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第十三話 夏休み前日
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明日から夏休み! 聖ロマネス学園の生徒たちは皆、夏期休暇中は自宅に帰る。私も、アマリリスの皆と少しお喋りしてから、迎えにくる馬車に乗って帰省する予定だ。
「皆は夏休み何するの?」
「アタシはハンティング!」
「化学の復習しなくていいのかー?」
「……赤点回避したからいいんだよ! そういうカイトは夏休みまで勉強三昧か?」
「まー、休み明けたら期末あるしなー。勉強もぼちぼちやるけど、ゼルニア国立図書館で白い光のこと調べたいなーって」
「それはいいわね~。学園の図書館とは違う本が置いてあるかもしれないし」
「僕も王宮で改めて調べてみようと思ってる。執事に頼んで取り寄せた資料以外にも、あそこには本がたくさんあるからね」
あれから、放課後や休日を利用して、アマリリスの皆で白い光について調べてはいるものの、なかなか手がかりは見つからないのだった。
「……俺も、街で調査してくる」
「私もルシアスパパとエマに聞いてみるつもり!」
「ナディアも、おばあさまに聞いてみようと思ってる。とっても物知りなのよ~」
「アタシももちろん調査するさ! ハンティング中に何か見つかるかもしれないしな」
「では、夏休み最終週の頭に、生徒会室で各々の調査結果を共有することにしましょう」
「さんせーい! あとは海水浴にスイカ割りにー! 夏に皆でやりたいことも、休み中に考えまーす!」
そう、本来であれば、次また会えるのは夏休み明けになるのだが、せっかく6人とも夏期補習を回避したので、皆で夏を思いっきり楽しむべく、1週間早く寮に戻る予定なのだ。
「前の世界での夏の過ごし方って、こっちと違うの~?」
「うーん、話聞いてる限りそんなに変わんないかなぁ。でも、こっちの方が涼しくて過ごしやすい気がするな」
「アニー、アニー!」
自分を呼ぶ声がして振り返ると、ぶんぶんと手を大きく振るルシアスパパと、その後ろから侍女のエマが向かってきた。
「パパ! エマ! 迎えに来てくれたの? てっきり、パパとはお家で会えるんだと思ってたわ!」
「しばらく会えなかったんだ、迎えに来るのは当然だろう? 馬車で出迎えて驚かそうとも思ったんだが、待ちきれなくてね、ここまで来てしまった」
「ふふふ! とっても嬉しいサプライズだわ! ねぇ、パパ? お友だちを紹介するわね! こちらから、ナディア、カトリーヌ、カイトよ! この3人は同じクラスなの! それから、一学年上のミカ王子とハリー様! とっても仲良くなって、ミカ、ハリーって呼ばせてもらっているの」
「手紙に書いてあったアマリリスの子たちかい?」
「ええ、そうよ! 覚えていてくれて嬉しいわ」
「ナディア嬢、カトリーヌ嬢、会えて嬉しいよ。いつもリアンと仲良くしてくれてありがとうね」
ルシアスパパがナディアとカトリーヌを見る。……それ以外の面々は視界に入っていないようだが、気のせいだろうか。
「こちらこそ、サマエル公爵にお会いできて光栄です~」
「リアンは、学校ではどうだろう? お友だちと仲良くやれているかな」
「はい! アニーは明るくて、優しくて、おまけに成績優秀で! アタシにはもったいないくらい、自慢の友だちです!」
ルシアスパパは目に涙を浮かべ
「アニー! 皆からもそう呼ばれているんだね? やっぱり、アニーがいい子だから、お友だちもいい子ばかりなんだね」
と言い、後ろでエマもうんうんと大きく頷いている。
「サマエル公爵ルシアス、お久しぶりです」
「お久しぶりです、ミカ王子。……どうしてこちらに?」
「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。私、リアン様と」
「ミカ王子? その後ろに続く言葉によっては、例え貴方がこの国の第一王子であろうとも、容赦はしませんよ?」
「パパ! 私の大事な友だちにそんなこと言わないで?」
「……! アニー、ここにいる男どもも、お友だちだって言うのかい?」
「お手紙にもそう書いたじゃない! ちゃんと読んでくれているのだと思って喜んだのに……」
「違うんだ、アニー! てっきりね、パパは全員女の子なのだと思っていたんだよ? だから野郎が出てきて混乱しているんだ」
「お名前もちゃんと書いたのに?」
「外国のお友だちなのかなって。ほら、国によってつける名前も違うだろう?」
「ミカ王子は? 王子って書いたよ?」
「……王女の書き間違いかなって!」
「……」
「だって! アニーが男と話すなんて! パパ、やっぱり認められないよ。なぁ、エマ」
「お気持ちは分かります、旦那様」
後ろに控えていたエマが答える。
「ですが、アニーお嬢様が信頼されているお仲間です。僭越ながらエマは、アニーお嬢様の想いを尊重したく存じます」
「ふむ……」
考え込むルシアスパパ。
「後ほど、皆さんに招待状を送ろう。是非我が家に遊びに来てほしい。その時に、男子諸君とはみっちり話し合おうではないか」
「え~、いいんですか~! 楽しみ~。是非伺いたいです~」
「お招きありがとうございます! 嬉しいな、カイト?」
「お、おー」
「ビビってんのか?」
「いや、全く?……うん、楽しみだー」
「棒読みだな」
「女神のご自宅……お呼ばれ……お泊り会……」
「ハリーも来てくれる?」
「……気が向いたら」
「君、今何と言ったかな」
「……楽しみデース」
ルシアスパパの提案のお蔭で、夏休みもとっても楽しくなりそう!
