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第4章 君と一緒の夏
26. 鬼ごっこと交通整理
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「はい、じゃあ撮影いきます、カット94!」
そして何事もなかったように準備に入る凌悟君。私も慌てて竿を持ち上げて上から音を拾えるようにセットした。
「国稀、歩きながら台詞よろしくね。ようい、アクション!」
『ここ歩くの久しぶりだなあ。そういえば、さっき笹倉さん来てたみたいだけど……』
うわっ、すごい。国稀さんはマイクから多少離れているけど、ヘッドホンからはっきり彼女の声が聞こえる。そこに混じる微小な靴音や、風の音、道路を走る車の音までしっかりと。
なるほど、さっき私一人で出ていたカットのとき、国稀さんはこの音を聴いて、ノイズが大きかった時にNGを出していたんだな。これは音声担当しか気付けない屋外ならではのNGだ。
「カット。一晴、雑音とか問題なかった?」
「うん、大丈夫だったよ」
それなら良かった、とそのまま国稀さんのカットを連続で撮り、午前中の最後は糸倉君と国稀さんが笹倉夏美について話す場面だ。
脚本の読み合わせをしている二人の横で、カメラの位置を確認している凌悟君に近づく。今日も三脚は、テニスボールの靴を履いていた。
「この場所の撮影は台詞も少ないし、案外スムーズに終わりそうね」
そう言うと、彼はちらと公園の遊具の方を見た後、私に向き直ってふるふると否定した。
「そんな簡単にはいかないと思うな。そろそろ厄介な敵が来そうだから」
「敵?」
彼の言葉の意味を、私は十数秒後に知ることとなった。
「ねえねえ! 何してるの!」
「カメラ持ってる! なんかの撮影?」
「えーが? えーが?」
公園にいた「好奇心の塊」な小学校低学年の男女が五人、面白いおもちゃを見つけたように目をキラキラさせながら、カメラを持つ凌悟君の周りにやってきた。なるほど、これは手強い敵だ……。
「そうそう、俺達これから映画の撮影をするんだ。映らないように、ちょっとどいててくれるかな?」
「撮影! すげー! 俺も出たい!」
「それマイク? 触らせて!」
「オレとコイツが戦うところ撮ってよ!」
眼球だけぐりっと上に向け、気絶するような顔マネをする凌悟君に、糸倉君がプッと吹き出す。国稀さんと私で、「今からカメラ回すから、静かにしてほしいなあ」とお願いするものの、「じゃあ今から、喋ったら負けゲームな!」と、間違いなく音声のせいでNGを連発しそうな状況になっている。
「仕方ない、こうなったらプランBだな」
プランAはおそらく「説得」だったのだろう。Bは一体どんな作戦なのか、と思っていると、凌悟君が私の腕をぐいっと引っ張った。そして恥ずかしさで動揺する間もなく、彼ら五人の前に生贄を如く差し出される。
「このお姉さんはね、『女子スポーツ鬼ごっこ』で大会に出てる人なんだよ。どんな人でもすぐに見つけてタッチしちゃうんだ。どう、ここから少し行ったところにある隣の公園で戦ってみない?」
「ちょっ……!」
二の句が継げないでいると、予想通り、子ども達は「マジで!」「鬼ごっこバトル!」とやんややんや手を叩いて騒いでいる。
「凌悟君、そんな無茶な——」
すかさず私の目の前でパチンと両手を合わせ、反対意見を華麗に遮る。
「一晴、頼む! すぐに終わるから! 敦史と国稀が演技するから、空いてるのが一晴しかいないんだよ。これは、俺達が映画を完成させるためにどうしても必要なミッションなんだ!」
懇願する凌悟君。でも、その言葉や表情の端々に、この状況を楽しんでいる様子が見え隠れする。
そしてそれは、残りの二人も一緒だった。
「吉水さん、撮影の命運は吉水さんに託されてます」
「一晴先輩に懸かってると言っても過言じゃないですね」
「………………はあ」
こんな真面目な顔で、そして楽しそうに言われたら、乗るしかない……はあ。
「分かった、ちょっと引き付けておくね。ほら、みんな、あっちの公園に行こう。お姉さんが本気で相手してあげる」
「っしゃあ! じゃあお姉さんが鬼ね!」
「まずは十数えるんだからね!」
こうして私は、凌悟君から戻ってきて大丈夫と連絡が来るまで、何年ぶりかの全力ダッシュを二十分間やる羽目になったのだった。
