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第11話 もう一つのカリキュラム ジュリア視点(1)
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「てぃ、ティアゴ様……。これは、いったい……?」
午後7時過ぎ、ディナーの時間。完治しているためわたしは食堂にいて、そんなわたしは唖然となって目の前にあるテーブルを凝視していた。
パンとカボチャのスープ、シーザーサラダや白身魚のムニエル。これは、いいの。わたしを唖然とさせているのは、その隣にある――
どす黒い球体。
美しいデザート皿に載った、この禍々しい塊はなんなの!?
「これは僕が調合した材料で作った『団子』というものでして、食べ物でありお薬でもあるもの。毒素を出しつつ活性化させる――要するに身体から悪い物を出して、元気になるお手伝いをしてくれるものなのですよ」
どう見ても、死に至らしめる呪いの飲み物だけど……。この方がそう仰るのなら無害なもの。
とりあえずは、一安心ね。とりあえず、は……。
「『お姉様に健康を維持していただく』――エマ様の想いを知ったら、じっとしていられなくなりましてね。僕も本日より、微力ながらお手伝いをさせていただきます」
「お姉様。ティアゴ様は、様々なアイディアを出してくださったのですよ。再び、西洋東洋の融合が実現したのですっ」
「そ、そうだったのね。あ、ありがとう、ございます」
西洋と東洋の融合。わたしにとっては最悪な組み合わせで、おもわず泣きそうになってくる。
でもそうなると不自然だから、我慢。涙の代わりに笑顔を返し、ティアゴ様特製デザート? へと視線を移す。
「こちらは。普通に食せば、よろしいのでしょうか?」
「ええ。1日3回、食事の際に一緒に食べていただくだけで効果がありますよ」
……ティアゴ様。『だけ』? これを、食べるだけって……。簡単に仰りますが……。
「こ、この色を口にするのは、勇気がいりますわね……。ち、ちなみに、どんな材料が使用されているのでしょうか?」
「………………」
「てぃ、ティアゴ様? ティアゴ様?」
どっ、どうして黙ったままなんですか!?
もっ、もしかして……。言えないものが入っているの!?
午後7時過ぎ、ディナーの時間。完治しているためわたしは食堂にいて、そんなわたしは唖然となって目の前にあるテーブルを凝視していた。
パンとカボチャのスープ、シーザーサラダや白身魚のムニエル。これは、いいの。わたしを唖然とさせているのは、その隣にある――
どす黒い球体。
美しいデザート皿に載った、この禍々しい塊はなんなの!?
「これは僕が調合した材料で作った『団子』というものでして、食べ物でありお薬でもあるもの。毒素を出しつつ活性化させる――要するに身体から悪い物を出して、元気になるお手伝いをしてくれるものなのですよ」
どう見ても、死に至らしめる呪いの飲み物だけど……。この方がそう仰るのなら無害なもの。
とりあえずは、一安心ね。とりあえず、は……。
「『お姉様に健康を維持していただく』――エマ様の想いを知ったら、じっとしていられなくなりましてね。僕も本日より、微力ながらお手伝いをさせていただきます」
「お姉様。ティアゴ様は、様々なアイディアを出してくださったのですよ。再び、西洋東洋の融合が実現したのですっ」
「そ、そうだったのね。あ、ありがとう、ございます」
西洋と東洋の融合。わたしにとっては最悪な組み合わせで、おもわず泣きそうになってくる。
でもそうなると不自然だから、我慢。涙の代わりに笑顔を返し、ティアゴ様特製デザート? へと視線を移す。
「こちらは。普通に食せば、よろしいのでしょうか?」
「ええ。1日3回、食事の際に一緒に食べていただくだけで効果がありますよ」
……ティアゴ様。『だけ』? これを、食べるだけって……。簡単に仰りますが……。
「こ、この色を口にするのは、勇気がいりますわね……。ち、ちなみに、どんな材料が使用されているのでしょうか?」
「………………」
「てぃ、ティアゴ様? ティアゴ様?」
どっ、どうして黙ったままなんですか!?
もっ、もしかして……。言えないものが入っているの!?
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