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第9話 状況の把握と、リナスを更に襲う衝撃達 リナス視点
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「…………ごめんよ、リナス……。俺は……。やってしまった…………」
3千万もの借金を作ってしまった。そんな説明を、わたしは唖然となりながら聞いていた。
「ど、どうして……。待っていれば、自然と生まれてきていたのに……。どうして、そんな方法を…………」
「…………君に、プレゼントをしたかった……。早くあのネックレスや新しい何かを渡して、喜ぶ顔を見たかったんだ……」
だから急いで、勝負に出た……。今までの、わたしの行動が……。また買いたくなるように、振舞っていたことが……。仇に、なった……。
「俺の手持ちは、0……。3千万ルピスなんて、天地がひっくり返っても返せなくって……。やって、しまった…………」
「『やってしまった』じゃなくってっ! どうにかしないと大変なことになってしまうわっっ! 自分で無理なら周りにっ、お義父様に払ってもらうしかないわっ!」
控えめな幼馴染の皮をかぶっている余裕なんてない。この日常を失わないように、おじ様の部屋がある方向を指さした。
「俺もそう頼んで、父さんはアイツの――キリルのもとに、行っていたんだ。でも……。その要望は、撥ね付けられた。駄目だと即答されたらしいんだ……」
「………………」
そういえば使用人が、4時間前に出掛けて1時間前に帰って――と言っていた。あれは再説得じゃなくて、懇願に行っていた……。
「やつは、エマの件でまだ怒っていて……。厄介な相手で、手を出せないから……。俺は返済の日が来たら、約束に従って……。俺が所有する土地を全部、手放さないといけなくなったんだよ……」
「………………」
彼は正規のルートではなく、一癖も二癖もある人間からお金を借りていた……。
借りる前のこの人は、自信があったから……。滅茶苦茶な条件を呑んでいた……。
「……そして、ね……。…………………………本当にごめんよ、リナス……」
「ごっ、ごめんじゃ分からないわよっ。ちゃんと言葉にして!」
ケヴィンが言おうとしている内容は、薄々察している。
でも!!
そうじゃないと自分に言い聞かせて、彼を見つめる。
((違う、わよね? わたしの考えすぎよね?))
だって、こんなのでも、血の繋がった家族なんだもの。普段は厳しいだけで、そんなことは――
「クソジジイからの命令で、父さんは当主の座を剥奪……。俺は廃嫡となって、親子揃って『家』を追い出されてることになってしまったんだ……」
――そんなことは、あった……。
彼はわたしが想像していた台詞をそのまま口にして、力なく天井を仰いだのだった。
3千万もの借金を作ってしまった。そんな説明を、わたしは唖然となりながら聞いていた。
「ど、どうして……。待っていれば、自然と生まれてきていたのに……。どうして、そんな方法を…………」
「…………君に、プレゼントをしたかった……。早くあのネックレスや新しい何かを渡して、喜ぶ顔を見たかったんだ……」
だから急いで、勝負に出た……。今までの、わたしの行動が……。また買いたくなるように、振舞っていたことが……。仇に、なった……。
「俺の手持ちは、0……。3千万ルピスなんて、天地がひっくり返っても返せなくって……。やって、しまった…………」
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控えめな幼馴染の皮をかぶっている余裕なんてない。この日常を失わないように、おじ様の部屋がある方向を指さした。
「俺もそう頼んで、父さんはアイツの――キリルのもとに、行っていたんだ。でも……。その要望は、撥ね付けられた。駄目だと即答されたらしいんだ……」
「………………」
そういえば使用人が、4時間前に出掛けて1時間前に帰って――と言っていた。あれは再説得じゃなくて、懇願に行っていた……。
「やつは、エマの件でまだ怒っていて……。厄介な相手で、手を出せないから……。俺は返済の日が来たら、約束に従って……。俺が所有する土地を全部、手放さないといけなくなったんだよ……」
「………………」
彼は正規のルートではなく、一癖も二癖もある人間からお金を借りていた……。
借りる前のこの人は、自信があったから……。滅茶苦茶な条件を呑んでいた……。
「……そして、ね……。…………………………本当にごめんよ、リナス……」
「ごっ、ごめんじゃ分からないわよっ。ちゃんと言葉にして!」
ケヴィンが言おうとしている内容は、薄々察している。
でも!!
そうじゃないと自分に言い聞かせて、彼を見つめる。
((違う、わよね? わたしの考えすぎよね?))
だって、こんなのでも、血の繋がった家族なんだもの。普段は厳しいだけで、そんなことは――
「クソジジイからの命令で、父さんは当主の座を剥奪……。俺は廃嫡となって、親子揃って『家』を追い出されてることになってしまったんだ……」
――そんなことは、あった……。
彼はわたしが想像していた台詞をそのまま口にして、力なく天井を仰いだのだった。
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