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自分達の物語に決着をつける編
150-農都襲撃 ― 接触
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マルレが北へと飛び立つのと入れ替わるように二人の人物が農都へと潜入した。
城の庭に降り立ったのは、300年の潜伏を経て動き出した亡霊、アウゲル・セイントレイトそして、この国を作った3人の強者のうちの一人トレイルだ。
アウゲルは、トレイルの娘を死に追いやり、そのアウゲルはトレイルに始末されるという因縁がある二人だった。
その後スペクトルとなったトレイルは、アウゲルがスペクトルイブから奪ったツールを使われ命令される状態に陥っていた。
「トレイルよ!この城を完全に破壊しろ」
アウゲルは非情にも命令を下した。
「は?嫌に決まってんだろ、能無しかてめぇは」
命令されたトレイルは、これを無視するどころか侮辱で答えた。
アウゲルが手にしているツールの効力はそれほど強くない、暴走を抑えるための何かをするなという停止命令は強いが、何かをしろという行動命令は、スペクトルの自主性を尊重し嫌がることをさせることができないのだ。
「うぬぬ、では、城が建物として機能する状態に保つな!」
アウゲルは、命令を言い換えて屁理屈のような停止命令を出す。
「は?意味わからん無能すぎて言葉も忘れたか?」
もちろんそのようなことをしても、無意味だった。それどころかまた侮辱で返された。アウゲルは、最強の力を手に入れているにもかかわらず、思うように動かせないでいた。
トレイルをここに連れてくるにも「強者との腕試しの場に行け」との命令でやっと動いたのだ。
「私を侮辱するのは止めろ!」
この停止命令は効力を発揮しトレイルは、侮辱の言葉を吐けなくなった。
「お前を王にするなんて、レイトの奴も耄碌したものだ」
アウゲルはギリっと奥歯を噛み締めもう一度停止命令を出した。
「皮肉も禁止だ!いや私を不快にさせる言葉を吐くな!」
無意味なやり取りもついに終わり、アウゲルは仕方なく自分で城を攻撃することにした。
「もう良いお前はそこで見ていろ!」
[ガイアブレード!]
建物ほど大きな石の剣が突如現れ城へと振り下ろされる!
ギギギギギギギギ!
石の刃が城に触れる寸前、光を放つ透明な障壁がそれを受け止めた。作られてから一度も使われることがなかった城の防衛機能が発動したのだ。
初めて発動した城の防衛機能に周囲が騒がしくなるがアウゲルは構わず障壁に巨大な剣を振り下ろし続けている。
=====================
始まりの3家の婦人を警護していたザロット・ドレストレイルは、ギギギギギギと不快な音が響く城の中に居た。何事かと周囲を警戒していると、部下から城の障壁を攻撃している者がいるとの報告を受けて、護衛を部下に任せると慌てて外へと飛び出していく。
「古霊め!直接乗り込んできたか……もう打つ手はなくなったようだな」
そう意気込んで外に出たザロットは想定外の人物を見つける。
赤い髪そして特徴的な入れ墨のような肌の文様、何よりその凄まじい威圧感。文献でしか見たことのない最強の先祖の姿にザロットは背筋が凍りつく思いだった。
その隣りにいるのは、彼の友人であるデルバーとに似た顔つきの人物……諸悪の根源であるアウゲルだった。
「出てきたぞ!トレイルよ、そいつを殺せ!」
「は?嫌に決まってんだろ」
このやり取りを聞いてザロットは安堵したが、それも次のやり取りで打ち砕かれることになる。
「クソ!面倒だ、このツールはいまいち使えん!よしならば……これは城攻撃と防衛チームに別れた試合だ……そうだな相手は国一つだどうだ?戦いたくなってきたであろう?」
「なっお前!クソ!きたねぇぞ!」
