お姉様、今度は貴方の恋人をもらいますわ。何でも奪っていく妹はそう言っていますが、その方は私の恋人ではありませんよ?

柚木ゆず

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第4話 接触開始 ニネット視点(2)

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「お前は……。あの女の――」
「はい、アンジェリーヌの妹ニネットと申します。……エドモン・ダーファルズ様。こうしてお言葉を交わすことができて、光栄でございます」

 わたくしとエドモン様は、面識がほぼない。そこでまずは丁寧に挨拶を行い、わたくしの武器の一つ・『上品なスマイル』を作る。
 美しさと可愛らしさを兼ね備えた、完璧な微笑み。こんな素晴らしい『芸術品』を嫌いな男性なんて、この世に居ませんわ。

「『光栄』、か。お前はなかなかに、見る目がある人間のようだ」
「そんな……っ。当然のことでございますわ。エドモン・ダーファルズ様は、こんなにも素敵な御方なのですから」

 実際、そうなんですものね。わたくしは心からこの方を称え、そうしながら、さり気なく――。胸を寄せて、谷間を強調させる。
 お姉様からの情報によると、この方はバストなどに興味がおありな方。性欲が少々、強めな方だそうですの。

((他の男だったら、そんな輩は嫌だけれど――。エドモン様は別。エドモン様の場合は、そこが長所になってしまうのよね))

 エドモン様は野性味あふれる方で、そういった性質がよく似合う。今みたいにじっくりと見られることも、大歓迎なのですわ。

「そうか、そうか……っ。ニネット、お前を気に入った。あちらで話しをしようじゃないか」
「はぃ……っ。実はわたくし、エドモン様とお話をしたかったのです……っ。ありがとう、ございます……っ」

 そうしてわたくしは早くもお喋りをする機会を得て、まずは改めて自己紹介。それぞれの名前や趣味などを伝えあって、理解を深めていく。
 そうしてわたくしをドンドンと知っていただいて、もちろん。エドモン様が『お好きな事』を行うのも、忘れない。

「エドモン様。もう少し近くでお話させてくださいまし」

 さり気なく近づいて、自慢の武器の一つ・胸を腕に当ててみたり、

((エドモン様は、もっと欲しがられてますわね。でしたら))「ぁっ」

 よろけたお芝居をして抱き付き、もっと強めに胸を押し当てたり。全ての武器を出し惜しみなく使って、攻めてゆく。


 ――胸や体を使うのは、色仕掛けは下品?――


 それは、持たないものの僻み。使えないものの嫉妬ですわ。
 かつて生意気にも、『よくないよ』と注意をしてきたお姉様。そんな『持たない人』を嘲笑い、わたくしはその後もこういった形でアピールを続けて――。


 そうなったのは間違いなく、相手がわたくしだったから、ですわ。


「ニネット、大事な話がある。中庭について来てくれ」

 接触を始めて僅か2時間程度、パーティーが終盤に差し掛かった頃。エドモン様から熱い視線をいただいて、わたくし達は人気(ひとけ)がない場所へと移動したのでした。

 うふふふふふっ。
 このお誘いは、もしかしなくても――

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