「も……戻って……きた……よ……」
「お疲れさまです、吉水さん!」
LIMEに連絡を受け、老犬のようにヨタヨタと歩いて撮影現場に帰ってきた。さっきより大通りに近い、やや人の行き来の多い道に移動して、カメラのアングルを確かめている。
「一晴、大丈夫? 監督やってもらえるなら俺が代わったんだけど」
「凌悟君がそういう意地悪言ったってこと、ずっと覚えておくからね!」
私のツッコミに凌悟君は「手厳しいな!」と手を叩いて笑う。隣で見ていた糸倉君も、ぷはっと吹き出していた。
「じゃあ次のカットいきます! ここは道を右から左にグッと撮っていって、あとで一晴のモノローグを入れるから、人が入るとちょっと困るな……敦史と一晴、通行止めお願いできる? 国稀にレフ板お願いして撮っておくから」
「オッケーです! 吉水さん、一緒に行きましょう」
何をするかよく分からないまま、糸倉君の後を追う。交差点まで行くと、彼は大通りから曲がってきた三十代の主婦らしき女性に、腰を低くして「すみません」とお辞儀した。
「今、高校の部活で映画の撮影を行っていて、これから本番が始まります。すぐに終わるので、少々お待ちいただけますか? もしお急ぎでしたら、お手数おかけしますが、あちらから迂回をお願いします」
彼女は「あら、そうなの」と言って奥の通りへ進んでいく。糸倉君はもう一度頭を下げ、「すみません、ご協力よろしくお願いします」と挨拶した後、私の方に向き直った。
「今みたいな感じで人が通らないようにするんです。普通の映画だと道路の使用申請とか必要なんですけど、高校生なんで大目に見てもらいましょう」
「こんなことまでやるんだ、すごい……」
驚きと感心の混ざった、率直な感想が口をついた。よくよく考えてみれば、公道で撮影する時にそこを通りたい人がいるのは当たり前なんだけど、まさかこういう配慮があったなんて。
「基本的に腰低くしてお願いするんですけど、もし文句言ってくる人いたら通しちゃって大丈夫です」
「分かった」
オレ向こう側やりますね、と言って彼は反対側の交差点に行った。ちょうどそのタイミングで、目の前を中学生と思われる男子三人が歩いてくる。
「あの、ごめんなさい。今ちょうど、映画の撮影を行っていて……」
今まで知らなかった世界に飛び込んで、面白いことを経験できている。暑いし疲れるけど、こんな夏休みの過ごし方も一つの青春なのだろう。
そして何事もなかったように準備に入る凌悟君。私も慌てて竿を持ち上げて上から音を拾えるようにセットした。
「国稀、歩きながら台詞よろしくね。ようい、アクション!」
『ここ歩くの久しぶりだなあ。そういえば、さっき笹倉さん来てたみたいだけど……』
うわっ、すごい。国稀さんはマイクから多少離れているけど、ヘッドホンからはっきり彼女の声が聞こえる。そこに混じる微小な靴音や、風の音、道路を走る車の音までしっかりと。
なるほど、さっき私一人で出ていたカットのとき、国稀さんはこの音を聴いて、ノイズが大きかった時にNGを出していたんだな。これは音声担当しか気付けない屋外ならではのNGだ。
「カット。一晴、雑音とか問題なかった?」
「うん、大丈夫だったよ」
それなら良かった、とそのまま国稀さんのカットを連続で撮り、午前中の最後は糸倉君と国稀さんが笹倉夏美について話す場面だ。
脚本の読み合わせをしている二人の横で、カメラの位置を確認している凌悟君に近づく。今日も三脚は、テニスボールの靴を履いていた。
「この場所の撮影は台詞も少ないし、案外スムーズに終わりそうね」
そう言うと、彼はちらと公園の遊具の方を見た後、私に向き直ってふるふると否定した。
「そんな簡単にはいかないと思うな。そろそろ厄介な敵が来そうだから」
「敵?」
彼の言葉の意味を、私は十数秒後に知ることとなった。
「ねえねえ! 何してるの!」
「カメラ持ってる! なんかの撮影?」
「えーが? えーが?」
公園にいた「好奇心の塊」な小学校低学年の男女が五人、面白いおもちゃを見つけたように目をキラキラさせながら、カメラを持つ凌悟君の周りにやってきた。なるほど、これは手強い敵だ……。
「そうそう、俺達これから映画の撮影をするんだ。映らないように、ちょっとどいててくれるかな?」
「撮影! すげー! 俺も出たい!」
「それマイク? 触らせて!」
「オレとコイツが戦うところ撮ってよ!」
