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自分達の物語に決着をつける編
151-農都襲撃 ― 増援
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農都にある宿屋うさぎ亭の食堂のテーブルには、現在マルレの帰りを待っているアリッサ、ラーバル、ファーダがお茶をしながら時間を潰していた。
すると、城の方角から聞こえるギギギとの不快な音や何かとなにかがぶつかる大きな音が聞こえてきた。3人は即座にその音に反応する。
「なになに?なんなの?」
「これは城がある方角だ!」
「何だって!?城には、母上が!」
3人は、急いで宿から飛び出した。外では、騎士団とドレストレイルの部隊が住民の避難誘導をしていた。ラーバルは、そのうちの騎士の一人を捕まえると何事かと問いただした。
「何者かが城を攻撃しています!敵は青い髪と赤い髪の二人組です!現在ザロット卿が対処しています!」
その言葉に驚いたのは、ファーダだった。一撃必殺を信条とするザロットが戦闘中ということは、それほど苦戦する相手だという証明だった。
「とにかく急ぎましょう!」
アリッサの声に皆が城へ向けて移動を始めた。ラーバルは空を飛び、ファーダは民家の屋根の上を走る。アリッサは召喚した麒麟にまたがりファーダと同じく屋根を走る。
移動している最中も件の轟音は、未だに鳴り響いている。ファーダは、この音に聞き覚えがある。それは、彼が、マルレとの訓練中に拳を打ち合ったときの音だった。すなわち……
流魔血を持つ者同士が戦っているということになる。
「一体何が起こってるんだ……」
小さくつぶやいたファーダの声は、誰にも届いていなかった。
宿泊街から出て商店街を通り抜け飲食店街に入った頃に、城が見えてきた。
なんと大きな石の剣が城を叩いている光景が三人の目に飛び込んできた。
「あれが城を攻撃しているやつか……」
「強大な土属性……まず間違いなくアウゲル・セイントレイトでしょうね……」
「今度はアークの先祖ね!さっさと片付けましょう!」
アリッサはこの国の最後の悪意と対峙するために気合を入れていた。
=====================
「あーお前が今代最強なのか?」
地面にめり込んで倒れているザロットに向けてトレイルが、がっかりしたような雰囲気で質問を投げかけた。
「私が、トレイルの筆頭だ……」
「そうか……平和が続くと人は、弱くなるものだな……」
トレイルは、そう言い漏らすと、ゆっくりとザロットへと近づいてゆく……
「がっかりするのはまだ早いよ!」
その声と同時にトレイルは蹴り飛ばされた。
彼を蹴り飛ばしたのは、体から赤い霧を噴出している少年ともいえる若い男だった。
「ぐ……ファーダか、気を抜くな、相手は初代様だ……」
ファーダは、ザロットの話を聞き最悪の想定が当たっていたことに身震いをした。しかし、恐れている場合ではない。心を奮い立たせ、ゆっくり起き上がったトレイルに対峙する。
「デュオ・イ・バラージ……いけるな!」
「もちろんです。ザロット様」
いままで、本番での使用を一度もしたことはないが、訓練だけは積んでいたコンビネーション技の一つだ。
二人はよりいっそう赤い霧を強く噴出させた!
「「フルバースト!」」
二人はトレイルに拳を向けて背中わせで構えを取る……
「「デュオ・イ・バラージ!」」
ザロットが飛び出しトレイルに連続で蹴りや殴りを叩き込み始めた。ファーダは、ザロットの連打に合いの手を入れるように攻撃を加える。
すると、トレイルの体の何処かに常に攻撃があたっている状態となる。
これが、常時攻撃コンビネーション技、デュオ・イ・バラージであった。
ザロットが真正面から攻撃し、ファーダは相手の気をそらすように前後左右あらゆる方向から攻撃を合わせている。
トレイルは、攻撃を浴び続けながらも反撃をしようとする。しかし、攻撃をしようと力を込めるとそれを崩すようにファーダの攻撃が決まる。そのせいで攻撃は、たいした速度が出ず二人に回避されてしまっていた。
「厄介な技だな……だが!」
トレイルはわざと急所の防御を甘くした!弱点なぞ無いのでそこを攻撃されるリスクはないのだが、その話を聞いていなかったファーダにとっては、絶好のチャンスに写ってしまった。
トレイルの読みどおりに動いてしまったファーダの腹に拳が突き刺さる!
攻撃をまともに食らってしまったファーダは、地面へと叩きつけられた!
「ファーダ!」
ザロットの悲痛な叫びが木霊した。
=====================
「ふん……ラーバル・バルトレイスか……スルーベルを倒したのはお前のようだな」
アウゲルは、巨大な石の剣をブレイクパイルで叩き割った彼女を品定めするような目でじろりと見つめた。
「お前は、アウゲル・セイントレイトで間違えないな……」
ラーバルは、空中で突き出した剣をアウゲルに向けてそう言い放った。
「たしかに私がこの国の真の後継者!真王アウゲル・セイントレイ――!」
アウゲルがそう言い終わる前に、特大の紫炎弾がアウゲルをかすめた!
「あー!もうちょいだったのになー!」
紫炎弾は鈍色空狐となったアリッサから放たれた不意討ち攻撃だった。
名乗りの最中に攻撃されたアウゲルは怒り心頭だ。意識が完全に城から離れアウゲルは、ラーバルとアリッサと戦闘に突入する!
