61 / 72
第19話 解決の後に、伝えたい言葉
しおりを挟む
「ソフィーさん。お疲れ様でした」
閉廷後。裁判所内の廊下で、おじさん、おばさん、おじ様、おば様――カーラとエドゥアルの両親から謝罪を受け、私も数々の内緒にしていた出来事を謝罪。そうして今後も引き続き良い関係を続けていくことになり、4人とお別れをした直後のことでした。
きっと、タイミングを計ってくれていたんだと思う。お父様や裁判関係者の方とのお話しをされていたマリユ様が、戻ってこられた。
「彼らは即日収監され、時間の都合で明日から強制労働が始まる。そして今日刑が確定した事により、あの婚約は白紙となった。ようやく、終わったね」
「はい。マリユさんが手を差し伸べてくださったおかげで、全ての問題が解決しました。本当に、ありがとうございました」
私一人の力ではここまで来れなかったし、そもそも浮気に気付けなかった。
知らないまま、関係を続けていたら――。想像するだけでも、恐ろしい。
あの日声をかけてくださり、ありがとうございました。救ってくださり、ありがとうございました。
「今こうしていられるのは、マリユさんがずっと近くに居てくださっていたからです。なので、そのお礼をしたないなと思っていて。明日は――明日から6日間は確か、ずっとお仕事があるんでしたよね?」
「うん。大公閣下との会食などがあって、来週まで慌ただしくなっているんだよ」
昨日の夜にアリス様が『今週中に片が付いてよかった』と、そういった風なことを仰っていた。思っていた通り、当分はお忙しいみたい。
「でしたら、1週間後の夕方。できれば午後の4時20分頃に、私のお部屋にいらしてくださいませんか?」
この時期なら、その時間が一番。2つのお礼をしたいので、お時間をいただけませんか?
「このお手伝いは自分の意思で、お礼は不要なのだけれど――お断りするのは、却って失礼に当たるね。その時間に伺うよ」
「ありがとうございます……っ。大したものではないと思うんですけど、私にとっては特別なものなんです。その日は、よろしくお願いします」
両手を前で揃えてお辞儀を行い、もっとお喋りをしていたいところだけど――。私は原告。この件に関することで色々な書類にサインをしたり、改めて確認をしたりすることがあるため、今日はここでお別れ。
「ソフィー、行こうか。……マリユ・ジョンピス様、数々のご助力痛み入ります」
「マリユさん、行ってきます。そして1週間後、お待ちしています」
「必ず、午後4時20分に伺うよ。いってらっしゃい、ソフィーさん」
戻ってきたお父様に頷き、マリユさんとは手を振り合って、一旦のさようなら。そうして私は浮気に関するものを全て処理して、その後家に戻ったらすぐに、別の作業の始まり。お礼その1に関することを、あれこれ考え始めたのでした。
そして――。
それが終わると、お礼とは別のことを考え始めて。私は翌日、お父様の書斎を訪ねることにしたのでした。
閉廷後。裁判所内の廊下で、おじさん、おばさん、おじ様、おば様――カーラとエドゥアルの両親から謝罪を受け、私も数々の内緒にしていた出来事を謝罪。そうして今後も引き続き良い関係を続けていくことになり、4人とお別れをした直後のことでした。
きっと、タイミングを計ってくれていたんだと思う。お父様や裁判関係者の方とのお話しをされていたマリユ様が、戻ってこられた。
「彼らは即日収監され、時間の都合で明日から強制労働が始まる。そして今日刑が確定した事により、あの婚約は白紙となった。ようやく、終わったね」
「はい。マリユさんが手を差し伸べてくださったおかげで、全ての問題が解決しました。本当に、ありがとうございました」
私一人の力ではここまで来れなかったし、そもそも浮気に気付けなかった。
知らないまま、関係を続けていたら――。想像するだけでも、恐ろしい。
あの日声をかけてくださり、ありがとうございました。救ってくださり、ありがとうございました。
「今こうしていられるのは、マリユさんがずっと近くに居てくださっていたからです。なので、そのお礼をしたないなと思っていて。明日は――明日から6日間は確か、ずっとお仕事があるんでしたよね?」
「うん。大公閣下との会食などがあって、来週まで慌ただしくなっているんだよ」
昨日の夜にアリス様が『今週中に片が付いてよかった』と、そういった風なことを仰っていた。思っていた通り、当分はお忙しいみたい。
「でしたら、1週間後の夕方。できれば午後の4時20分頃に、私のお部屋にいらしてくださいませんか?」
この時期なら、その時間が一番。2つのお礼をしたいので、お時間をいただけませんか?
