ストライダーIKUMI~奴隷を助けたら求婚された。だが気にしない。

ゆっこ!

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第三十七話 北方から訪れた者たちの邂逅。其の四

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 その少し前。

 村の土塁の外側では、新たな出会いがなされようとしていた。

 出会った双方とも、互いに予想できなかった不慮の事故のような出会いとなる。

 一方は、北方の侍たち。

 もう一方は、YASAIを連れた選ばれし者TURUGIであった。

 もっとも、TURUGIは物資を運ぶYASAIを先に進ませて、その後をのんびり歩いていくという有様。どちらかというと、先駆けのYASAIにTURUGIが連れられている…といった方が正しい状況だろう。
 
 そんなTURUGIといえば、野の花など愛でながらゆっくりと歩むといった態である。まこと、自由人のごとき風流さを醸し出していた。
 そして、先を行くYASAIといえば、天秤棒に吊るした物資を見事に運んでいて、中々に様になっている。

 勤勉なモンスターと囚人服姿の自由人。

 何とも奇妙な連れであった。


 そんな両者(?)が、IKUMIたちの住む村から程近い森林側の道を通りかかった時のことだった。 
 

 「…しっ! (何かくる…物音を立てないよう慎重に。質問は小声で!)」

 「…(こくりっ)」

 「…(こくりっ)」

 森林に隠れて移動していたアルスたちが、天秤棒を担いだYASAIの姿に気付く。

 逸早くYASAIの姿に気付いたのは、水先案内人である狩人のリュウだ。続く二人の侍、アルスとアカバナムは、山の狩人の警告に促され、頭を下げて素早く繁みに身を隠す。

 何が近付いてくるのか?と、二人がリュウの視線の先に目を凝らすと、これまた見たこともない植物系統の怪物が道の真ん中を歩いてくる。
 実際、怪物は根と思しき器官を器用に使い、四つ足の動物の如く移動していた。
 太い四本の根でバランスを取り、左右二本ずつを交互に前後運動させ、訓練された競走馬の如く移動しているのだ。  
 しかし、それ以上に注目すべき点は、その植物型怪物が天秤棒を担ぎ、何やら物資を運搬していることである。

 それすなわち、道路を行く怪物には知性があり、何者かの命令に従っていると、観察者たちは判断する。

 「若、あれは(ひそひそ)」

 「あの土塁に囲まれた村の怪物か。リュウ殿はどう思う(ひそひそ)」

 「おそらくはマン・イーターの斥候。もしかしたら、もっと数がいるかもしれん(ひそひそ)」

 「何を背負っているの…!? 怪物の後ろからも人が来るぞ!(ひそひそ)」

 YASAIの後方からやってくるTURUGIに視線を移す三人。

 そんな時、異変が後方で起こった。

 三人が距離を取ろうとした村の方角から、強力な精霊力の波動が放たれたのである。

 (((!?)))

 「な!?」

 「おお!?」

 「この力は!?」

 その精霊波動の強力さに、我を忘れて後方へと振り返ってしまう三人。気配を消していられる理由もなく、思わず驚きの叫びを上げてしまった。

 (んん?) 

 「おや、何者だ。あんたら?」

 バッチリとアルス一行の気配を察し、存在を認識したTURUGI。慎重さなど必要ないといった態で、三人へ呑気な声で誰何をするのであった。
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