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第5話 悪女の行方は ロズリーヌ視点(3)
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「トマ先生のところの、ロズリーヌちゃん。ロズリーヌちゃん先生。背の高さも声も全然違うけれど、あたしにはそうとしか思えないんですよ」
万が一の事態を避けるべく、被り物や眼鏡で顔を隠しているわたし。顔が見えていない上に、あらゆる部分がタチアナさんなわたし。
アンナさんご自身も戸惑いながら、わたしの手を掴みました。
「苦しんでいる時の声のかけ方とか、雰囲気とか。あれはあたしがよく知っているソレだった。ロズリーヌちゃん先生がしてくれたものだった。そう、なのよね……? ロズリーヌちゃん先生、なんですよね……?」
「…………は、はい。そうです。ロズリーヌです」
「やっぱりそうだった! ど、どうなっているんです……? まるで別人みたいになってしまって……」
(そうなんです。この身体は、別の人の身体なんです)
今はわたし=ロズリーヌだと知ってくれている方が増えたら、もしもの時に良い影響をもたしてくれるかもしれない。
そんな思いで、かなりの早口で事情の説明をさせていただきました。
(急に小声になったのは、この身体が隣国の罪人のものだからだったのです。今はこの街のどこかにいる、この身体の持ち主を探しているんです)
(そ、そうだったんですね……。……そういうことなら……)
(? アンナさん?)(???)
(ふふ、ようやく恩返しができますよ)
傍にきてくてくださったオディロン様と共に首を傾げていると――息子様を呼んで耳打ちをして、そうすると息子様はオディロン様が持っていた自画像を貸してほしいと仰り、お渡しするや大急ぎでどこかへと走っていってしまわれました。
(?? どうされたのでしょうか……?)
(この絵にそっくりな姿をした人が居たと思ったら、すぐに報告して欲しい。この街にいる知り合い全員に、伝えにいってもらったんですよ)
昔からのご友人から最近のご友人まで、合わせて100名以上。そんなにも沢山の方々に、協力の要請を行ってくださっていました……!
(81年も生きていると、自然と顔が広くなっていくんですよ。いくら広いといえど、この数で動いたら手掛かりくらいは見つかりますよ)
(はいっ、はい……っ! ありがとうございます……!!)
(ロズリーヌちゃん先生が優しい人だから、そうしたくなるんですよ。そんなふざけた女の思い通りにはさせない。私も全力で援護射撃をしますよ!)
(感謝いたします!!)
(わたくしもロズリーヌ様をお救いしたいと、強く思っておりました。ご協力感謝いたします!)
こんなことって、あるんですね。
ひょんなことから味方が沢山増えることになり、わたし達は自然と笑みを浮かべながら、聞き込み調査を始めたのでした。
万が一の事態を避けるべく、被り物や眼鏡で顔を隠しているわたし。顔が見えていない上に、あらゆる部分がタチアナさんなわたし。
アンナさんご自身も戸惑いながら、わたしの手を掴みました。
「苦しんでいる時の声のかけ方とか、雰囲気とか。あれはあたしがよく知っているソレだった。ロズリーヌちゃん先生がしてくれたものだった。そう、なのよね……? ロズリーヌちゃん先生、なんですよね……?」
「…………は、はい。そうです。ロズリーヌです」
「やっぱりそうだった! ど、どうなっているんです……? まるで別人みたいになってしまって……」
(そうなんです。この身体は、別の人の身体なんです)
今はわたし=ロズリーヌだと知ってくれている方が増えたら、もしもの時に良い影響をもたしてくれるかもしれない。
そんな思いで、かなりの早口で事情の説明をさせていただきました。
(急に小声になったのは、この身体が隣国の罪人のものだからだったのです。今はこの街のどこかにいる、この身体の持ち主を探しているんです)
(そ、そうだったんですね……。……そういうことなら……)
(? アンナさん?)(???)
(ふふ、ようやく恩返しができますよ)
傍にきてくてくださったオディロン様と共に首を傾げていると――息子様を呼んで耳打ちをして、そうすると息子様はオディロン様が持っていた自画像を貸してほしいと仰り、お渡しするや大急ぎでどこかへと走っていってしまわれました。
(?? どうされたのでしょうか……?)
(この絵にそっくりな姿をした人が居たと思ったら、すぐに報告して欲しい。この街にいる知り合い全員に、伝えにいってもらったんですよ)
昔からのご友人から最近のご友人まで、合わせて100名以上。そんなにも沢山の方々に、協力の要請を行ってくださっていました……!
(81年も生きていると、自然と顔が広くなっていくんですよ。いくら広いといえど、この数で動いたら手掛かりくらいは見つかりますよ)
(はいっ、はい……っ! ありがとうございます……!!)
(ロズリーヌちゃん先生が優しい人だから、そうしたくなるんですよ。そんなふざけた女の思い通りにはさせない。私も全力で援護射撃をしますよ!)
(感謝いたします!!)
(わたくしもロズリーヌ様をお救いしたいと、強く思っておりました。ご協力感謝いたします!)
こんなことって、あるんですね。
ひょんなことから味方が沢山増えることになり、わたし達は自然と笑みを浮かべながら、聞き込み調査を始めたのでした。
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