出した防御壁を中和して突破した。
障壁の中和……打ち破ったのではなく中和したのだ……信じられないことにあの見るからに禍々しい化物は光属性を持っていたのか……
謎の攻撃を受けてしまったマルレは外傷もなく体力万全で健康状態に異常はなかった。頬を叩いても水をかけても思い切り殴っても私の手首がやられただけで何をしても目覚めなかった。
自然と涙が溢れ何もでき無かった私は目覚めぬマルレにしがみつきただ「ごめんなさい」と叫び続けた。
「エトワンス嬢、落ち着きなさい……この状態は潜心術に抗っている状態だ……」
狼狽している私をたしなめたのはマルレのお父さんのザロット卿でした。彼が言うにはあの黒い生首は心を蝕み弱らせて操る術だそうで、今のマルレはその術に対抗するために心の中で戦っている状態らしい。
「このままでは危険だレナータのところに連れて帰る」
地面に横たわるマルレを抱きかかえた。どうやらレナータという人のところに連れて行くらしい。
「わっ私も行きます!」
私もなにか力になれるかもしれないと思いついていきたいと申し出た。
「そうだな……君なら入れてくれるかもしれないな……是非一緒に来てくれ」
入れてくれるかもしれない?レナータという人物は気難しい人なのだろうか?ザロット卿はそうおっしゃるとマルレを抱えたまま懐から器用にナイフを取り出し地面へと投げ突き刺した。そのナイフから影が広がり隆起していった。私はこの現象を見たことがあるマルレのお兄さんヴィクトル様の影転移だ。
「父上……緊急呼び出しを使うとは一体何ご……」
ヴィクトル様が気を失っているマルレを見た瞬間にどんよりした黒い霧が吹き荒れた。背筋が凍る様な恐怖があたりを包み込んだ。騎士団の救護の手は一瞬止まり。疲れと心配でガタガタだったラーバルは耐えきれなく気絶してしまい負傷者と共にどこかに運ばれていってしまった。
「敵が絶命の瞬間に潜心術をかけたようだレナータに見せたい急を要するすぐに転移してくれ」
そんな周りの様子を気にするような素振りも見せず転移を要請すると、ヴィクトル様が私の方をちらっと見た。私が防げなかったこと怒っているのだろうか?そんな心配をしてしまう。
「父上アリッサなら入れてくれるかもしれません」
ヴィクトル様も先程のザロット卿と同じようなことをおっしゃっていた。そのレナータという人物は気に入らない人は門前払いするような人なのだろうか?
「そうだ一緒に転移を頼む」
「わかりました」
足元の影が普通の影とは違う漆黒の闇に変わると、ゆっくりと足先からヒヤッとした漆黒が体を包み込んでいく私はギュッと目をつぶり首が取れては困ると声がかかるまで微動だにしないように注意した。
「到着だ……」
私は恐る恐る目を開けると周りの景色はメチャクチャに壊された広場からどこかのお屋敷の一室に変わっていた。
立派な暖炉の前に人が寝れるほど大きなソファーがあり部屋の中は私の実家が何件も立ちそうな高級そうな絵画や調度品で飾られていた。
ザロット卿がマルレをソファーに下ろすと私達の気配を感じて、音もなく部屋に入ってきた使用人にレナータさんを呼ぶようにと頼んでいた。私は何も出来なく心配そうにマルレに寄り添う2人を見守っていると。
「マルレちゃんが大変だって?」
その声とともにきらびやかなふわっとした桃色の髪をしたまるで絵画から抜け出てきた聖母のような人がマルレのもとに駆け寄った。
「母上……マルレは潜心術に侵されているようですがどうでしょうか?」
「レナータ診てくれ」
ヴィクトル様が母上と呼んだということはこの人がマルレのお母さん?ザロット卿とレナータ様の並んだ顔を頭の中で混ぜてみる。髪の色素を濃くして父親の鋭い目を母親の目で中和する……見事にマルレが出来上がった。
「そうね……どうかしら?潜心術なら清潔の祝福が弾き返すと思うけど?」
そういいながらレナータ様はマルレの頭に右手を心臓のある胸の辺りに左手をおいて信じられないことに右手から闇左手から光の魔力を放った。
聖魔一体……強力な呪術師とも祝福を与える女神とも呼ばれる数百年に一度現れる奇跡の属性持ちだ。この属性を持った者は相手の魔力の一部を利用し強力な永続効果を付与できる。
悪い効果なら呪い良い効果なら祝福……そういえばマルレは母に髪型を縦ロールに固定されたと言ってた……
マルレの周りにはバケモノ級の実力者しかいない……そうかマルレの自己評価が低い理由が何となくわかったわ。
「うん……確かに潜心術ね……でも祝福を受けてない魂が引き剥がされ囚われているようね」
祝福を受けてない魂?私はピンと来た!転生者の方の魂だ!
あれ?それって転生じゃなくない?一体どういう事?マルレの中には魂が2つあるってこと?
「いったいどういうことですか?」
私はわけがわからなくなり思わず声をかけてしまた。レナータ様は私の存在に気がついていなかったようで驚いた表情で私をじっくりと見ている。
「あーっ!あなたがアリッサちゃんね!」
「はい!アリッサ・エトワンスと申します」
レナータ様は深々と頭を下げた私をじっくりと見ている……
「そうねぇ……直接見て分かったわ……あなたもマルレちゃんと同じで別世界の魂を持っているわね」
転生者だということを一瞬で見破られた……一体どういう能力を持っているのだろうか?
