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30*定番のガトーショコラ
しおりを挟む3年前のバレンタインデー
いつもお世話になってる組の人とお爺ちゃん、あと悠二にチョコを作った
悠二には頑張って本命のチョコレートケーキを焼いた
今日こそは告白しようと思ってドキドキして悠二の帰りを待ってた
それでも全然帰ってこなくて部屋で不貞腐れて待ってた
でも、寝ずに待ってた。
だって、悠二が私のことを好きで居てくれるって思ってたから。
だから、私は確信がほしくて。
明確な気持ちが欲しくてちゃんと告白して付き合ってもらおうと思ってた。
「若、お帰りなさい」
誰かのそんな声が聞こえて玄関まで行く
悠二の姿が見えて足が止まる
「あ、お嬢。こんな時間まで起きてたんですか?」
ハッとした様な罰の悪そうな顔をしている悠二の後ろに
「え?この子が悠二の溺愛してるって言う妹?」
「ん?あぁ、そう。可愛いだろ?」
「こんばんは。悠二がいつもお世話になってます~彼女の由香です」
息ができない
え?うそ。あ、今日がバレンタインだから彼女といたのか。そうか。
そりゃ当たり前だわ。うん、なにも変なことない。
私の勘違いだった。
いままでの態度もままでの紛らわしい言葉も
全部勘違い
「悠二、酒クセェぞ。」
勘違いと気づいて急に恥ずかしくなった。
八つ当たりの様に悠二に嫌味を言う。
「あ、すんません。お嬢、どうかしました?あ、それ!俺に?」
雛の手に持っていた箱をヒョイと取り開けようとした
「ダメっ!!!」
無理に悠二から無理やり奪ったケーキが床に落ちる。
「あ‥‥すんません、おじょ‥‥」
「ごめんな。邪魔した。片付けとくから、彼女と過ごして!!あ、蓮、拭くものとか持ってきて」
「わかりました」
必死に笑みを浮かべて気にしてない風に過ごす。若いのが台所まで走って拭くものを取ってきてくれる
「‥‥」
「お嬢‥‥」
「いいから、早く行け。」
「っ‥‥すんません。」
悠二は『彼女』の手を引いて自分の部屋に足早に行った
泣くな。泣くな。
悠二は何も悪くない。私が勘違いしてただけ。
優しくしてくれた悠二に勝手に期待して勝手に玉砕しただけ。
‥‥ただ、それだけの事。
大丈夫。こんなの屁でもない。
もう、やめよ。
私には悠二は『家族』。
ただそれだけの話
ケーキの残骸を処理しながら悠二への気持ちも言わないと決めた
*****
今更。
そう言ったらどうなるかな。
あの後くらいから悠二とは本当に兄弟の様にしてきたつもり。
恋愛の事を口にしたのはここに来た日が初めてだった
悠二とは言わないのが暗黙の了解って感じだったから。
あのバレンタイン以降もいい感じになる人も居たけどなんだかんだ付き合うまでには至らず
そして、何故かみんな怯えて逃げて行ってしまう
まぁ、お爺ちゃんが何かしてるんだろうけど。
ビビリな男なんかこっちから願い下げだから別にいい。
本当に、悠二の気持ちがわからない。
この気持ちを捨てたのに。
あんなこと言われたら期待しちゃうじゃん‥‥。
どうせ、あっちに戻れるってなったらまた戻らなきゃなんでしょ?
『妹』に
そんなの私の気持ちが壊れちゃう。
でも、やっぱり嬉しく思う自分もいて、期待してしまう。
あーーーー私はどうしたらいいんだ!?
よし・・・好きな人を作ろう。
やっぱり、別の恋をしよう。
向こうでもそう決めてやっとこ合コンしようとセッティングしてもらったのにまさかの事態で行けずじまいだったし。
でも、こっちの男の人、かっこいい人多いし!
誠実そうだし!!堅気だし!!!強そうだし!!!!
とってもいい感じじゃない?
悠二とは、『今まで通り』兄弟的な、お隣さんの幼馴染みたいなポジションでいた方が後々、気持ちが楽なんじゃない!?
でも、今回の悠二の気持ちが『LOVE』の方だったら?
・・・・あーわからない!!
とりあえず細かいことは明日考えよう。
考えるのを放棄しよう。うん、そうしよう。
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