若頭が異世界でお嬢を溺愛するお話

なーさん

文字の大きさ
31 / 39

31*人の話はちゃんと聞きましょう

しおりを挟む




翌日 


「あ、悠二。おはよう~」

「お嬢‥‥はよございます。」

いつも通りの態度で何事もなかったかの様に振る舞う雛に悠二は違和感を覚える

(俺の告白、なかったことにされた?)

適当な話題を話してくる雛を横目に考える

(なんでだ?あんなにストレートに‥‥あ)


『『組長の孫』だから、一緒にいるんじゃないの?』

『『側にいる』って、どう言う意味での『側にいる』なのかがイマイチわからない‥‥。悠二はさ、私のこと、、、』


(確かに、側にいるだけだったら今までと同じだな。お嬢に俺がお嬢のことどう思ってるのか分からないって言われたっけ。今までお嬢には『妹』とか『身内』って言ってたしな。)

(でも、それは親父との『約束』もあったし‥‥)



「悠二?聞いてる?」



急に雛が悠二の顔を覗き込んで心配そうに見てくる

(あーーーもう、ほんと可愛いなぁ。こっちの気も知らないでほんと無防備なもんだよ。)

「‥‥はぁぁぁあ」

心の底からのため息が出て雛は訳がわからんくて目をパチクリさせている



「なんでもないです。すんません、聞いてなかったのでもう一度いいですか?」


雛の頭をぽんぽんと撫でながら聞き返す


「だからね、私、全然こっちに来た時のこと覚えてないから悠二から話聞きたいのと、こっちに来た時にいたって言う場所に行って見たいの!」

「あぁ。そうですね、じゃあ、朝飯食ったら行って見ましょうか?行っても大丈夫ですか?ノアさん。」

「はい。では、出かける準備をしてまいります。」

ノアが一礼して去って行こうとする

「ノアさん!ありがとうございます!」

雛が慌ててノアにお礼を言うとノアは雛に柔らかな笑みを返して去っていく
その光景を見て悠二は胸が少しチクっとした





*****


「では、こちらにお乗りください」


わわわわわ


さすが異世界!!!


乗り物は馬車なのねっ!!!
馬かっこいい!綺麗!!v

「ノアさんが、この馬車引くんですか?」

「私は護衛ですので自由に動ける様に馬で並走しますよ」

「そうなんですね!乗馬出来るなんて凄いですね!カッコいい!!」

「こっちの世界では当たり前です。馬しか交通手段がないんで。」

「そうなんですねぇ‥‥てか!悠二、このかわい子ちゃんはどうしたの!?」

ノアと雛の会話を静かに聞いていた悠二の足元にスリスリしている可愛い生き物がいることに気がつく

悠二の足元にいた小さい真っ白な子猫が雛の方によって来て足首にスリスリしてきた

「きゃぁ!かわいいっ!!悠二!この子、天使だな!!はわ~可愛い~癒される~~」

雛のとろけた様子を見て悠二は目が細まる

「こいつ、昨日中庭?の噴水のとこでこっちをずっと見てておやつに煮干しあげたら懐かれたんですよ。お嬢が絶対可愛がるって思ってました。昨日のうちに会わせたかったんですけど色々‥‥あったから。」

『昨日』

いきなり敏感ワードに雛は少し気まづそうに視線を彷徨わせてすくっと立ち上がった
その手の中にはしっかり子猫を抱いている

「そうだったのね。でも、会えたんだからよかった。今日は一緒に行っても大丈夫か?」

「もともと外猫だし気に入ってんのはこいつだから外出しても大丈夫じゃないですか?」

雛の腕の中でゴロゴロと喉を鳴らしている子猫の耳の裏を掻いて答える

「そか。」

ふわりと雛が笑って猫のことを見て背中を撫でてあげると気持ちよさそうに子猫は目を細める




「そろそろ行きませんと、帰る時が暗くなってしまいますよ」

「はい!今行きます!」

ノアの言葉に雛が急いで馬車に向かう
雛の後ろを悠二もついて馬車に乗る時に手を貸すと雛は少し戸惑ったが悠二の手をとった

(いつもやってることなのに‥‥無駄に意識しちゃう。やめないと‥‥)

馬車に乗り込んで、馬車の中には悠二と雛の二人きりだ

護衛としてノアとブライアンが一緒に来てくれるがそれは外にいる

(き、気まずい‥‥)

雛は外を見るために窓を開けた

王都の中を走っている馬車はとてもいい素材なのかあまり揺れない


「お嬢、それで、来た時の話って言ってましたけど、こっちに来てからのことは全く覚えてないんですか?」

悠二に話しかけられてビクっとしたが悠二のいつも通りの雰囲気に少しホッとする

「あ、あぁ。そう。真っ白なとこに落ちたのは覚えてるけどその後のことは全く‥‥悠二は、全部覚えてるの?」


「俺は、お嬢が真っ白な穴?に落ちてくのを見て必死に手を伸ばして、その手をお嬢が掴んでくれてでも引き上げることができなくて一緒に落ちたんです。」

悠二は静かに来た日のことを話し始めた

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり

鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。 でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない

百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。 幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。 ※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。

【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました

ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。 名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。 ええ。私は今非常に困惑しております。 私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。 ...あの腹黒が現れるまでは。 『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。 個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした

鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、 幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。 アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。 すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。 ☆他投稿サイトにも掲載しています。 ☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。

【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます

鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
 一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────  私、この子と生きていきますっ!!  シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。  幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。  時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。  やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。  それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。  けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────  生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。 ※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

処理中です...