37 / 45
第三十七話 北方から訪れた者たちの邂逅。其の四
しおりを挟む
その少し前。
村の土塁の外側では、新たな出会いがなされようとしていた。
出会った双方とも、互いに予想できなかった不慮の事故のような出会いとなる。
一方は、北方の侍たち。
もう一方は、YASAIを連れた選ばれし者TURUGIであった。
もっとも、TURUGIは物資を運ぶYASAIを先に進ませて、その後をのんびり歩いていくという有様。どちらかというと、先駆けのYASAIにTURUGIが連れられている…といった方が正しい状況だろう。
そんなTURUGIといえば、野の花など愛でながらゆっくりと歩むといった態である。まこと、自由人のごとき風流さを醸し出していた。
そして、先を行くYASAIといえば、天秤棒に吊るした物資を見事に運んでいて、中々に様になっている。
勤勉なモンスターと囚人服姿の自由人。
何とも奇妙な連れであった。
そんな両者(?)が、IKUMIたちの住む村から程近い森林側の道を通りかかった時のことだった。
「…しっ! (何かくる…物音を立てないよう慎重に。質問は小声で!)」
「…(こくりっ)」
「…(こくりっ)」
森林に隠れて移動していたアルスたちが、天秤棒を担いだYASAIの姿に気付く。
逸早くYASAIの姿に気付いたのは、水先案内人である狩人のリュウだ。続く二人の侍、アルスとアカバナムは、山の狩人の警告に促され、頭を下げて素早く繁みに身を隠す。
何が近付いてくるのか?と、二人がリュウの視線の先に目を凝らすと、これまた見たこともない植物系統の怪物が道の真ん中を歩いてくる。
実際、怪物は根と思しき器官を器用に使い、四つ足の動物の如く移動していた。
太い四本の根でバランスを取り、左右二本ずつを交互に前後運動させ、訓練された競走馬の如く移動しているのだ。
しかし、それ以上に注目すべき点は、その植物型怪物が天秤棒を担ぎ、何やら物資を運搬していることである。
それすなわち、道路を行く怪物には知性があり、何者かの命令に従っていると、観察者たちは判断する。
「若、あれは(ひそひそ)」
「あの土塁に囲まれた村の怪物か。リュウ殿はどう思う(ひそひそ)」
「おそらくはマン・イーターの斥候。もしかしたら、もっと数がいるかもしれん(ひそひそ)」
「何を背負っているの…!? 怪物の後ろからも人が来るぞ!(ひそひそ)」
YASAIの後方からやってくるTURUGIに視線を移す三人。
そんな時、異変が後方で起こった。
三人が距離を取ろうとした村の方角から、強力な精霊力の波動が放たれたのである。
(((!?)))
「な!?」
「おお!?」
「この力は!?」
その精霊波動の強力さに、我を忘れて後方へと振り返ってしまう三人。気配を消していられる理由もなく、思わず驚きの叫びを上げてしまった。
(んん?)
「おや、何者だ。あんたら?」
バッチリとアルス一行の気配を察し、存在を認識したTURUGI。慎重さなど必要ないといった態で、三人へ呑気な声で誰何をするのであった。
村の土塁の外側では、新たな出会いがなされようとしていた。
出会った双方とも、互いに予想できなかった不慮の事故のような出会いとなる。
一方は、北方の侍たち。
もう一方は、YASAIを連れた選ばれし者TURUGIであった。
もっとも、TURUGIは物資を運ぶYASAIを先に進ませて、その後をのんびり歩いていくという有様。どちらかというと、先駆けのYASAIにTURUGIが連れられている…といった方が正しい状況だろう。
そんなTURUGIといえば、野の花など愛でながらゆっくりと歩むといった態である。まこと、自由人のごとき風流さを醸し出していた。
そして、先を行くYASAIといえば、天秤棒に吊るした物資を見事に運んでいて、中々に様になっている。
勤勉なモンスターと囚人服姿の自由人。
何とも奇妙な連れであった。
そんな両者(?)が、IKUMIたちの住む村から程近い森林側の道を通りかかった時のことだった。
「…しっ! (何かくる…物音を立てないよう慎重に。質問は小声で!)」
「…(こくりっ)」
「…(こくりっ)」
森林に隠れて移動していたアルスたちが、天秤棒を担いだYASAIの姿に気付く。
逸早くYASAIの姿に気付いたのは、水先案内人である狩人のリュウだ。続く二人の侍、アルスとアカバナムは、山の狩人の警告に促され、頭を下げて素早く繁みに身を隠す。
何が近付いてくるのか?と、二人がリュウの視線の先に目を凝らすと、これまた見たこともない植物系統の怪物が道の真ん中を歩いてくる。
実際、怪物は根と思しき器官を器用に使い、四つ足の動物の如く移動していた。
太い四本の根でバランスを取り、左右二本ずつを交互に前後運動させ、訓練された競走馬の如く移動しているのだ。
しかし、それ以上に注目すべき点は、その植物型怪物が天秤棒を担ぎ、何やら物資を運搬していることである。
それすなわち、道路を行く怪物には知性があり、何者かの命令に従っていると、観察者たちは判断する。
「若、あれは(ひそひそ)」
「あの土塁に囲まれた村の怪物か。リュウ殿はどう思う(ひそひそ)」
「おそらくはマン・イーターの斥候。もしかしたら、もっと数がいるかもしれん(ひそひそ)」
「何を背負っているの…!? 怪物の後ろからも人が来るぞ!(ひそひそ)」
YASAIの後方からやってくるTURUGIに視線を移す三人。
そんな時、異変が後方で起こった。
三人が距離を取ろうとした村の方角から、強力な精霊力の波動が放たれたのである。
(((!?)))
「な!?」
「おお!?」
「この力は!?」
その精霊波動の強力さに、我を忘れて後方へと振り返ってしまう三人。気配を消していられる理由もなく、思わず驚きの叫びを上げてしまった。
(んん?)
「おや、何者だ。あんたら?」
バッチリとアルス一行の気配を察し、存在を認識したTURUGI。慎重さなど必要ないといった態で、三人へ呑気な声で誰何をするのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
Gランク冒険者のレベル無双〜好き勝手に生きていたら各方面から敵認定されました〜
2nd kanta
ファンタジー
愛する可愛い奥様達の為、俺は理不尽と戦います。
人違いで刺された俺は死ぬ間際に、得体の知れない何者かに異世界に飛ばされた。
そこは、テンプレの勇者召喚の場だった。
しかし召喚された俺の腹にはドスが刺さったままだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる