婚約者と幼馴染が浮気をしていたので、チクチク攻撃しながら反撃することにしました

柚木ゆず

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番外編 エドゥアルとカーラの2年後(エドゥアル編) 俯瞰視点

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「くそ……っ。くそ……っ」

 この国の北部にある、ラング鉱山。そこでは今日も、強制労働を課せられた者達が汗を流していました。

「くそ……っ。くそぉ……っ」

 支給品の白いシャツと茶色いズボンを着用し、ぶつぶつ言いながら手押し車を押している彼もその一人。
 この者の名前は、エドゥアル。かつて貴族籍を所有していた、元貴族の男です。

「くそ……っ。くそぉ……っ。くそぉ……! どうしてこの俺が、こんなことを……!!」

 その理由は、婚約者を裏切り悪事を企んだから。エドゥアルは今から2年前に複数の罪を犯し、それによって破産。1億ルビラを稼ぐまで――何十年間も、こういった生活が続くようになってしまったのです。

「くそ……っ。くそ……っっ。くそ……っっ。ソフィーぃ……っ。マリユぅ……っ。カーラぁ……っ。お前らのせいだ……!!」

 ソフィーが魅力的ではなかったから気持ちが移った。ソフィーが金持ちでなければ、あんなことは考えなかった。
 マリユが余計なことをしなければ、発覚することはなかった。
 カーラが俺の気持ちに応えなければ、関係はできなかった。

 2年経っても、彼の思考回路はあの頃とおんなじ。
 自分は悪くない。悪いのは周り。俺は裏切られた被害者なんだ!
 エドゥアルは本気で、そう思っているのです。

「くそ……っ。くそぉ……っ。くそがぁ……っっ!」

 なので労働中も休憩中も常に文句を言い続け、その影響なのでしょう。整っていた顔は邪悪に歪み、醜く悪人然としたものになっていました。
 そのため、

「見ていろよ、お前ら……っ。……ここから再起を果たし、成功した人間は過去に存在しているんだ……っ」

「俺も、必ずその仲間入りを果たす……っ。早くここを出て、お前らよりも幸せになってやる……!! 最後に笑うのは、俺だからな……っ。見ていろよ……!!」

 そんな逆転劇を目論んでいましたが、それは不可能。ようやく1億ルピアを揃えた頃には、更に容姿が禍々しくなっており――。


 醜い内心が剥き出しの者とは、誰も関係を持ちたがりません。


 それ故に一切の協力を得られることはなく、エドゥアルの野望は失敗に終わり――

「くそぉぉぉぉぉ……っ。アイツらのせいでぇぇぇぇぇぇ……!!」

 ――彼は生涯無様に逆恨みを続け、最後に笑うことはできなかったのでした。

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