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第三章 限りなく透明に近いブルーは本当にブルーなのか
第三章ー03
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――しかし、そこで終わらないのがカゲロウの運命だった。
右上に満月の小さな絵があって、「何だろう?」とクリックしてみれば、ページのデザインが反転してしまい…「はい」…「はい」…とさらに押してみれば、『楓―KAEDE―』におけるエッチ小説を投稿する場所へと誘われてしまったのだ(良い子のみんなは真似しちゃダメよ!)。
――オーシッ!
とガッツポーズで快哉を叫んだことは言うまでもない(だからダメだって)。
そして5日と経たぬうち。
それは高3の冬休。
彼は投稿デビューを果たしたのだ(ホントにダメだから!)。
――まだそこで終わらないのが、カゲロウの運命だった。
まるで恐い者知らずの素人がバッティングセンターで150km/hのスピードのでるボックスに立って「ええい、ままよっ!」とフルスウィングして、その金属バットが出会い頭にもボールを打ちつけたみたいな、さらにはその軌道が悪戯にもホームラン・ゾーンを直撃したかのような…、それは、『瓢箪』で言うなら『駒』、『麻雀』で言うなら『天和』、『美人』で言うなら『鼻毛』、といった、まあ、無くはないけど奇跡に近いよ、っていうぐらいの可能性をぬって、彼の作品は、少なくともそのサイトの、それは、エッチ小説の置き場所を知っている極々僅かな人間の、そのさらにマニアな人たちだけだったのかも知れないけれど、好評を博してしまったのだ。
きっと、18年間溜めこんできた濃いドロッとしたエッセンスが幸いしたに違いない。
――それでもまだまだ終わらないのがカゲロウの運命だった。
その、月の絵の裏側のページ、とでも言うべきか、そこには投稿の他にチャットルームが用意されていた。もっともそれは表側にもあったのだけれど。しかし、違うところは、ログインIDが簡単に取得できないところだった。資格としては、先ず投稿者であること。そして、『楓―KAEDE―』の管理人と直接会って審査を受けた者、だった。カゲロウが二の足を踏んだのは言うまでもない。当然、チャットにも触れずにいた。
しかし、高3が終わっていよいよ春休みに入る直前、そのメールは届いたのだ。
右上に満月の小さな絵があって、「何だろう?」とクリックしてみれば、ページのデザインが反転してしまい…「はい」…「はい」…とさらに押してみれば、『楓―KAEDE―』におけるエッチ小説を投稿する場所へと誘われてしまったのだ(良い子のみんなは真似しちゃダメよ!)。
――オーシッ!
とガッツポーズで快哉を叫んだことは言うまでもない(だからダメだって)。
そして5日と経たぬうち。
それは高3の冬休。
彼は投稿デビューを果たしたのだ(ホントにダメだから!)。
――まだそこで終わらないのが、カゲロウの運命だった。
まるで恐い者知らずの素人がバッティングセンターで150km/hのスピードのでるボックスに立って「ええい、ままよっ!」とフルスウィングして、その金属バットが出会い頭にもボールを打ちつけたみたいな、さらにはその軌道が悪戯にもホームラン・ゾーンを直撃したかのような…、それは、『瓢箪』で言うなら『駒』、『麻雀』で言うなら『天和』、『美人』で言うなら『鼻毛』、といった、まあ、無くはないけど奇跡に近いよ、っていうぐらいの可能性をぬって、彼の作品は、少なくともそのサイトの、それは、エッチ小説の置き場所を知っている極々僅かな人間の、そのさらにマニアな人たちだけだったのかも知れないけれど、好評を博してしまったのだ。
きっと、18年間溜めこんできた濃いドロッとしたエッセンスが幸いしたに違いない。
――それでもまだまだ終わらないのがカゲロウの運命だった。
その、月の絵の裏側のページ、とでも言うべきか、そこには投稿の他にチャットルームが用意されていた。もっともそれは表側にもあったのだけれど。しかし、違うところは、ログインIDが簡単に取得できないところだった。資格としては、先ず投稿者であること。そして、『楓―KAEDE―』の管理人と直接会って審査を受けた者、だった。カゲロウが二の足を踏んだのは言うまでもない。当然、チャットにも触れずにいた。
しかし、高3が終わっていよいよ春休みに入る直前、そのメールは届いたのだ。
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