私との婚約は、選択ミスだったらしい

柚木ゆず

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「ルシアンよ。エマ・サーレル嬢とケヴィン・ランドルの婚約が、白紙となったそうだぞ」
「ええ、父上。俺の元にも、その情報は入ってきております。それともう一つ、ファスル子爵令嬢と婚約を行ったというものも届いております」
「……わずか一週間で関係を解消し、その直後に再び婚約するとはな……。子も子だが、親も親だ。よく許したものだ、正気とは思えんよ」
「そして、彼女との縁を自ら切るなんて。あまりにも愚かです」
「うむ。……して、ルシアンよ。サーレル嬢の隣は、空席となった。動くのか?」
「そうですね、挑戦はしたいと考えております。とはいえ、それは今ではありません。最低でも1か月は、時間を置きたいと思います」
「ふむ。それは、なにゆえだ?」
「婚約解消はすんなりと成立したようですが、それでも恋が絡む問題であり行動に、マイナスな印象を強く抱かれている事でしょう。なのでこちらの都合で、不愉快な感情を生みたくはないのですよ」
「……なるほどな。では、ソレがなくなるその時までは静観か」
「そうですね。ルシアンとしては、静観致します」
「??? ルシアンとしては?」
「これから匿名で――受け取っていただけなくなるのでサーレル卿にのみ送り主を明かし、エマ様に花を贈ろうと考えております。以前彼女は花が好きと仰っていたので、少しでもリラックスしていただけるように」
「…………他意の有り無し関係なく、現状が活きてしまうをことはしない。と、いうことか。お前らしいな」
「こういった部分で、印象の変化があってはなりませんので。エマ様には、友人の誰かという形でお贈りします」
「そうか、お前の考えはよく分かった。……前回はスタートラインに立つことすら叶わなかったが――。今回は届くといいな、ルシアン」
「はい。受け入れていただけるよう、最大限の努力をしてゆきたいと思います」

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