9 / 72
第2話 2日後 証拠その1を得るための接触と、小さなお返しと大きなお返し(1)
しおりを挟む
「エドゥアルさん、ようこそ。今日は、何を食べたいですか?」
「ソフィーが作ってくれる料理ならなんでもいいけど、そうだな……。こないだ食べた、ガーリックライスステーキ載せが美味しかった。それ、作れる?」
「できますよ。これから調理しますね」
真実を知りマリユ様と出会った日から、2日後。正午前に彼がやって来て、私はダイニングスペースに案内した後キッチンに立った。
私は『ハトの知人』さんに感化されてお料理が趣味になっていて、この時間に来た時はお手製のランチを振舞うのが定番。こんな人にご飯を作りたくはないけど、怪しまれないために腕を振るいます!
「まずは、お肉をカットして……。塩コショウなどのスパイスを振って……。フライパンを温めて……」
準備が出来たらまずは牛ヒレ肉を焼いて、この人はレアが好きなので早めに火から上げる。そうして余熱で火を通している間に、牛の脂がたっぷりこぼれたフライパンにニンニクのスライス、熱々のご飯の順に投入。ライスにニンニクと牛脂の風味を纏わせたら塩コショウで味を調え、
((ここに……))
今日はエドゥアルのために一手間加えて、出来上がり。その名の通りガーリックライスの上にカットしたステーキを載せた一品が完成し、私達はテーブルに向かい合って座った。
「ありがとう、ソフィー。いただきます」
「どういたしまして。いただきます」
よくよく考えてみたら、彼はウチで食べる時は値が張るものばかり望んでいた――。ずっと私を、無償で提供する便利なシェフ、と思ってたんだろうな――。どうして気付かなかったんだろ――。
「美味しい……っ。ソフィーは、相変わらず料理上手だ。プロの料理人より上手いよ」
「えへへ、そうですか? ありがとうございます」
この言葉も嘘で、心の中ではきっと嗤ってる――。照れてた私をバカにし続けててたんだ――。こんなの、酷い――。
色々な感情が浮かんできて、また悔しくなってきちゃう。だけどマリユ様のおかげで大きな反撃ができるようになっているし、
「ごぶっ!? 辛っ!?」
実はステーキの1カットにはスパイスをこれでもかと振りかけていて、彼は鼻水を噴き出して涙目になった。
「ぁがぁぁ……!? から……っ! から……っっ!? からぁ……っっっ!?」
我ながらこういうのは陰湿だとは思うけど、相手はワンちゃんの唾液を食べさせた人なんだもん。それに『このあと』のためにも、こういった行為は必要だった。なのでまずは小さなお返しをさせてもらい、
「ご、ごめんなさい。実は瓶の蓋が開いて、中身が全部出てまして……。私のものと交換しようと思いましたが、そちらの肉質がより良かったので……。取り除くことにしたのですが、残っていたみたいです」
「い、いや、気にひないでくれ。ご、ご馳走様」
彼の唇が腫れた我慢のランチは、ようやくお仕舞い。お茶を飲んで暫くリラックスしたら2階にある私のお部屋に移動して、いよいよスタート。いつも通りの雑談の皮をかぶった、証拠確保作戦が始まります……!
「ソフィーが作ってくれる料理ならなんでもいいけど、そうだな……。こないだ食べた、ガーリックライスステーキ載せが美味しかった。それ、作れる?」
「できますよ。これから調理しますね」
真実を知りマリユ様と出会った日から、2日後。正午前に彼がやって来て、私はダイニングスペースに案内した後キッチンに立った。
私は『ハトの知人』さんに感化されてお料理が趣味になっていて、この時間に来た時はお手製のランチを振舞うのが定番。こんな人にご飯を作りたくはないけど、怪しまれないために腕を振るいます!
