婚約者と幼馴染が浮気をしていたので、チクチク攻撃しながら反撃することにしました

柚木ゆず

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エピローグ 2年後 マリユ視点

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 僕が愛する人は、真っすぐで心が綺麗な人。そしてなにより、有言実行な人でした。

「お父様。あの日からずっと、ありがとうございました」
「ああ。……今日まで、よく頑張ったな。お前はわたしとミラリスの自慢の娘であり、頼れる次期商会長だ」

 お父さんと共にヴァージンロードを歩く、ソフィー・・・・。彼女はあの日から、妥協なき努力を重ねた。

『新米貴族が嫁ぐとなると、マリユさんが周りから色々な事を言われてしまいます』
『ですので、そんな声は封殺します。周囲にしっかりと認められる存在になって結婚式に挑み、その際は堂々とマリユさんの隣に立ちますっ』

 彼女は僕のために全力で走り続け、僅か2年で現商会長が持つイロハを身につけた。名実ともに『次の顔』となり、今や上級貴族からも一目置かれる存在になっているんです。
 すごい人、ですよね。
 その成長速度は凄まじく、すっかり立場が逆転。僕の方が不相応になりそうでしたし、最愛の人にこんなにも想ってもらえて、嬉しくないはずがありません。
 なのでこちらも自身の研磨を続け、今ではこの国の宰相を務めさせていただいています。彼女に負けじと知識を蓄え、陛下からは『歴代最高となるだろう』との賛辞を頂戴するようになりました。

『ソフィーさん。これからは傍で、貴方を支えます。その笑顔が途切れる事はない、そんな毎日を過ごせるようお約束します』

 新婦が約束を守る人なのに、新郎が約束を守れない人ではいけません。それに何より、彼女が悲しむことは僕自身が嫌ですからね。
 これからも、これまで同様――いえ。これまで以上に、幸せな毎日にしてみせます。

「…………マリユさん。お待たせしました・・・・・・・・

 ヴァージンロードを進み、僕の傍まで来てくれたソフィー。ベールアップを行うと、彼女はいくつかの想いを込めた言葉を呟いてくれた。そして僕達は『ハトの知人』として文通をしていたので、

《貴方の存在があるから、私はここまで走ってこれました。これまで、ありがとうございます。これからも、よろしくお願いします》
《僕も君の存在があるから、走ってこられた、走っていけるんだよ。……これからも、よろしくお願いします》

 手紙を、交換する。
 大切な人からの、大切なメッセージ。それを読み終えた僕達は、しっかりと手紙を持ったまま――

「愛しています、マリユさん」
「愛しています、ソフィー」

 ――誓いのキスを交わす。
 こうして僕達は夫婦となり、僕らは『ハトの夫婦』となったのだった――。

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