お姉様、今度は貴方の恋人をもらいますわ。何でも奪っていく妹はそう言っていますが、その方は私の恋人ではありませんよ?

柚木ゆず

文字の大きさ
14 / 38

第7話 絶対に嫌!~面の皮が厚い妹と、生まれる火種~ ニネット視点(1)

しおりを挟む
「交際を認めない!? 明後日解消してくる!? 冗談じゃありませんわ!!」

 馬車を一番先に降りて一度も振り返らずに自室に戻ったわたくしは、ベッドに何度も何度もピローを叩きつけていた。
 お父様とお母様は、何を言っても無駄! いくら正気だと訴えても、『正しく見えていないんだよ』の一点張り……!
 おかしいのは、自分達の方なのに……っ。わたくしの意思を無視して、エドモン様とのご縁を勝手に絶つつもりなんですの……!!

「おまけに……っ。おまけに……!!」

『すまないな、ニネット。お前の気が変わり、お前が別れたがっているということにさせてもらうよ』
『これはね、わたし達が楽をするためじゃないのよ? アンジェリーヌの時がそうだったように、エドモン様はハッキリと拒否をすると興味を失くされてしまう方でしょう? そこを、利用させてもらうの。貴方をしっかりと、解放するためのものなのよ』

 エドモン様の中から『わたくし』を消すために、こんな酷い捏造をすると言ってますの……!
 最悪! 最低ですわ……!!

「こんなの滅茶苦茶! 認められるはずありませんわ……!!」

 でも……っ。2人はわたくしがエドモン様に会えないように、行動を監視すると言っていて……。直接会って助けを求めることは、できない……!
 だから手紙を書いて、助けていただきたいけれど……。あの様子なら、手紙を出そうとしたら中身をチェックされてしまうから……。それも、できない……っ。

侍女メアリーもマークされていて、内緒で頼めないし……。っっ。どうすればいいんですの……!?」

 折角お姉様から奪って、両想いになっているのに。こんなことになるなんて。
 嫌! 絶対に嫌……!! なんとかして、エドモン様にお伝えしないと――

「アンジェリーヌ!! なにを呑気に本を読んでいるの!! そんな時間があるならわたしの肩や足を揉みなさい!!」
「それが終わったら、次はこっちだ!! 早くしろ!!」

 ――ああもう……!! お父様とお母様が八つ当たりしていて、その声がうるさい!!

「なにが『我々にとっても悲しく苦しいこと』ですの……!! 勝手に勘違いをして勝手にわたくしのために動くと言い出して……! 勝手にショックを受けて、バカみたい……!! 今日に限っては・・・・・・、お姉様を怒鳴る資格はない――…………」

 お姉様。
 そうだっ、お姉様ですわ!!

「ふふふふふ。良い策が、見つかりましたわ」

 素敵なものに気付いたわたくしは、怒ることをストップ。大急ぎでデスク向かって助けを求めるお手紙を作成し、

「お姉様。お願いがありますの」

 その日の深夜――。お父様とお母様が寝静まったタイミングを見計らって、アンジェリーヌお姉様の部屋を訪ねたのでした。

しおりを挟む
感想 330

あなたにおすすめの小説

妹が私の婚約者を奪った癖に、返したいと言ってきたので断った

ルイス
恋愛
伯爵令嬢のファラ・イグリオは19歳の誕生日に侯爵との婚約が決定した。 昔からひたむきに続けていた貴族令嬢としての努力が報われた感じだ。 しかし突然、妹のシェリーによって奪われてしまう。 両親もシェリーを優先する始末で、ファラの婚約は解消されてしまった。 「お前はお姉さんなのだから、我慢できるだろう? お前なら他にも良い相手がきっと見つかるさ」 父親からの無常な一言にファラは愕然としてしまう。彼女は幼少の頃から自分の願いが聞き届けられた ことなど1つもなかった。努力はきっと報われる……そう信じて頑張って来たが、今回の件で心が折れそうになっていた。 だが、ファラの努力を知っていた幼馴染の公爵令息に助けられることになる。妹のシェリーは侯爵との婚約が思っていたのと違うということで、返したいと言って来るが……はあ? もう遅いわよ。

