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第3話 想いと想い アマンディーヌ視点
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「僕にとって君は初めて出逢った綺麗な心の持ち主で、あっという間に惹かれるようになった。唯一無二の存在になった。しかもそんな人が、ありがたいことに僕に興味を持ってくれもしたんだ。より気力が湧いて、あの日から必死に走り続けて――ちゃんと、目標を達成したんだよ」
外では話せない内容だし、なにより立ちっぱなしにさせるわけにはいかないからね――。そんな理由で馬車に案内していただき、車内でこれまでのことを教えていただきました。
『我を通すことで「家」が得られるメリットを提示、実現してみせなさい』
平民と交際や結婚したいのならば、他貴族の令嬢とのソレに勝るとも劣らない『プラス』を示し形にしてみなさい。
それが、ナツマトルズ伯爵家当主様――ジェレミー様のお父様から出されたもの。そちらに対してジェレミー様は『目標を叶えるために必死になれて、それによって色々な役立つものが生まれる』、『その一環として商会内に新たな部署を設立し、軌道に乗せて新たな戦力としてみせる』を提示されたそうです。
そちらの実現に向けて、日々努力を重ね――プライベートまでもを犠牲にしてアイディアを練ったりパイプ作りに励んだり新たな資格を取ったりして、なんと『薬』の輸入輸出を行い、更には開発までも行う部署を作ってしまわれていました。
「『絶対に必要』かつ『流行などに左右されない』ものとなると、やっぱり『薬』『薬品』が一番強い。元々勉強は得意だったから薬学に強い国に留学をして薬に関する資格を取って、同時進行で取引先を探す。そこまでは順調だったけど立ち上げたばかりだとなかなか安定化の目途が立たなくて、先日ようやく――本当にギリギリのタイミングで目途が立って、ようやく父上の同意を得られたんだ」
「……すごい、です……」
自然と、そんな言葉が漏れました。
たった6年の間に資格を取り、新たな商売を作ってしまえるだなんて。
ジェレミー様は「商会という基盤があったおかげだよ」「最初から信頼があるのはかなり大きい」「ズルだったね」と謙遜されていますが――。そんなことはありません。内容も期間も、あまりにも大きなことです。
「はは、否定してくれてありがとう。とにかく約束は守れて、だから迎えに来たんだ」
小指を――あの日交わした薬指を顔の前で立てたあと、車内の床に片膝をつかれました。
「ようやく、お互い自由に過ごせるようになった。これからは一緒に歩んでいきましょう」
「はいっ。よろしくお願いたしますっ!」
あの時は小指と小指ですが、今日は違います。ちゃんと手と手を重ね、わたしは――もうこんな日は訪れないと思い込んでいたわたしは、嬉し涙を零しながら微笑みを浮かべたのでした。
そうして、わたし達の運命は再び動き出して――
外では話せない内容だし、なにより立ちっぱなしにさせるわけにはいかないからね――。そんな理由で馬車に案内していただき、車内でこれまでのことを教えていただきました。
『我を通すことで「家」が得られるメリットを提示、実現してみせなさい』
平民と交際や結婚したいのならば、他貴族の令嬢とのソレに勝るとも劣らない『プラス』を示し形にしてみなさい。
それが、ナツマトルズ伯爵家当主様――ジェレミー様のお父様から出されたもの。そちらに対してジェレミー様は『目標を叶えるために必死になれて、それによって色々な役立つものが生まれる』、『その一環として商会内に新たな部署を設立し、軌道に乗せて新たな戦力としてみせる』を提示されたそうです。
そちらの実現に向けて、日々努力を重ね――プライベートまでもを犠牲にしてアイディアを練ったりパイプ作りに励んだり新たな資格を取ったりして、なんと『薬』の輸入輸出を行い、更には開発までも行う部署を作ってしまわれていました。
「『絶対に必要』かつ『流行などに左右されない』ものとなると、やっぱり『薬』『薬品』が一番強い。元々勉強は得意だったから薬学に強い国に留学をして薬に関する資格を取って、同時進行で取引先を探す。そこまでは順調だったけど立ち上げたばかりだとなかなか安定化の目途が立たなくて、先日ようやく――本当にギリギリのタイミングで目途が立って、ようやく父上の同意を得られたんだ」
「……すごい、です……」
自然と、そんな言葉が漏れました。
たった6年の間に資格を取り、新たな商売を作ってしまえるだなんて。
ジェレミー様は「商会という基盤があったおかげだよ」「最初から信頼があるのはかなり大きい」「ズルだったね」と謙遜されていますが――。そんなことはありません。内容も期間も、あまりにも大きなことです。
「はは、否定してくれてありがとう。とにかく約束は守れて、だから迎えに来たんだ」
小指を――あの日交わした薬指を顔の前で立てたあと、車内の床に片膝をつかれました。
「ようやく、お互い自由に過ごせるようになった。これからは一緒に歩んでいきましょう」
「はいっ。よろしくお願いたしますっ!」
あの時は小指と小指ですが、今日は違います。ちゃんと手と手を重ね、わたしは――もうこんな日は訪れないと思い込んでいたわたしは、嬉し涙を零しながら微笑みを浮かべたのでした。
そうして、わたし達の運命は再び動き出して――
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