婚約者と幼馴染が浮気をしていたので、チクチク攻撃しながら反撃することにしました

柚木ゆず

文字の大きさ
72 / 72

番外編 エドゥアルとカーラの2年後(カーラ編) 俯瞰視点 完全版

しおりを挟む
「…………え? ね、ねえ! 今、なんて言ったのっ?」

 ラング鉱山での強制労働生活が始まって、2年と少しが経過した頃。食堂内で昼食を――パンと牛乳を齧り飲んでいたカーラは、身体全体を真後ろに向けました。
 彼女が大きく目を見開いている相手。それはこの施設の監視人スタッフである、軍所属の女性2人でした。

「い、今喋っていたことをっ! もう一回言って!」
「なんなのよ、急に……。いつも注意しているけど人に尋ねる態度じゃないし、なんでそんなにも食いつく――ああ。そういうことね」
「そういえばアンタは、あの方と縁があったわね。いいわ、もう一回言ってあげる」

 2人の女性は目の前の人間は元貴族のカーラだと思い出し、その反応に納得。未だに不貞腐れているカーラは態度が悪く手を焼いていたため、あえて、丁寧に教えることにしました。

「マリユ・ジョンピス様とソフィー・ハツルエ様が、ご結婚されたのよ。先日ね」
「そしてそのソフィー・ジョンピス様に、勲章が授与されることが決まったそうよ」

 カーラが逆恨みをしたりぼやいている間に、ソフィーは必死に勉強。厳しく鍛えて様々なものを吸収した彼女は、隣国を相手にした商売を企画提案し、成功させていました。
 勲章はそんな功績を称えられて全会一致で決まり、ついには王族からも一目置かれるようになっていたのです。

「う、嘘……っ、嘘よ……っ! 結婚はともかくっ、たった2年でそんなわけ……っ! そんなわけないわ……っ!!」
「はぁ。アンタに嘘を吐いて、私になんの得があるのよ」
「そもそもワタシ達の会話に、アンタが入って来たんでしょ? 新聞に載っているようにここにあるように、勲章授与の件も紛れもない事実よ」
「じゃ、じゃあっ! それはっ、マリユ・ジョンピスの――夫のおかげだわ!! 自分の妻に箔をつけようとしてっ、王族に頼み込んだのよっ!!」

 カーラは、ソフィーの決意を知りません。そのため急成長を信じられず、2人が違うと否定しても断言。テーブルに拳を叩きつけ、激昂しながら立ち上がります。

「侯爵家なら可能だものっ!! ソフィーアイツにそんな実力はない!! 商会長が務まる人間じゃない事はっ、わたくしが誰よりも知ってる!! ……ふ~ん、勲章って軽いものなんだ……っ。それに、王族って内輪には甘いのね……っ。地位、職権の乱用だわ」
「……アンタ、その辺にしておきな」
「それ以上言うと、侮辱罪を適用するわよ。更に罰が増えても――」
「事実を言って何が悪いの!? 騙した程度で・・・・・・わたくしがこんな目に遭うのなら、ヤツらだって同じ目に遭わなければいけないでしょっ!! おかしいでしょ!! わたくしを睨みつける暇があるなら、ソフィーを調べてみなさいよっ! そしたら分不相応と分かって、この国の王族共が身内に甘いバカだって気が付くわっ!!」

 納得できない、そして何より、ソフィーの幸せが許せないカーラ。そんな彼女は制止を無視して叫び回り、ソフィーや王たちを何度も何度も侮辱します。
 たっぷりとそうしたことによって爆発した怒りはある程度収まりましたが、その代償は大きなものとなりました。

 ――根拠のない王達への非難、暴言は、罪となります――。

 そのためカーラの罪は更に増えてしまい、

「また、ソフィーのせいで……っ。わたくしの人生が、滅茶苦茶になった……っ。そふぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 鉱山に、無様で醜い絶叫が響いたのでした。



しおりを挟む
感想 226

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(226件)

虎 正規
2023.04.17 虎 正規
ネタバレ含む
2023.04.18 柚木ゆず

虎 正規様。わざわざ感想をくださり、ありがとうございます。

申し訳ございません。おなかの件にかんしてましては、実はとあるネタバレを含んでおりまして。
先に事実を知ってしまうと問題があるつくりとなっておりますので、すみませんがノーコメントとさせていただきたく思います。

