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第18話 13日目 裁きの時 エドゥアル視点(1)
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「…………………………? 俺は、寝ていたのか……? いつの間に、こんな硬い床で眠って――っっ!? ここはどこだ!?」
(ここは、『ヴィルテス裁判所』。わたくし達は取り囲まれ、アナタは連行途中で殴られ失神したのよ……)
隣には青ざめたカーラがおり、そんな小声を聞いてようやく思い出した。そうだ、そうだった。部屋にいたら突如やって来て、そのあと父さんにぶん殴られたんだ。
そうして俺は意識を失い、その間に連れてこられたのか……。
(ヴィルテスといえば、主に貴族間の問題を扱う裁判所だ。そんな場所の、被告用のスペースにいるということは……。まさか………………い、いやいや。それはありえない)
あの件は、露見していない。あれが理由では、ない。
(…………エドゥ……。その、まさかよ。アナタが想像している通りの、理由よ)
(ぇ。ぇ……?)
(正面にある、原告の席を見て……。そこには、誰がいる……?)
(しょ、正面?)
目覚めてすぐカーラと喋っていたせいで、そちらを見ていなかった。彼女の視線を追って、そちらへと首を巡らせてみると――
(ぁ、ぁぁ……。そ、ソフィー……)
――正装に身を包んだ、セミロングの金髪の女。ソフィー・ハツルエが居た。
「おはようございます、エドゥアルさん。今日は浮気に関するお話をするため、カーラと一緒に来ていただきました」
「うっ、浮気っ!? なにを言っているんだ!? 俺は浮気なんてしていないぞっ!!」
「そっ、そうよソフィーっ。さっきから何度も言っているけれどっ、アナタの勘違いなのっ。確かにわたくし達は今日も含め何度も会っていたけど、それはソフィーが関係する話をしていただけなのっ! 誕生日のプレゼントをどうするかとかっ! エドゥアルさんと相談をしていただけっ!」
「あ、あの日君に告げた言葉に、嘘はないっ。俺が愛しているのはカーラ・オグタルではなく、ソフィー・ハツルエ。彼女が言うように君絡みで接触していただけであって、あの頃からずっと君だけを愛しているんだっ!」
俺達は無関係のフリをして、大きく首を右と左に振る。
大丈夫、まだ大丈夫だっ。浮気の証拠なんてない。上手くやれば、誤魔化せ――
「そうですか。でしたら、マリユ様。お願いいたします」
「うん。……エドゥアル・ライン、カーラ・オグタル。言い逃れは出来ないよ。ここには、動かぬ証拠があるからね」
ソフィーの傍――弁護人が控えるスペースには……。銀髪の美男――あのジョンピス家のマリユ様がいらっしゃり、四角形の不思議な紙? を提示した。
「これはとある国で発明された、写真という光景を保存できる物。ここに何が映っているか、貴方がたに見て頂きたい」
「しゃ、写真……?」
「何が、映っているか……? そこには……………………ぁ、ぁぁ……」
そこに映っていたのは、変装した俺達の姿……!!
しかも、一つだけじゃない。手を繋いでいるところや、噴水の傍でキスをしているところまで……っ。どうやっても言い逃れできないものが、あった……。
(ここは、『ヴィルテス裁判所』。わたくし達は取り囲まれ、アナタは連行途中で殴られ失神したのよ……)
隣には青ざめたカーラがおり、そんな小声を聞いてようやく思い出した。そうだ、そうだった。部屋にいたら突如やって来て、そのあと父さんにぶん殴られたんだ。
そうして俺は意識を失い、その間に連れてこられたのか……。
(ヴィルテスといえば、主に貴族間の問題を扱う裁判所だ。そんな場所の、被告用のスペースにいるということは……。まさか………………い、いやいや。それはありえない)
あの件は、露見していない。あれが理由では、ない。
(…………エドゥ……。その、まさかよ。アナタが想像している通りの、理由よ)
(ぇ。ぇ……?)
(正面にある、原告の席を見て……。そこには、誰がいる……?)
(しょ、正面?)
目覚めてすぐカーラと喋っていたせいで、そちらを見ていなかった。彼女の視線を追って、そちらへと首を巡らせてみると――
(ぁ、ぁぁ……。そ、ソフィー……)
――正装に身を包んだ、セミロングの金髪の女。ソフィー・ハツルエが居た。
「おはようございます、エドゥアルさん。今日は浮気に関するお話をするため、カーラと一緒に来ていただきました」
「うっ、浮気っ!? なにを言っているんだ!? 俺は浮気なんてしていないぞっ!!」
「そっ、そうよソフィーっ。さっきから何度も言っているけれどっ、アナタの勘違いなのっ。確かにわたくし達は今日も含め何度も会っていたけど、それはソフィーが関係する話をしていただけなのっ! 誕生日のプレゼントをどうするかとかっ! エドゥアルさんと相談をしていただけっ!」
「あ、あの日君に告げた言葉に、嘘はないっ。俺が愛しているのはカーラ・オグタルではなく、ソフィー・ハツルエ。彼女が言うように君絡みで接触していただけであって、あの頃からずっと君だけを愛しているんだっ!」
俺達は無関係のフリをして、大きく首を右と左に振る。
大丈夫、まだ大丈夫だっ。浮気の証拠なんてない。上手くやれば、誤魔化せ――
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