ハイスペック隠れ腐女子が異世界に転生しました。~二度目の人生全力で楽しみます!~

なーさん

文字の大きさ
16 / 84
第1章 この度、伯爵令嬢になりました。

16*【ディナン目線】その5

しおりを挟む

チャコが泣き止んで、落ち着いて来たのが分かっていても私はチャコを離したくなくて後ろからギュッとして、地面に座って他愛もない話をしている。うん、これはジョーがよく抱きつく意味がわかったな。これからは、私も抱きついたりしていこうと心に誓う。

チャコは恥ずかしいのかソワソワとしているが、私は離したくなくて気付いてないふりをする。‥‥耳が赤い。少しは意識してくれるだろうか?そう思うと自然と頬が緩んでしまう。


「ね、ねぇ、ディナン?そろそろ離して?」

「ん?何故だ?」

『友達』の距離感じゃないから。そんな答えはわかっていたがチャコは言わないだろう。だから意地悪だと思ったが聞いて見た。

「その、えと‥‥は、恥ずかしいから‥‥」

「でも、ジョーもよくチャコに抱きついているではないか。私もそうしたいと思っていたが遠慮していたんだ。これからは気にしないことにした。だから、今日は今までの分だからこのままでいいんだ。」

意地悪な意味のわからない言い訳を言い切るとチャコは困ったような顔をしながらも流されてくれる。あぁ、そうなの?と小声で葛藤していて私は笑いを堪えるのが必死だった。

「いや、ジョーでもこんな長くはしないよ‥‥」

「今は二人きりだ。気にする必要はない。‥‥それより、チャコ。魔力の扱いについて悩んでいたんだよな?」

無理やり話を終わらせて別の話を振る。するとチャコは自分の悩みを思い出したのか少し暗い顔になった。そんな顔をさせたくなくて後ろから抱きついている力を少し強めた。巻きついている腕にチャコは無意識なのか手を添えてギュッと握って来て心臓が跳ねた。

ポツリポツリと今の現状を話してくれて、私はまだ魔力の扱いが分からなかった時と同じ悩みだった。

・・・あぁこの方法も兄上が教えてくれたんだっけ。

幼い時を思い出すとチャコの手を取って立たせてあげる。
本当は、口で説明するだけでいいのかもしれないがチャコに触れている口実が欲しくて実践していった。

「チャコ、自分の魔力を手の平で玉を作るイメージして。」

そう言って私も掌に魔力を込める
チャコは目を閉じて必死にイメージしているようだ。

次第に手が暖かくなって来てチャコが驚いて手を見る。

・・・本当は作っちゃいけないんだけど。これは私が絶対にチャコを落として両想いになるための願掛け。意味はチャコはしらないだろう。それでいい。まだチャコは知らなくていい。それでもお互いの魔力を込めた結晶石が欲しかった。

チャコは興奮したように結晶石を見つめている。初めて作った割にとても綺麗な丸で水晶玉のように透き通っていた。

私の魔力は銀色だ。チャコは何色かわからないけれど濁りが全くない結晶石を見れば相性は良いのはわかった。あとは、気持ちだけってことか。

結晶石を見ながら笑ってしまっている自覚があるがこんなに嬉しいことはない。

「これに、魔法陣を刻むといろんなことができるんだ。今度簡単なのを一緒に作ってみよう。」

なんの魔法陣にしよう。お守りとしても良いし、私専用の連絡用でも良いし‥‥わくわくしてきた。今日は帰ったらよく考えよう。なんの魔法にするか考えるのは後にしてまずはチャコの悩み解決だ。

結晶石を置いて再度チャコの手を取る。
そして少しづつ私の魔力をチャコに入れていく。

「ひゃう!?」

変な叫びが聞こえて笑ってしまったが、どうやら成功したようだ。実は初めて兄上にされた時私はビックリして手を叩いてしまった。‥‥まぁ、それが普通の反応らしいが。チャコは逆にギュウっと手を握り返して必死に耐えているようだ。‥‥あぁ、可愛い。なんなんだ。


余裕がないのを悟られないように先生づらして説明する。
チャコはもともと器用な人だと思う。だからちゃんと実践してやって見せてあげればすぐにできるようになると思うんだ。

「‥‥す、すごい。体が軽くなったよ。」

感動のあまりチャコがズイッと顔を近づけて来た。うう、近くで見るとほんと可愛い。持って帰りたい。

本当は私が教えた事にしたかったがなんだか後ろめたく感じて兄上に教えてもらった事を言ってしまった。

「お兄さん、凄いね。いままでわからないものがわからない状態だったから、やきもきしてモヤモヤしてたけど‥‥ディナン、教えてくれてありがとう!」

あぁ、ちゃんと伝えてよかった。素直にそう思えた。変にカッコつけなくてよかった。

「うん。あ、でも、これは私とチャコの秘密な?チャコはもしかしたら私と同じくらい魔力量があるから教えたけど、魔力量が普通の人はいらない技術らしいからな。無闇に魔力量が多いことを他人に知らせるべきではないからな。‥‥色んな事件になるって聞くしな。チャコを無用な危険に晒したくはない。」