何よりも戦うことが好きなトレイルは、試合と言われると嫌な気はしないどころか進んで戦ってしまう。そんな彼の性質をうまく突くことができた。アウゲルは、ザロットとトレイルを戦わせることに成功したのである。
トレイルはザロットの前に歩み出ると赤い霧を放ち始めた。
「悪いなザロットとやら、やりたくない命令ははねのけられるんだが、試合と言われると体が言うことを聞いちまうんだ」
トレイルに対峙したザロットも赤い霧を放ち始める。するとトレイルは「ほぅ……」と感心した。
「初代様と戦えるなんて光栄ですね」
ザロットはそう言うと丁寧にお辞儀をした。
「なんだお前は俺の子孫か!思っていたより楽しめそうだな!」
トレイルはニヤリと笑うと力を開放する。
その瞬間ザロットとトレイルの拳がぶつかりあう。
その衝撃は、空気振動となって周囲に襲いかかる。大気が震え轟音が体の内部にまで伝わり心臓に響くほどだった。
拳と拳の衝突から始まった攻防は、凄まじいものだった。両者による蹴る殴るの応酬が始まる。うかつに近づけば巻き込まれて命を落とすような攻撃だ。
ザロットが蹴りを腕で受け止められばその衝撃で足元の地面がひび割れる。対してザロットの攻撃は、トレイルにとって防御するほどもないのか堂々と腹で受け止める。
「あー俺の子孫と言ってもガードが有効なほど流魔の力を開放できてないのか」
トレイルはそう言うと少しがっかりした様子になった。
ザロットはその言葉を聞いて言い伝えが本当だった事に驚いた。
流魔血を極めた者の強化された肉体には弱い箇所などない……それがたとえ目玉や体内であっても魔力による形態変化を阻止する働きによって、筋肉だろうが骨だろうが関係なく血の代わりに流れている魔力が飛散するだけなのだ。
これは、以前マルレがファーだと戦った時に言っていた。内蔵まで強化が回っていないとは、このことであった。
すなわち、ザロットやファーダは、人間の重要機能を保護しなければ大ダメージを追うことになるが、トレイルは、何処を殴られてもダメージが一定なため防御は必要なかった。
「流石に厳しいですね……」
ザロットは、生まれて初めて自分から見て強者と呼べる者と敵対していた。
城の庭に降り立ったのは、300年の潜伏を経て動き出した亡霊、アウゲル・セイントレイトそして、この国を作った3人の強者のうちの一人トレイルだ。
アウゲルは、トレイルの娘を死に追いやり、そのアウゲルはトレイルに始末されるという因縁がある二人だった。
その後スペクトルとなったトレイルは、アウゲルがスペクトルイブから奪ったツールを使われ命令される状態に陥っていた。
「トレイルよ!この城を完全に破壊しろ」
アウゲルは非情にも命令を下した。
「は?嫌に決まってんだろ、能無しかてめぇは」
命令されたトレイルは、これを無視するどころか侮辱で答えた。
アウゲルが手にしているツールの効力はそれほど強くない、暴走を抑えるための何かをするなという停止命令は強いが、何かをしろという行動命令は、スペクトルの自主性を尊重し嫌がることをさせることができないのだ。
「うぬぬ、では、城が建物として機能する状態に保つな!」
アウゲルは、命令を言い換えて屁理屈のような停止命令を出す。
「は?意味わからん無能すぎて言葉も忘れたか?」
もちろんそのようなことをしても、無意味だった。それどころかまた侮辱で返された。アウゲルは、最強の力を手に入れているにもかかわらず、思うように動かせないでいた。
トレイルをここに連れてくるにも「強者との腕試しの場に行け」との命令でやっと動いたのだ。
「私を侮辱するのは止めろ!」
この停止命令は効力を発揮しトレイルは、侮辱の言葉を吐けなくなった。
「お前を王にするなんて、レイトの奴も耄碌したものだ」
アウゲルはギリっと奥歯を噛み締めもう一度停止命令を出した。
「皮肉も禁止だ!いや私を不快にさせる言葉を吐くな!」
無意味なやり取りもついに終わり、アウゲルは仕方なく自分で城を攻撃することにした。
「もう良いお前はそこで見ていろ!」
[ガイアブレード!]