ついさっき私がいった言葉……もしかしたらあれがフラグというやつかもしれない……
ラーバルに重症を負わせた黒鎧の化物が命尽きる寸前に放った攻撃は私の出した防御壁を中和して突破した。
障壁の中和……打ち破ったのではなく中和したのだ……信じられないことにあの見るからに禍々しい化物は光属性を持っていたのか……
謎の攻撃を受けてしまったマルレは外傷もなく体力万全で健康状態に異常はなかった。頬を叩いても水をかけても思い切り殴っても私の手首がやられただけで何をしても目覚めなかった。
自然と涙が溢れ何もでき無かった私は目覚めぬマルレにしがみつきただ「ごめんなさい」と叫び続けた。
「エトワンス嬢、落ち着きなさい……この状態は潜心術に抗っている状態だ……」
狼狽している私をたしなめたのはマルレのお父さんのザロット卿でした。彼が言うにはあの黒い生首は心を蝕み弱らせて操る術だそうで、今のマルレはその術に対抗するために心の中で戦っている状態らしい。
「このままでは危険だレナータのところに連れて帰る」
地面に横たわるマルレを抱きかかえた。どうやらレナータという人のところに連れて行くらしい。
「わっ私も行きます!」
私もなにか力になれるかもしれないと思いついていきたいと申し出た。
「そうだな……君なら入れてくれるかもしれないな……是非一緒に来てくれ」
入れてくれるかもしれない?レナータという人物は気難しい人なのだろうか?ザロット卿はそうおっしゃるとマルレを抱えたまま懐から器用にナイフを取り出し地面へと投げ突き刺した。そのナイフから影が広がり隆起していった。私はこの現象を見たことがあるマルレのお兄さんヴィクトル様の影転移だ。
「父上……緊急呼び出しを使うとは一体何ご……」
ヴィクトル様が気を失っているマルレを見た瞬間にどんよりした黒い霧が吹き荒れた。背筋が凍る様な恐怖があたりを包み込んだ。騎士団の救護の手は一瞬止まり。疲れと心配でガタガタだったラーバルは耐えきれなく気絶してしまい負傷者と共にどこかに運ばれていってしまった。
「敵が絶命の瞬間に潜心術をかけたようだレナータに見せたい急を要するすぐに転移してくれ」
そんな周りの様子を気にするような素振りも見せず転移を要請すると、ヴィクトル様が私の方をちらっと見た。私が防げなかったこと怒っているのだろうか?そんな心配をしてしまう。
「父上アリッサなら入れてくれるかもしれません」
ヴィクトル様も先程のザロット卿と同じようなことをおっしゃっていた。そのレナータという人物は気に入らない人は門前払いするような人なのだろうか?
「そうだ一緒に転移を頼む」
「わかりました」
足元の影が普通の影とは違う漆黒の闇に変わると、ゆっくりと足先からヒヤッとした漆黒が体を包み込んでいく私はギュッと目をつぶり首が取れては困ると声がかかるまで微動だにしないように注意した。
「到着だ……」
私は恐る恐る目を開けると周りの景色はメチャクチャに壊された広場からどこかのお屋敷の一室に変わっていた。
立派な暖炉の前に人が寝れるほど大きなソファーがあり部屋の中は私の実家が何件も立ちそうな高級そうな絵画や調度品で飾られていた。
ザロット卿がマルレをソファーに下ろすと私達の気配を感じて、音もなく部屋に入ってきた使用人にレナータさんを呼ぶようにと頼んでいた。私は何も出来なく心配そうにマルレに寄り添う2人を見守っていると。
「マルレちゃんが大変だって?」
その声とともにきらびやかなふわっとした桃色の髪をしたまるで絵画から抜け出てきた聖母のような人がマルレのもとに駆け寄った。
「母上……マルレは潜心術に侵されているようですがどうでしょうか?」
「レナータ診てくれ」
ヴィクトル様が母上と呼んだということはこの人がマルレのお母さん?ザロット卿とレナータ様の並んだ顔を頭の中で混ぜてみる。髪の色素を濃くして父親の鋭い目を母親の目で中和する……見事にマルレが出来上がった。
「そうね……どうかしら?潜心術なら清潔の祝福が弾き返すと思うけど?」
そういいながらレナータ様はマルレの頭に右手を心臓のある胸の辺りに左手をおいて信じられないことに右手から闇左手から光の魔力を放った。
聖魔一体……強力な呪術師とも祝福を与える女神とも呼ばれる数百年に一度現れる奇跡の属性持ちだ。この属性を持った者は相手の魔力の一部を利用し強力な永続効果を付与できる。
悪い効果なら呪い良い効果なら祝福……そういえばマルレは母に髪型を縦ロールに固定されたと言ってた……
マルレの周りにはバケモノ級の実力者しかいない……そうかマルレの自己評価が低い理由が何となくわかったわ。
「うん……確かに潜心術ね……でも祝福を受けてない魂が引き剥がされ囚われているようね」
祝福を受けてない魂?私はピンと来た!転生者の方の魂だ!
あれ?それって転生じゃなくない?一体どういう事?マルレの中には魂が2つあるってこと?
「いったいどういうことですか?」
私はわけがわからなくなり思わず声をかけてしまた。レナータ様は私の存在に気がついていなかったようで驚いた表情で私をじっくりと見ている。
「あーっ!あなたがアリッサちゃんね!」
「はい!アリッサ・エトワンスと申します」
レナータ様は深々と頭を下げた私をじっくりと見ている……
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