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第22話 あれから7日後 2つのお礼と、大切なお話(5)
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「ソフィーさん。実を言うと僕は、ずっと貴方に恋をしていたんですよ」
抱き締められた私は、そうされながら知りました。
マリユさんは手紙でやり取りをしているうちに、好意を持ってくれるようになっていた。けれどマリユさんは、『ハトの知人』。私を想って打ち明けるという選択肢を捨て、その気持ちに蓋をしてくれていたそうです。
「知れば知るほど良い印象だけが増えていって、気が付くと貴方という人間が好きになっていました。友人としても異性としても、かけがえのない存在になっていたんです」
「マリユさん……っ。そう、だったんですね……っ」
「僕も諦めていましたが、こうして出会う事になった。そのため可能性が蘇ったのだけれど、浮気事件があった。そのため、引き続き本心は隠す予定でした」
ハトの友人として今後も付き合い、支えていこう――。そう、思ってくれていたそうです。
「けれど、貴方は――。想いを、告げてくれた」
「その人が、マリユさんでしたから。想いを、告げさせてもらいました」
もし相手がマリユさんじゃなかったから、私はこうしていない――出来ていなかった。恋に臆病になっていて、当分、もしかしたらずっと、恋をできなかったと思う。
だけど、この方は違う。8年間とあの13日間が、私を動かしてくれたんです。
「だから僕も、有るがままを伝える事にした。……仲のいい異性が出来たと知った時はショックで、婚約を知った時は内心落ち込んでしまった。それほどまでにソフィーさんは、僕の中心だったんだ」
その言葉と共に抱き締められる力が強まり、でも。それは優しく温かくって、少しも痛くはありません。
「貴方が僕をそう想ってくれているように、僕にとってもソフィーさんは特別な人。いつまでも、笑顔でいて欲しい人。……なので僕も、決める。誓うね」
今度は腕の力が緩まり、マリユさんは一歩下がる。そして私の瞳を、真っすぐ見つめました。
「ソフィーさん。これからは傍で、貴方を支えます。その笑顔が途切れる事はない、そんな毎日を過ごせるようお約束します」
マリユさんは一瞬たりとも目を離さず伝えてくれて、ふわり。真摯だった茶色の瞳が柔らかく細まり、お顔が近づいてくる。
これは、そう。私も、今一番したいと思っていること。
「ソフィーさん……。愛しています。大好きです」
「マリユさん……。私も、愛しています。大好きです」
そうして離れた身体が、再び近づいていって――キス。私達は言葉だけではなく、体温や感触でも、愛を感じ合ったのでした――。
抱き締められた私は、そうされながら知りました。
マリユさんは手紙でやり取りをしているうちに、好意を持ってくれるようになっていた。けれどマリユさんは、『ハトの知人』。私を想って打ち明けるという選択肢を捨て、その気持ちに蓋をしてくれていたそうです。
「知れば知るほど良い印象だけが増えていって、気が付くと貴方という人間が好きになっていました。友人としても異性としても、かけがえのない存在になっていたんです」
「マリユさん……っ。そう、だったんですね……っ」
「僕も諦めていましたが、こうして出会う事になった。そのため可能性が蘇ったのだけれど、浮気事件があった。そのため、引き続き本心は隠す予定でした」
ハトの友人として今後も付き合い、支えていこう――。そう、思ってくれていたそうです。
「けれど、貴方は――。想いを、告げてくれた」
「その人が、マリユさんでしたから。想いを、告げさせてもらいました」
もし相手がマリユさんじゃなかったから、私はこうしていない――出来ていなかった。恋に臆病になっていて、当分、もしかしたらずっと、恋をできなかったと思う。
だけど、この方は違う。8年間とあの13日間が、私を動かしてくれたんです。
「だから僕も、有るがままを伝える事にした。……仲のいい異性が出来たと知った時はショックで、婚約を知った時は内心落ち込んでしまった。それほどまでにソフィーさんは、僕の中心だったんだ」
その言葉と共に抱き締められる力が強まり、でも。それは優しく温かくって、少しも痛くはありません。
「貴方が僕をそう想ってくれているように、僕にとってもソフィーさんは特別な人。いつまでも、笑顔でいて欲しい人。……なので僕も、決める。誓うね」
今度は腕の力が緩まり、マリユさんは一歩下がる。そして私の瞳を、真っすぐ見つめました。
「ソフィーさん。これからは傍で、貴方を支えます。その笑顔が途切れる事はない、そんな毎日を過ごせるようお約束します」
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これは、そう。私も、今一番したいと思っていること。
「ソフィーさん……。愛しています。大好きです」
「マリユさん……。私も、愛しています。大好きです」
そうして離れた身体が、再び近づいていって――キス。私達は言葉だけではなく、体温や感触でも、愛を感じ合ったのでした――。
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