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10*美味しいものには目がないです
しおりを挟む「ん~~っ」
大きく伸びをして辺りを見渡すと部屋はもう朝日で少し明るくなっている
少し、今日は早く起きすぎたみたいだ。でも、もう一眠りできるような気がしなかったので寝巻きのまま部屋をうろつく。
机の上にあったお水をコップに注いで一口飲んでソファーに座る
(ん~暇だな。あ、そう言えば。)
いそいそと自分の荷物を持ってベットに戻って胡座をかく
カバンの中身を1つ1つ出して何があるのか確認する
携帯、スケジュール帳、化粧品、鏡、ノート、筆記用具、教科書、デジカメ、財布、鍵、緊急用サバイバルグッズ、懐中電灯、水筒、お弁当、お菓子、緊急用の救急袋、ティッシュ、着替え、携帯の充電器‥‥
うん、まさに備えあれば憂いなしって本当ね。
でも、もう暫くはサバイバルグッズとか必要なさそうだけど‥‥
取り合えず財布とか入っていた斜めがけのカバンに小さい懐中電灯と万能ナイフ、救急袋と
ティッシュ、財布を詰めていく
携帯は充電はまだ少しあるから充電しなくて良いか。こっちに来てからいじってないしな。
お爺ちゃんからもらった充電器はコンセントも太陽光でも充電できる便利なやつだ
携帯の写真を流すように見ていく
(あ、みき達との約束の飲み会すっぽかしちゃったな~まぁ、大丈夫だと思うけど。あ、お爺ちゃんの誕生日に撮った写真だ~お爺ちゃん、大丈夫かな?私も悠二も居なくて絶対にびっくりしてるよね。無茶な事してないと良いけど‥‥)
お爺ちゃんには溺愛されてるのがわかる。
だって、ただの学校にまで何かあると大変だからってサバイバルグッズもたせるんだよ?
懐中電灯とか、救急袋とかも。そのせいで毎日毎日どれだけかばんが重かったか。
よく、大学の駅のロッカーに入れて登校したなぁ~バレたら怒られそうだけど。重いんだもん。
お爺ちゃんが危ない仕事だから心配なんだって何回も言われた。
それを言われると嫌だとは言えなくてちゃんと毎日持って家を出た
まぁ、結果として有難いくらい今はこころ強いから良かった。
(ありがとう、お爺ちゃん)
なんだかちょっとさみしくなって来ちゃった。
悠二んとこ行こうかな・・・でも、まだ悠二は寝てるだろうしな‥‥
カーテンの間から見えている明るくなって来た外に視線を辿って吸い込まれるように窓際に歩いていく
カラカラ…
朝の少しひんやりとした空気が気持ちいい。
ヨーロッパの様な建物が多くある街並みを朝日に照らされてキラキラと輝いている。
とても幻想的で不思議な気持ちになる
「これならずっと見てられるわね。本当にこの世界は綺麗な所ね」
~!~! ~!
何やら遠くの方で声が聞こえる気がする
声のする方へ目を凝らして高い木があって見えない
‥‥気になる。
行っちゃう?でも、こんな格好では出れないし‥‥
ベットの上の雛の服が見えた。
あの日は飲み会だったから洋服も一式持って来て居たのだ。
まだ侍女は来て居ないから服を出されて居ない
・・まぁ、悪いことしてるわけじゃないし。
いそいそと言い訳を言う様に私服に着替える
「本当、このセクシー下着は困ったわね。まぁ、確かに動きやすいけど。それに、なんか背筋が伸びる気がするけど。」
姿見で見ながら呆れた様な感心している様な複雑な気持ちを呟く
着て来たジーパンと新しいニットを着てドアの外に出る
「どちらへお出かけですか?」
突然声をかけられて驚き肩が震えた
開けたドアの裏側に姿勢正しく立っている姿を見て目を丸くしてしまう
「わわ!!ノアさん!夜通しここに居たんですか!?」
「‥‥はい。護衛ですので」
「えぇ、知らなかった‥‥すみません、私は爆睡してしまって‥‥あ、おなか減ってませんか?何か食べますか?あぁ、でもチョコレートくらいしか無いですけど‥‥」
「チョコレート?」
「こっちには無いんですか?疲れには甘いもの取ると良いって聞くので是非食べて見てください」
「‥‥有り難うございます」
ノアの白い指がリップの塗ってないのに赤い色をしている唇に吸い込まれていく
「‥‥うまい。カオの実のような味ですね」
(無駄に色っぽいわね。)
「良かった。こっちではカオの実って言うんですね!私の居たところでは、カカオって言う実から出来ているんで似てそうですね!良かった!気に入ったなら、少ししか無いですけど食べてください!」
小さいカバンからいくつかのチョコを取ってノアの前に差し出す
「あと一粒で大丈夫です。折角の向こうの世界の食べ物そんな安売りしたら勿体無いですよ。」
「そんなことないですよ!食べ物は早めに食べてあげないと悪くなってしまいますし!それに、一晩中私を守ってくれて居た方にあげるのが安いわけないです」
花がほころぶような笑顔で言い切られてノアは途端に顔が赤くなる
「っ!‥‥俺は、ただの仕事です。」
「それでも、守ってくれてたのは同じです」
「‥‥」
照れているのか視線を下に下げて口を真一文字にしてしまった
(気を悪くしたかな?‥‥あ、耳赤い。)
「ふふふ」
「 ! なんですか?」
「いや、ノアさんはツンデレなのかなって。」
「ツンデレ?なんですかそれ」
「ふふ。あ、でも、ノアさん甘いもの苦手でしたか?そしたら無理強いになってしまいますね。すみません、私気づかなくて‥‥これじゃパワハラになるんじゃ‥‥」
笑って居たかと思ったら次の瞬間には青くなってコロコロ表情が変わっていく雛を見てノアは思わず笑ってしまう
「くく。」
「ん?ノアさん?」
「いや、なんでも‥‥くく。ないです。」
(いやいや、明らかに肩が震えてますけど。絶対笑ってるでしょ。)
ジト目でノアのことを見てなんだか可笑しく感じて雛も笑ってしまう
ノアは雛の手に乗って居たチョコを2つ摘んで目を細めて
「甘いもの、嫌いじゃないです。有り難く貰っておきます。」
そう言ってチョコを胸ポケットにしまった
「よ、よかった!」
(あんまり笑わなそうな人の笑顔の破壊力やばいっ)
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