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プロローグ
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((ハツルエ子爵家の一人娘、ソフィー18歳っ。なんと今日は、変装をして隣街のオープンカフェに来ていますっ!))
太陽から降り注ぐ柔らかな光と穏やかな風が心地よい、春の日の正午過ぎ。白を基調としたお洒落なテーブルで、私はとにかくはしゃいでしまっていました。
私には8年前から文通をしているペンフレンドがいて、今日は初めてその人と会う日。だから姿勢をピンと正している姿とは裏腹に、心の中ではドキドキソワソワ。内側ではせわしなく歩き回っていて、非常に舞い上がっているのです。
((『ハトの知人』さん……っ。どんな人なんだろ……?))
手紙はどこからか飛んでくる白い鳩さんが運んできてくれて、その子に私が書いた手紙を託して届けてもらう。そういったやり取りなため、本名も年齢も容姿も知らない。
知っている、分かっているのは、一人称が『わたし』な女の子ということと、字がすごく綺麗なことと、優しさと温かさに溢れていること。そして、命の恩人だということ。
私が初めて手紙を受け取ったのは、10歳の頃――重めの病気にかかってしまって、病院にいた頃。5~6か月間の、入院が決まってしまった頃で……。
あの時は毎日届く手紙が唯一の楽しみであり、『このまま死んじゃうのかも』と不安で圧し潰されそうになっていた私の支えだった。
《初めまして、わたしは「ハトの知人」と申します。お空を飛んでいると窓の向こうにいる貴方が偶然見えたため、こうしてお手紙を書かせていただきました》
《実はわたしも大病を患った経験があって、ソフィーさんのお気持ちは分かります。……ソフィーさん、安心してください。お医者様は、嘘は吐きません。半年後には必ず、お外で遊べるようになりますよ》
こんなお手紙があったから――。『ハトの知人』さんがいてくれたから――。私は前向きになれて、明るい気持ちとプラス思考が働いてくれたのだと思う。半月ほど早く退院することができて、その後は半年間の自宅療養が必要だったものの、すっかり日常生活を送れるようになっています。
((……振り返っていたら、ますます会いたくなってきちゃった。…………もうすぐ、約束の時間になる。そろそろ、来てくれるのかな?))
挙動不審にならない程度に、キョロキョロ。今座っているのは『ハトの知人』さんが予約してくれた席なので、ここに向かっている人を探して――あれ? 探していたら、すごく見覚えのある人が後ろの席に座った。
((この男の人…………帽子をかぶって眼鏡をかけてるけど、間違いない。エドゥアルさんだ……っ))
伯爵家の嫡男、エドゥアル・ライン。獅子のようにキリッとした顔とツンツン髪が特徴の彼は、私の婚約者さん。去年のパーティーで声をかけられて親しくなって、6か月前に婚約を申しまれて今の関係になった、世界で一番好きな男性なんですっ(ちなみに女性の一番は、もちろん『ハトの知人』さん)。
((お互いの家から離れたところで見つけるだなんて、ラッキー。折角だし、声をかけてみようかな))
変装は周りの人に貴族だとバレないためで、エドゥアルさんも貴族だから問題なし。『ハトの知人』さんが来る気配は、まだない。
なので、急いで立ち上がり――立ち上がりかけた私はその直後に固まり、唖然とする羽目になりました。
なぜなら……。なぜなら……っ。
「お待たせ、エドゥ。久しぶりのデート、楽しみましょうね」
同じ子爵家の長女である、カーラ・オグタルが……。同じく変装をした12年来の私の親友が、やって来たからです。
太陽から降り注ぐ柔らかな光と穏やかな風が心地よい、春の日の正午過ぎ。白を基調としたお洒落なテーブルで、私はとにかくはしゃいでしまっていました。
私には8年前から文通をしているペンフレンドがいて、今日は初めてその人と会う日。だから姿勢をピンと正している姿とは裏腹に、心の中ではドキドキソワソワ。内側ではせわしなく歩き回っていて、非常に舞い上がっているのです。
((『ハトの知人』さん……っ。どんな人なんだろ……?))
手紙はどこからか飛んでくる白い鳩さんが運んできてくれて、その子に私が書いた手紙を託して届けてもらう。そういったやり取りなため、本名も年齢も容姿も知らない。
知っている、分かっているのは、一人称が『わたし』な女の子ということと、字がすごく綺麗なことと、優しさと温かさに溢れていること。そして、命の恩人だということ。
私が初めて手紙を受け取ったのは、10歳の頃――重めの病気にかかってしまって、病院にいた頃。5~6か月間の、入院が決まってしまった頃で……。
あの時は毎日届く手紙が唯一の楽しみであり、『このまま死んじゃうのかも』と不安で圧し潰されそうになっていた私の支えだった。
《初めまして、わたしは「ハトの知人」と申します。お空を飛んでいると窓の向こうにいる貴方が偶然見えたため、こうしてお手紙を書かせていただきました》
《実はわたしも大病を患った経験があって、ソフィーさんのお気持ちは分かります。……ソフィーさん、安心してください。お医者様は、嘘は吐きません。半年後には必ず、お外で遊べるようになりますよ》
こんなお手紙があったから――。『ハトの知人』さんがいてくれたから――。私は前向きになれて、明るい気持ちとプラス思考が働いてくれたのだと思う。半月ほど早く退院することができて、その後は半年間の自宅療養が必要だったものの、すっかり日常生活を送れるようになっています。
((……振り返っていたら、ますます会いたくなってきちゃった。…………もうすぐ、約束の時間になる。そろそろ、来てくれるのかな?))
挙動不審にならない程度に、キョロキョロ。今座っているのは『ハトの知人』さんが予約してくれた席なので、ここに向かっている人を探して――あれ? 探していたら、すごく見覚えのある人が後ろの席に座った。
((この男の人…………帽子をかぶって眼鏡をかけてるけど、間違いない。エドゥアルさんだ……っ))
伯爵家の嫡男、エドゥアル・ライン。獅子のようにキリッとした顔とツンツン髪が特徴の彼は、私の婚約者さん。去年のパーティーで声をかけられて親しくなって、6か月前に婚約を申しまれて今の関係になった、世界で一番好きな男性なんですっ(ちなみに女性の一番は、もちろん『ハトの知人』さん)。
((お互いの家から離れたところで見つけるだなんて、ラッキー。折角だし、声をかけてみようかな))
変装は周りの人に貴族だとバレないためで、エドゥアルさんも貴族だから問題なし。『ハトの知人』さんが来る気配は、まだない。
なので、急いで立ち上がり――立ち上がりかけた私はその直後に固まり、唖然とする羽目になりました。
なぜなら……。なぜなら……っ。
「お待たせ、エドゥ。久しぶりのデート、楽しみましょうね」
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