建物ほど大きな石の剣が突如現れ城へと振り下ろされる!
ギギギギギギギギ!
石の刃が城に触れる寸前、光を放つ透明な障壁がそれを受け止めた。作られてから一度も使われることがなかった城の防衛機能が発動したのだ。
初めて発動した城の防衛機能に周囲が騒がしくなるがアウゲルは構わず障壁に巨大な剣を振り下ろし続けている。
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始まりの3家の婦人を警護していたザロット・ドレストレイルは、ギギギギギギと不快な音が響く城の中に居た。何事かと周囲を警戒していると、部下から城の障壁を攻撃している者がいるとの報告を受けて、護衛を部下に任せると慌てて外へと飛び出していく。
「古霊め!直接乗り込んできたか……もう打つ手はなくなったようだな」
そう意気込んで外に出たザロットは想定外の人物を見つける。
赤い髪そして特徴的な入れ墨のような肌の文様、何よりその凄まじい威圧感。文献でしか見たことのない最強の先祖の姿にザロットは背筋が凍りつく思いだった。
その隣りにいるのは、彼の友人であるデルバーとに似た顔つきの人物……諸悪の根源であるアウゲルだった。
「出てきたぞ!トレイルよ、そいつを殺せ!」
「は?嫌に決まってんだろ」
このやり取りを聞いてザロットは安堵したが、それも次のやり取りで打ち砕かれることになる。
「クソ!面倒だ、このツールはいまいち使えん!よしならば……これは城攻撃と防衛チームに別れた試合だ……そうだな相手は国一つだどうだ?戦いたくなってきたであろう?」
「なっお前!クソ!きたねぇぞ!」
何よりも戦うことが好きなトレイルは、試合と言われると嫌な気はしないどころか進んで戦ってしまう。そんな彼の性質をうまく突くことができた。アウゲルは、ザロットとトレイルを戦わせることに成功したのである。
トレイルはザロットの前に歩み出ると赤い霧を放ち始めた。
「悪いなザロットとやら、やりたくない命令ははねのけられるんだが、試合と言われると体が言うことを聞いちまうんだ」
トレイルに対峙したザロットも赤い霧を放ち始める。するとトレイルは「ほぅ……」と感心した。
「初代様と戦えるなんて光栄ですね」
ザロットはそう言うと丁寧にお辞儀をした。
「なんだお前は俺の子孫か!思っていたより楽しめそうだな!」
トレイルはニヤリと笑うと力を開放する。
その瞬間ザロットとトレイルの拳がぶつかりあう。
その衝撃は、空気振動となって周囲に襲いかかる。大気が震え轟音が体の内部にまで伝わり心臓に響くほどだった。
拳と拳の衝突から始まった攻防は、凄まじいものだった。両者による蹴る殴るの応酬が始まる。うかつに近づけば巻き込まれて命を落とすような攻撃だ。
ザロットが蹴りを腕で受け止められばその衝撃で足元の地面がひび割れる。対してザロットの攻撃は、トレイルにとって防御するほどもないのか堂々と腹で受け止める。
「あー俺の子孫と言ってもガードが有効なほど流魔の力を開放できてないのか」
トレイルはそう言うと少しがっかりした様子になった。
ザロットはその言葉を聞いて言い伝えが本当だった事に驚いた。
流魔血を極めた者の強化された肉体には弱い箇所などない……それがたとえ目玉や体内であっても魔力による形態変化を阻止する働きによって、筋肉だろうが骨だろうが関係なく血の代わりに流れている魔力が飛散するだけなのだ。
これは、以前マルレがファーだと戦った時に言っていた。内蔵まで強化が回っていないとは、このことであった。
すなわち、ザロットやファーダは、人間の重要機能を保護しなければ大ダメージを追うことになるが、トレイルは、何処を殴られてもダメージが一定なため防御は必要なかった。
「流石に厳しいですね……」
ザロットは、生まれて初めて自分から見て強者と呼べる者と敵対していた。
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