妹のために犠牲になることを姉だから仕方ないで片付けないでください。

木山楽斗
恋愛
妹のリオーラは、幼い頃は病弱であった。両親はそんな妹を心配して、いつも甘やかしていた。 それはリオーラが健康体になってからも、続いていた。お医者様の言葉も聞かず、リオーラは病弱であると思い込んでいるのだ。 リオーラは、姉である私のことを侮っていた。 彼女は両親にわがままを言い、犠牲になるのはいつも私だった。妹はいつしか、私を苦しめることに重きを置くようになっていたのだ。 ある時私は、妹のわがままによって舞踏会に無理な日程で参加することになった。 そこで私は、クロード殿下と出会う。彼との出会いは、私の現状を変えていくことになるのだった。

永遠の誓いをあなたに ~何でも欲しがる妹がすべてを失ってからわたしが溺愛されるまで~

畔本グラヤノン
恋愛
両親に愛される妹エイミィと愛されない姉ジェシカ。ジェシカはひょんなことで公爵令息のオーウェンと知り合い、周囲から婚約を噂されるようになる。ある日ジェシカはオーウェンに王族の出席する式典に招待されるが、ジェシカの代わりに式典に出ることを目論んだエイミィは邪魔なジェシカを消そうと考えるのだった。

【完結】私の婚約者の、自称健康な幼なじみ。

❄️冬は つとめて
恋愛
「ルミナス、すまない。カノンが…… 」 「大丈夫ですの? カノン様は。」 「本当にすまない。ルミナス。」 ルミナスの婚約者のオスカー伯爵令息は、何時ものようにすまなそうな顔をして彼女に謝った。 「お兄様、ゴホッゴホッ! ルミナス様、ゴホッ! さあ、遊園地に行きましょ、ゴボッ!! 」 カノンは血を吐いた。

【完結】いつも私をバカにしてくる彼女が恋をしたようです。〜お相手は私の旦那様のようですが間違いはございませんでしょうか?〜

珊瑚
恋愛
「ねぇセシル。私、好きな人が出来たの。」 「……え?」 幼い頃から何かにつけてセシリアを馬鹿にしていたモニカ。そんな彼女が一目惚れをしたようだ。 うっとりと相手について語るモニカ。 でもちょっと待って、それって私の旦那様じゃない……? ざまぁというか、微ざまぁくらいかもしれないです

婚約者を取り替えて欲しいと妹に言われました

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
ポーレット伯爵家の一人娘レティシア。レティシアの母が亡くなってすぐに父は後妻と娘ヘザーを屋敷に迎え入れた。 将来伯爵家を継ぐことになっているレティシアに、縁談が持ち上がる。相手は伯爵家の次男ジョナス。美しい青年ジョナスは顔合わせの日にヘザーを見て顔を赤くする。 レティシアとジョナスの縁談は一旦まとまったが、男爵との縁談を嫌がったヘザーのため義母が婚約者の交換を提案する……。

双子の妹は私に面倒事だけを押し付けて婚約者と会っていた

今川幸乃
恋愛
レーナとシェリーは瓜二つの双子。 二人は入れ替わっても周囲に気づかれないぐらいにそっくりだった。 それを利用してシェリーは学問の手習いなど面倒事があると「外せない用事がある」とレーナに入れ替わっては面倒事を押し付けていた。 しぶしぶそれを受け入れていたレーナだが、ある時婚約者のテッドと話していると会話がかみ合わないことに気づく。 調べてみるとどうもシェリーがレーナに成りすましてテッドと会っているようで、テッドもそれに気づいていないようだった。

婚約者を奪われた私が悪者扱いされたので、これから何が起きても知りません

天宮有
恋愛
子爵令嬢の私カルラは、妹のミーファに婚約者ザノークを奪われてしまう。 ミーファは全てカルラが悪いと言い出し、束縛侯爵で有名なリックと婚約させたいようだ。 屋敷を追い出されそうになって、私がいなければ領地が大変なことになると説明する。 家族は信じようとしないから――これから何が起きても、私は知りません。

処理中です...