「皆は夏休み何するの?」
「アタシはハンティング!」
「化学の復習しなくていいのかー?」
「……赤点回避したからいいんだよ! そういうカイトは夏休みまで勉強三昧か?」
「まー、休み明けたら期末あるしなー。勉強もぼちぼちやるけど、ゼルニア国立図書館で白い光のこと調べたいなーって」
「それはいいわね~。学園の図書館とは違う本が置いてあるかもしれないし」
「僕も王宮で改めて調べてみようと思ってる。執事に頼んで取り寄せた資料以外にも、あそこには本がたくさんあるからね」
あれから、放課後や休日を利用して、アマリリスの皆で白い光について調べてはいるものの、なかなか手がかりは見つからないのだった。
「……俺も、街で調査してくる」
「私もルシアスパパとエマに聞いてみるつもり!」
「ナディアも、おばあさまに聞いてみようと思ってる。とっても物知りなのよ~」
「アタシももちろん調査するさ! ハンティング中に何か見つかるかもしれないしな」
「では、夏休み最終週の頭に、生徒会室で各々の調査結果を共有することにしましょう」
「さんせーい! あとは海水浴にスイカ割りにー! 夏に皆でやりたいことも、休み中に考えまーす!」
そう、本来であれば、次また会えるのは夏休み明けになるのだが、せっかく6人とも夏期補習を回避したので、皆で夏を思いっきり楽しむべく、1週間早く寮に戻る予定なのだ。
「前の世界での夏の過ごし方って、こっちと違うの~?」
「うーん、話聞いてる限りそんなに変わんないかなぁ。でも、こっちの方が涼しくて過ごしやすい気がするな」
「アニー、アニー!」
自分を呼ぶ声がして振り返ると、ぶんぶんと手を大きく振るルシアスパパと、その後ろから侍女のエマが向かってきた。
「パパ! エマ! 迎えに来てくれたの? てっきり、パパとはお家で会えるんだと思ってたわ!」
「しばらく会えなかったんだ、迎えに来るのは当然だろう? 馬車で出迎えて驚かそうとも思ったんだが、待ちきれなくてね、ここまで来てしまった」
「ふふふ! とっても嬉しいサプライズだわ! ねぇ、パパ? お友だちを紹介するわね! こちらから、ナディア、カトリーヌ、カイトよ! この3人は同じクラスなの! それから、一学年上のミカ王子とハリー様! とっても仲良くなって、ミカ、ハリーって呼ばせてもらっているの」
「手紙に書いてあったアマリリスの子たちかい?」
「ええ、そうよ! 覚えていてくれて嬉しいわ」
「ナディア嬢、カトリーヌ嬢、会えて嬉しいよ。いつもリアンと仲良くしてくれてありがとうね」
ルシアスパパがナディアとカトリーヌを見る。……それ以外の面々は視界に入っていないようだが、気のせいだろうか。
「こちらこそ、サマエル公爵にお会いできて光栄です~」
「リアンは、学校ではどうだろう? お友だちと仲良くやれているかな」
「はい! アニーは明るくて、優しくて、おまけに成績優秀で! アタシにはもったいないくらい、自慢の友だちです!」
ルシアスパパは目に涙を浮かべ
「アニー! 皆からもそう呼ばれているんだね? やっぱり、アニーがいい子だから、お友だちもいい子ばかりなんだね」
と言い、後ろでエマもうんうんと大きく頷いている。
「サマエル公爵ルシアス、お久しぶりです」
「お久しぶりです、ミカ王子。……どうしてこちらに?」
「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。私、リアン様と」
「ミカ王子? その後ろに続く言葉によっては、例え貴方がこの国の第一王子であろうとも、容赦はしませんよ?」
「パパ! 私の大事な友だちにそんなこと言わないで?」
「……! アニー、ここにいる男どもも、お友だちだって言うのかい?」
「お手紙にもそう書いたじゃない! ちゃんと読んでくれているのだと思って喜んだのに……」
「違うんだ、アニー! てっきりね、パパは全員女の子なのだと思っていたんだよ? だから野郎が出てきて混乱しているんだ」
「お名前もちゃんと書いたのに?」
「外国のお友だちなのかなって。ほら、国によってつける名前も違うだろう?」
「ミカ王子は? 王子って書いたよ?」
「……王女の書き間違いかなって!」
「……」
「だって! アニーが男と話すなんて! パパ、やっぱり認められないよ。なぁ、エマ」
「お気持ちは分かります、旦那様」
後ろに控えていたエマが答える。
「ですが、アニーお嬢様が信頼されているお仲間です。僭越ながらエマは、アニーお嬢様の想いを尊重したく存じます」
「ふむ……」
考え込むルシアスパパ。
「後ほど、皆さんに招待状を送ろう。是非我が家に遊びに来てほしい。その時に、男子諸君とはみっちり話し合おうではないか」
「え~、いいんですか~! 楽しみ~。是非伺いたいです~」
「お招きありがとうございます! 嬉しいな、カイト?」
「お、おー」
「ビビってんのか?」
「いや、全く?……うん、楽しみだー」
「棒読みだな」
「女神のご自宅……お呼ばれ……お泊り会……」
「ハリーも来てくれる?」
「……気が向いたら」
「君、今何と言ったかな」
「……楽しみデース」
ルシアスパパの提案のお蔭で、夏休みもとっても楽しくなりそう!
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