「まずは、お肉をカットして……。塩コショウなどのスパイスを振って……。フライパンを温めて……」
準備が出来たらまずは牛ヒレ肉を焼いて、この人はレアが好きなので早めに火から上げる。そうして余熱で火を通している間に、牛の脂がたっぷりこぼれたフライパンにニンニクのスライス、熱々のご飯の順に投入。ライスにニンニクと牛脂の風味を纏わせたら塩コショウで味を調え、
((ここに……))
今日はエドゥアルのために一手間加えて、出来上がり。その名の通りガーリックライスの上にカットしたステーキを載せた一品が完成し、私達はテーブルに向かい合って座った。
「ありがとう、ソフィー。いただきます」
「どういたしまして。いただきます」
よくよく考えてみたら、彼はウチで食べる時は値が張るものばかり望んでいた――。ずっと私を、無償で提供する便利なシェフ、と思ってたんだろうな――。どうして気付かなかったんだろ――。
「美味しい……っ。ソフィーは、相変わらず料理上手だ。プロの料理人より上手いよ」
「えへへ、そうですか? ありがとうございます」
この言葉も嘘で、心の中ではきっと嗤ってる――。照れてた私をバカにし続けててたんだ――。こんなの、酷い――。
色々な感情が浮かんできて、また悔しくなってきちゃう。だけどマリユ様のおかげで大きな反撃ができるようになっているし、
「ごぶっ!? 辛っ!?」
実はステーキの1カットにはスパイスをこれでもかと振りかけていて、彼は鼻水を噴き出して涙目になった。
「ぁがぁぁ……!? から……っ! から……っっ!? からぁ……っっっ!?」
我ながらこういうのは陰湿だとは思うけど、相手はワンちゃんの唾液を食べさせた人なんだもん。それに『このあと』のためにも、こういった行為は必要だった。なのでまずは小さなお返しをさせてもらい、
「ご、ごめんなさい。実は瓶の蓋が開いて、中身が全部出てまして……。私のものと交換しようと思いましたが、そちらの肉質がより良かったので……。取り除くことにしたのですが、残っていたみたいです」
「い、いや、気にひないでくれ。ご、ご馳走様」
彼の唇が腫れた我慢のランチは、ようやくお仕舞い。お茶を飲んで暫くリラックスしたら2階にある私のお部屋に移動して、いよいよスタート。いつも通りの雑談の皮をかぶった、証拠確保作戦が始まります……!
10
あなたにおすすめの小説
「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです
ほーみ
恋愛
「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」
その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。
──王都の学園で、私は彼と出会った。
彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。
貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
夫から「余計なことをするな」と言われたので、後は自力で頑張ってください
今川幸乃
恋愛
アスカム公爵家の跡継ぎ、ベンの元に嫁入りしたアンナは、アスカム公爵から「息子を助けてやって欲しい」と頼まれていた。幼いころから政務についての教育を受けていたアンナはベンの手が回らないことや失敗をサポートするために様々な手助けを行っていた。
しかしベンは自分が何か失敗するたびにそれをアンナのせいだと思い込み、ついに「余計なことをするな」とアンナに宣言する。
ベンは周りの人がアンナばかりを称賛することにコンプレックスを抱えており、だんだん彼女を疎ましく思ってきていた。そしてアンナと違って何もしないクラリスという令嬢を愛するようになっていく。
しかしこれまでアンナがしていたことが全部ベンに回ってくると、次第にベンは首が回らなくなってくる。
最初は「これは何かの間違えだ」と思うベンだったが、次第にアンナのありがたみに気づき始めるのだった。
一方のアンナは空いた時間を楽しんでいたが、そこである出会いをする。
融資できないなら離縁だと言われました、もちろん快諾します。
音爽(ネソウ)
恋愛
無能で没落寸前の公爵は富豪の伯爵家に目を付けた。
格下ゆえに逆らえずバカ息子と伯爵令嬢ディアヌはしぶしぶ婚姻した。
正妻なはずが離れ家を与えられ冷遇される日々。
だが伯爵家の事業失敗の噂が立ち、公爵家への融資が停止した。
「期待を裏切った、出ていけ」とディアヌは追い出される。
初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる