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第15話 関係者のその後 その2・サーラの元家族Side~透明人間たちは~ 俯瞰視点(1)
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「我々は、二度と同じ過ちを犯してはならない。力を合わせ共に償っていこう、ディディエ」
「ええ、兄上――国王陛下。サーラ様の御恩に報いるためにも、全身全霊を『サンルーフ』に捧げましょう」
国王ルーカス、王妃メリー、聖女アリス。3人の突然の蒸発の報が国内外に伝わった日の、翌々日のことでした。玉座の前では、かつての第二王子カミーユと第三王子ディディエが固く握手を交わしていました。
国王不在。ここサンルーフは王政である以上、そんな状態では国が成り立ちません。
そこで最年長のカミーユが第28代国王となり、ディディエがそれを補佐。浄化された――悪心を持つ者が排除された臣下と共に、新米国王を支えてゆくことになったのです。
「では、動き出すとしよう。……いこうか」
「はい。まいりましょう」
私利私欲ではなく、民の幸せのために――。そんな思いで2人は王の間を後にし、早速悲願実現に関する様々な議論を、新たな聖女や臣下と共に始めました。
そうして会議場内には2人の希望で忌憚なき意見が飛び交うようになり、非常に清く濃厚な時間が過ぎてゆきました。
しかしながら――。
カミーユとディディエは――否。場内に居る新たな宰相など12人の臣下や聖女も、知りませんでした。会議場の内には3人の招かれざる者がいて、醜い声が何度も何度も飛び出していることに。
「新聖女様!! カミーユ様っ! ディディエ様!! 我々はここにおります!!」
「どうか気付いてくださいっ! わたくし共は貴方様の目の前におりますのぉっ!!」
「気付いてくださいましっ!! わたし達は反省をしていてっ、祖国のために尽くしたいと思っておりますのっ!! そうするためにっ、気付いてくださいましぃぃぃっ!!」
その声の主は、同時期に原因不明のの失踪を遂げたサミ、エリザベル、メリッサ。彼らは国王の失踪を知り――殺害などの心配はなくなったと知り、存在を認識してもらうべく――少しでも自身を認識できるようにしてもらうべく、新聖女がいる王城を訪れていたのでした。
「ええ、兄上――国王陛下。サーラ様の御恩に報いるためにも、全身全霊を『サンルーフ』に捧げましょう」
国王ルーカス、王妃メリー、聖女アリス。3人の突然の蒸発の報が国内外に伝わった日の、翌々日のことでした。玉座の前では、かつての第二王子カミーユと第三王子ディディエが固く握手を交わしていました。
国王不在。ここサンルーフは王政である以上、そんな状態では国が成り立ちません。
そこで最年長のカミーユが第28代国王となり、ディディエがそれを補佐。浄化された――悪心を持つ者が排除された臣下と共に、新米国王を支えてゆくことになったのです。
「では、動き出すとしよう。……いこうか」
「はい。まいりましょう」
私利私欲ではなく、民の幸せのために――。そんな思いで2人は王の間を後にし、早速悲願実現に関する様々な議論を、新たな聖女や臣下と共に始めました。
そうして会議場内には2人の希望で忌憚なき意見が飛び交うようになり、非常に清く濃厚な時間が過ぎてゆきました。
しかしながら――。
カミーユとディディエは――否。場内に居る新たな宰相など12人の臣下や聖女も、知りませんでした。会議場の内には3人の招かれざる者がいて、醜い声が何度も何度も飛び出していることに。
「新聖女様!! カミーユ様っ! ディディエ様!! 我々はここにおります!!」
「どうか気付いてくださいっ! わたくし共は貴方様の目の前におりますのぉっ!!」
「気付いてくださいましっ!! わたし達は反省をしていてっ、祖国のために尽くしたいと思っておりますのっ!! そうするためにっ、気付いてくださいましぃぃぃっ!!」
その声の主は、同時期に原因不明のの失踪を遂げたサミ、エリザベル、メリッサ。彼らは国王の失踪を知り――殺害などの心配はなくなったと知り、存在を認識してもらうべく――少しでも自身を認識できるようにしてもらうべく、新聖女がいる王城を訪れていたのでした。
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