「このお手伝いは自分の意思で、お礼は不要なのだけれど――お断りするのは、却って失礼に当たるね。その時間に伺うよ」
「ありがとうございます……っ。大したものではないと思うんですけど、私にとっては特別なものなんです。その日は、よろしくお願いします」
両手を前で揃えてお辞儀を行い、もっとお喋りをしていたいところだけど――。私は原告。この件に関することで色々な書類にサインをしたり、改めて確認をしたりすることがあるため、今日はここでお別れ。
「ソフィー、行こうか。……マリユ・ジョンピス様、数々のご助力痛み入ります」
「マリユさん、行ってきます。そして1週間後、お待ちしています」
「必ず、午後4時20分に伺うよ。いってらっしゃい、ソフィーさん」
戻ってきたお父様に頷き、マリユさんとは手を振り合って、一旦のさようなら。そうして私は浮気に関するものを全て処理して、その後家に戻ったらすぐに、別の作業の始まり。お礼その1に関することを、あれこれ考え始めたのでした。
そして――。
それが終わると、お礼とは別のことを考え始めて。私は翌日、お父様の書斎を訪ねることにしたのでした。
5
あなたにおすすめの小説
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
あなたと妹がキモ……恐いので、婚約破棄でOKです。あ、あと慰謝料ください。
百谷シカ
恋愛
「妹が帰って来たので、今日はこれにて。また連絡するよ、ルイゾン」
「えっ? あ……」
婚約中のティボー伯爵令息マルク・バゼーヌが、結婚準備も兼ねた食事会を中座した。
理由は、出戻りした妹フェリシエンヌの涙の乱入。
それからというもの、まったく音沙汰ナシよ。
結婚予定日が迫り連絡してみたら、もう、最悪。
「君には良き姉としてフェリシエンヌを支えてほしい。婿探しを手伝ってくれ」
「お兄様のように素敵な方なんて、この世にいるわけがないわ」
「えっ? あ……ええっ!?」
私はシドニー伯爵令嬢ルイゾン・ジュアン。
婚約者とその妹の仲が良すぎて、若干の悪寒に震えている。
そして。
「あなたなんかにお兄様は渡さないわ!」
「無責任だな。妹の婿候補を連れて来られないなら、君との婚約は破棄させてもらう」
「あー……それで、結構です」
まったく、馬鹿にされたものだわ!
私はフェリシエンヌにあらぬ噂を流され、有責者として婚約を破棄された。
「お兄様を誘惑し、私を侮辱した罪は、すっごく重いんだからね!」
なんと、まさかの慰謝料請求される側。
困った私は、幼馴染のラモー伯爵令息リシャール・サヴァチエに助けを求めた。
彼は宮廷で執政官補佐を務めているから、法律に詳しいはず……
【完結】出逢ったのはいつですか? えっ? それは幼馴染とは言いません。
との
恋愛
「リリアーナさーん、読み終わりましたぁ?」
今日も元気良く教室に駆け込んでくるお花畑ヒロインに溜息を吐く仲良し四人組。
ただの婚約破棄騒動かと思いきや・・。
「リリアーナ、だからごめんってば」
「マカロンとアップルパイで手を打ちますわ」
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済みです。
R15は念の為・・
婚約破棄を受け入れたのは、この日の為に準備していたからです
天宮有
恋愛
子爵令嬢の私シーラは、伯爵令息レヴォクに婚約破棄を言い渡されてしまう。
レヴォクは私の妹ソフィーを好きになったみたいだけど、それは前から知っていた。
知っていて、許せなかったからこそ――私はこの日の為に準備していた。
私は婚約破棄を言い渡されてしまうけど、すぐに受け入れる。
そして――レヴォクの後悔が、始まろうとしていた。
「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです
ほーみ
恋愛
「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」
その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。
──王都の学園で、私は彼と出会った。
彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。
貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。
成人したのであなたから卒業させていただきます。
ぽんぽこ狸
恋愛
フィオナはデビュタント用に仕立てた可愛いドレスを婚約者であるメルヴィンに見せた。
すると彼は、とても怒った顔をしてフィオナのドレスを引き裂いた。
メルヴィンは自由に仕立てていいとは言ったが、それは流行にのっとった範囲でなのだから、こんなドレスは着させられないという事を言う。
しかしフィオナから見れば若い令嬢たちは皆愛らしい色合いのドレスに身を包んでいるし、彼の言葉に正当性を感じない。
それでも子供なのだから言う事を聞けと年上の彼に言われてしまうとこれ以上文句も言えない、そんな鬱屈とした気持ちを抱えていた。
そんな中、ある日、王宮でのお茶会で変わり者の王子に出会い、その素直な言葉に、フィオナの価値観はがらりと変わっていくのだった。
変わり者の王子と大人になりたい主人公のお話です。
初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる