断罪寸前の悪役令嬢になってしまいました

「タチアナ、早く歩け」
「……え? わっ、わたしはタチアナではありません!」

 わたしロズリーヌは気が付くと、タチアナ・ルレーラという名の女性になっていました。
 その方は隣国の侯爵令嬢であり、罪人。複数の罪を犯した罰として、まもなく断罪が始まろうとしていたのです。

 ――このままだとわたしが代わりに処刑されてしまう――。

 幸いにも近くに居た方・侯爵令息オディロン様は別人だと信じてくださりましたが、明確な証拠がないと処刑は回避できないそうです。
 オディロン様の機転のおかげで、1週間の猶予ができました。その間に、なんとしてもタチアナさんを見つけないと――。


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