「そうなんだ。わかった。内緒ね!あ、ねぇ、この水晶玉1つもらってもいい?」

「あぁ。全然いいぞ。あ、ただ、二人でそれを作ったことはまだ誰にも言わないでくれ


「まだ?」

なんで?と訴えてくるが今作った事を広めたら多分、ジョーの言うように伯爵領へ隠されてしまう気がする。だまし討ちのように作った物だから周りには言わないほうがいい。

「言っていい時が来たらわかるから。その水晶はチャコだけで作ったものにしてくれ。」

「うん‥‥わかった。でも‥‥」

不服ながらも頷いてくれたが、納得はしていないようだ。

「でも、どうした?」

「こんなに綺麗に出来たのに言えないのは少しだけ残念だなって思っただけ!大丈夫、内緒にするよ!」

思ってもよらない返事に胸が鷲掴みされる感じがした。なんでそんな可愛い事を素で言えるんだ?そのムゥっとしたへの字の唇でさえ愛おしくておかしくなる。

「っ!本当に、チャコは可愛いことばかり言ってくれるな。‥‥そろそろ日が暮れる。今日は一人なら私が近くまで送っていこう」

一体何人の奴らを虜にすればいいんだ?

あぁ、願わくばチャコが惚れる相手が私でありますように。

そう天に願わずにはいられなかったーー‥‥









しおりを挟む
感想 54

あなたにおすすめの小説

拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました

星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎ 王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝―― 路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。 熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。 「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」 甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。 よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、 気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて―― しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!? 「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」 年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。 ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。

転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました

空飛ぶひよこ
恋愛
実家の養鶏場を手伝いながら育ち、後継ぎになることを夢見ていていた梨花。 結局、できちゃった婚を果たした元ヤンの兄(改心済)が後を継ぐことになり、進路に迷っていた矢先、運悪く事故死してしまう。 転生した先は、ゲームのようなファンタジーな世界。 しかし、実家は養鶏場ならぬ、養コカトリス場だった……! 「やった! 今度こそ跡継ぎ……え? 姉さんが婿を取って、跡を継ぐ?」 農家の後継不足が心配される昨今。何故私の周りばかり、後継に恵まれているのか……。 「勤労意欲溢れる素敵なお嬢さん。そんな貴女に御朗報です。新規国営牧場のオーナーになってみませんか? ーー条件は、ただ一つ。牧場でドラゴンの卵も一緒に育てることです」 ーーそして謎の牧場経営型乙女ゲームが始まった。(解せない)

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

年増令嬢と記憶喪失

くきの助
恋愛
「お前みたいな年増に迫られても気持ち悪いだけなんだよ!」 そう言って思い切りローズを突き飛ばしてきたのは今日夫となったばかりのエリックである。 ちなみにベッドに座っていただけで迫ってはいない。 「吐き気がする!」と言いながら自室の扉を音を立てて開けて出ていった。 年増か……仕方がない……。 なぜなら彼は5才も年下。加えて付き合いの長い年下の恋人がいるのだから。 次の日事故で頭を強く打ち記憶が混濁したのを記憶喪失と間違われた。 なんとか誤解と言おうとするも、今までとは違う彼の態度になかなか言い出せず……

女性が少ない世界に転生した控えめ伯爵令嬢、なぜか五人の婚約候補に選ばれて少しずつ恋を知っていきます

ノッポ
恋愛
女性が極端に少ない異世界に転生した私は、気づけば伯爵令嬢になっていた。 前世は日本で普通に生きていたせいか、貴族令嬢らしい強気な振る舞いがどうしても苦手。 社交界デビューを迎えても、「どうして私が選ばれるの?」と戸惑うばかりだった。 けれど今年デビューする高位令嬢はわずか三人。 家同士の思惑も重なり、騎士団長家の息子、宰相子息、魔術師団長の息子、幼なじみの侯爵子息、そして英雄騎士―― 五人の若きエリートとのお見合いが次々と始まってしまう。 遠慮がちで控えめな性格は、この世界では珍しく、気づけば少しずつ距離を縮めていく彼ら。 異世界での恋愛に戸惑う日々。けれど出会いを重ねるたびに、私は少しずつ変わっていく――。 女性希少世界で、自分の幸せを選べるようになるまでの逆ハーレム恋愛ファンタジー。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 【ご報告】 2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。 また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。 引き続きよろしくお願いいたします。

【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件

三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。 ※アルファポリスのみの公開です。

前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!

鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……! 前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。 正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。 そして、気づけば違う世界に転生! けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ! 私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……? 前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー! ※第15回恋愛大賞にエントリーしてます! 開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです! よろしくお願いします!!

処理中です...