眼球だけぐりっと上に向け、気絶するような顔マネをする凌悟君に、糸倉君がプッと吹き出す。国稀さんと私で、「今からカメラ回すから、静かにしてほしいなあ」とお願いするものの、「じゃあ今から、喋ったら負けゲームな!」と、間違いなく音声のせいでNGを連発しそうな状況になっている。
「仕方ない、こうなったらプランBだな」
プランAはおそらく「説得」だったのだろう。Bは一体どんな作戦なのか、と思っていると、凌悟君が私の腕をぐいっと引っ張った。そして恥ずかしさで動揺する間もなく、彼ら五人の前に生贄を如く差し出される。
「このお姉さんはね、『女子スポーツ鬼ごっこ』で大会に出てる人なんだよ。どんな人でもすぐに見つけてタッチしちゃうんだ。どう、ここから少し行ったところにある隣の公園で戦ってみない?」
「ちょっ……!」
二の句が継げないでいると、予想通り、子ども達は「マジで!」「鬼ごっこバトル!」とやんややんや手を叩いて騒いでいる。
「凌悟君、そんな無茶な——」
すかさず私の目の前でパチンと両手を合わせ、反対意見を華麗に遮る。
「一晴、頼む! すぐに終わるから! 敦史と国稀が演技するから、空いてるのが一晴しかいないんだよ。これは、俺達が映画を完成させるためにどうしても必要なミッションなんだ!」
懇願する凌悟君。でも、その言葉や表情の端々に、この状況を楽しんでいる様子が見え隠れする。
そしてそれは、残りの二人も一緒だった。
「吉水さん、撮影の命運は吉水さんに託されてます」
「一晴先輩に懸かってると言っても過言じゃないですね」
「………………はあ」
こんな真面目な顔で、そして楽しそうに言われたら、乗るしかない……はあ。
「分かった、ちょっと引き付けておくね。ほら、みんな、あっちの公園に行こう。お姉さんが本気で相手してあげる」
「っしゃあ! じゃあお姉さんが鬼ね!」
「まずは十数えるんだからね!」
こうして私は、凌悟君から戻ってきて大丈夫と連絡が来るまで、何年ぶりかの全力ダッシュを二十分間やる羽目になったのだった。
「も……戻って……きた……よ……」
「お疲れさまです、吉水さん!」
LIMEに連絡を受け、老犬のようにヨタヨタと歩いて撮影現場に帰ってきた。さっきより大通りに近い、やや人の行き来の多い道に移動して、カメラのアングルを確かめている。
「一晴、大丈夫? 監督やってもらえるなら俺が代わったんだけど」
「凌悟君がそういう意地悪言ったってこと、ずっと覚えておくからね!」
私のツッコミに凌悟君は「手厳しいな!」と手を叩いて笑う。隣で見ていた糸倉君も、ぷはっと吹き出していた。
「じゃあ次のカットいきます! ここは道を右から左にグッと撮っていって、あとで一晴のモノローグを入れるから、人が入るとちょっと困るな……敦史と一晴、通行止めお願いできる? 国稀にレフ板お願いして撮っておくから」
「オッケーです! 吉水さん、一緒に行きましょう」
何をするかよく分からないまま、糸倉君の後を追う。交差点まで行くと、彼は大通りから曲がってきた三十代の主婦らしき女性に、腰を低くして「すみません」とお辞儀した。
「今、高校の部活で映画の撮影を行っていて、これから本番が始まります。すぐに終わるので、少々お待ちいただけますか? もしお急ぎでしたら、お手数おかけしますが、あちらから迂回をお願いします」
彼女は「あら、そうなの」と言って奥の通りへ進んでいく。糸倉君はもう一度頭を下げ、「すみません、ご協力よろしくお願いします」と挨拶した後、私の方に向き直った。
「今みたいな感じで人が通らないようにするんです。普通の映画だと道路の使用申請とか必要なんですけど、高校生なんで大目に見てもらいましょう」
「こんなことまでやるんだ、すごい……」
驚きと感心の混ざった、率直な感想が口をついた。よくよく考えてみれば、公道で撮影する時にそこを通りたい人がいるのは当たり前なんだけど、まさかこういう配慮があったなんて。
「基本的に腰低くしてお願いするんですけど、もし文句言ってくる人いたら通しちゃって大丈夫です」
「分かった」
オレ向こう側やりますね、と言って彼は反対側の交差点に行った。ちょうどそのタイミングで、目の前を中学生と思われる男子三人が歩いてくる。
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