すると、城の方角から聞こえるギギギとの不快な音や何かとなにかがぶつかる大きな音が聞こえてきた。3人は即座にその音に反応する。
「なになに?なんなの?」
「これは城がある方角だ!」
「何だって!?城には、母上が!」
3人は、急いで宿から飛び出した。外では、騎士団とドレストレイルの部隊が住民の避難誘導をしていた。ラーバルは、そのうちの騎士の一人を捕まえると何事かと問いただした。
「何者かが城を攻撃しています!敵は青い髪と赤い髪の二人組です!現在ザロット卿が対処しています!」
その言葉に驚いたのは、ファーダだった。一撃必殺を信条とするザロットが戦闘中ということは、それほど苦戦する相手だという証明だった。
「とにかく急ぎましょう!」
アリッサの声に皆が城へ向けて移動を始めた。ラーバルは空を飛び、ファーダは民家の屋根の上を走る。アリッサは召喚した麒麟にまたがりファーダと同じく屋根を走る。
移動している最中も件の轟音は、未だに鳴り響いている。ファーダは、この音に聞き覚えがある。それは、彼が、マルレとの訓練中に拳を打ち合ったときの音だった。すなわち……
流魔血を持つ者同士が戦っているということになる。
「一体何が起こってるんだ……」
小さくつぶやいたファーダの声は、誰にも届いていなかった。
宿泊街から出て商店街を通り抜け飲食店街に入った頃に、城が見えてきた。
なんと大きな石の剣が城を叩いている光景が三人の目に飛び込んできた。
「あれが城を攻撃しているやつか……」
「強大な土属性……まず間違いなくアウゲル・セイントレイトでしょうね……」
「今度はアークの先祖ね!さっさと片付けましょう!」
アリッサはこの国の最後の悪意と対峙するために気合を入れていた。
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「あーお前が今代最強なのか?」
地面にめり込んで倒れているザロットに向けてトレイルが、がっかりしたような雰囲気で質問を投げかけた。
「私が、トレイルの筆頭だ……」
「そうか……平和が続くと人は、弱くなるものだな……」
トレイルは、そう言い漏らすと、ゆっくりとザロットへと近づいてゆく……
「がっかりするのはまだ早いよ!」
その声と同時にトレイルは蹴り飛ばされた。
彼を蹴り飛ばしたのは、体から赤い霧を噴出している少年ともいえる若い男だった。
「ぐ……ファーダか、気を抜くな、相手は初代様だ……」
ファーダは、ザロットの話を聞き最悪の想定が当たっていたことに身震いをした。しかし、恐れている場合ではない。心を奮い立たせ、ゆっくり起き上がったトレイルに対峙する。
「デュオ・イ・バラージ……いけるな!」
「もちろんです。ザロット様」
いままで、本番での使用を一度もしたことはないが、訓練だけは積んでいたコンビネーション技の一つだ。
二人はよりいっそう赤い霧を強く噴出させた!
「「フルバースト!」」
二人はトレイルに拳を向けて背中わせで構えを取る……
「「デュオ・イ・バラージ!」」
ザロットが飛び出しトレイルに連続で蹴りや殴りを叩き込み始めた。ファーダは、ザロットの連打に合いの手を入れるように攻撃を加える。
すると、トレイルの体の何処かに常に攻撃があたっている状態となる。
これが、常時攻撃コンビネーション技、デュオ・イ・バラージであった。
ザロットが真正面から攻撃し、ファーダは相手の気をそらすように前後左右あらゆる方向から攻撃を合わせている。
トレイルは、攻撃を浴び続けながらも反撃をしようとする。しかし、攻撃をしようと力を込めるとそれを崩すようにファーダの攻撃が決まる。そのせいで攻撃は、たいした速度が出ず二人に回避されてしまっていた。
「厄介な技だな……だが!」
トレイルはわざと急所の防御を甘くした!弱点なぞ無いのでそこを攻撃されるリスクはないのだが、その話を聞いていなかったファーダにとっては、絶好のチャンスに写ってしまった。
トレイルの読みどおりに動いてしまったファーダの腹に拳が突き刺さる!
攻撃をまともに食らってしまったファーダは、地面へと叩きつけられた!
「ファーダ!」
ザロットの悲痛な叫びが木霊した。
=====================
「ふん……ラーバル・バルトレイスか……スルーベルを倒したのはお前のようだな」
アウゲルは、巨大な石の剣をブレイクパイルで叩き割った彼女を品定めするような目でじろりと見つめた。
「お前は、アウゲル・セイントレイトで間違えないな……」
ラーバルは、空中で突き出した剣をアウゲルに向けてそう言い放った。
「たしかに私がこの国の真の後継者!真王アウゲル・セイントレイ――!」
アウゲルがそう言い終わる前に、特大の紫炎弾がアウゲルをかすめた!
「あー!もうちょいだったのになー!」
紫炎弾は鈍色空狐となったアリッサから放たれた不意討ち攻撃だった。
名乗りの最中に攻撃されたアウゲルは怒り心頭だ。意識が完全に城から離れアウゲルは、ラーバルとアリッサと戦闘に突入する!
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