顔に関してですが、こちらは彼視点での発言になります。
もちろんかのじょは不細工ではなく、美人と呼ばれる容姿となっております。

解除
虎 正規
2023.04.16 虎 正規
ネタバレ含む
2023.04.16 柚木ゆず

虎 正規様。わざわざ感想をくださり、ありがとうございます。

そう、ですね。
動物と人では唾液の中にあるもの(菌など)が違っているため、もしも食べたのならばかなり大変なことになります。下痢で済めばいい、そういったくらいのことだと思います。

解除
セライア(seraia)

それぞれ、自身が納得できるケジメをつけて、道理も筋も通して、想いを確かめ合って・・・2人とも、さすがですね👍
そんな2人だからこそ、周りからも応援されて幸せに暮らしていくんでしょうね☺

2021.04.05 柚木ゆず

seraia様。お返事が遅くなってしまい、申し訳ございません。

わざわざ感想をくださり、ありがとうございます。

2人はずっと、2人らしさを貫きました。
そして、おっしゃられている通りだと思います。

地位などは関係なく。この2人だからこそ。
周りは応援したくなり、幸せに暮らしていけるのだと思います……っ。

解除

あなたにおすすめの小説

そんなに妹が好きなら死んであげます。

克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。 『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』 フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。 それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。 そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。 イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。 異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。 何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……

あなたと妹がキモ……恐いので、婚約破棄でOKです。あ、あと慰謝料ください。

百谷シカ
恋愛
「妹が帰って来たので、今日はこれにて。また連絡するよ、ルイゾン」 「えっ? あ……」 婚約中のティボー伯爵令息マルク・バゼーヌが、結婚準備も兼ねた食事会を中座した。 理由は、出戻りした妹フェリシエンヌの涙の乱入。 それからというもの、まったく音沙汰ナシよ。 結婚予定日が迫り連絡してみたら、もう、最悪。 「君には良き姉としてフェリシエンヌを支えてほしい。婿探しを手伝ってくれ」 「お兄様のように素敵な方なんて、この世にいるわけがないわ」 「えっ? あ……ええっ!?」 私はシドニー伯爵令嬢ルイゾン・ジュアン。 婚約者とその妹の仲が良すぎて、若干の悪寒に震えている。 そして。 「あなたなんかにお兄様は渡さないわ!」 「無責任だな。妹の婿候補を連れて来られないなら、君との婚約は破棄させてもらう」 「あー……それで、結構です」 まったく、馬鹿にされたものだわ! 私はフェリシエンヌにあらぬ噂を流され、有責者として婚約を破棄された。 「お兄様を誘惑し、私を侮辱した罪は、すっごく重いんだからね!」 なんと、まさかの慰謝料請求される側。 困った私は、幼馴染のラモー伯爵令息リシャール・サヴァチエに助けを求めた。 彼は宮廷で執政官補佐を務めているから、法律に詳しいはず……

【完結】出逢ったのはいつですか? えっ? それは幼馴染とは言いません。

との
恋愛
「リリアーナさーん、読み終わりましたぁ?」 今日も元気良く教室に駆け込んでくるお花畑ヒロインに溜息を吐く仲良し四人組。 ただの婚約破棄騒動かと思いきや・・。 「リリアーナ、だからごめんってば」 「マカロンとアップルパイで手を打ちますわ」 ーーーーーー ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。 完結迄予約投稿済みです。 R15は念の為・・

<完結> 知らないことはお伝え出来ません

五十嵐
恋愛
主人公エミーリアの婚約破棄にまつわるあれこれ。

婚約破棄を受け入れたのは、この日の為に準備していたからです

天宮有
恋愛
 子爵令嬢の私シーラは、伯爵令息レヴォクに婚約破棄を言い渡されてしまう。  レヴォクは私の妹ソフィーを好きになったみたいだけど、それは前から知っていた。  知っていて、許せなかったからこそ――私はこの日の為に準備していた。  私は婚約破棄を言い渡されてしまうけど、すぐに受け入れる。  そして――レヴォクの後悔が、始まろうとしていた。

「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです

ほーみ
恋愛
 「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」  その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。  ──王都の学園で、私は彼と出会った。  彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。  貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。

成人したのであなたから卒業させていただきます。

ぽんぽこ狸
恋愛
 フィオナはデビュタント用に仕立てた可愛いドレスを婚約者であるメルヴィンに見せた。  すると彼は、とても怒った顔をしてフィオナのドレスを引き裂いた。  メルヴィンは自由に仕立てていいとは言ったが、それは流行にのっとった範囲でなのだから、こんなドレスは着させられないという事を言う。  しかしフィオナから見れば若い令嬢たちは皆愛らしい色合いのドレスに身を包んでいるし、彼の言葉に正当性を感じない。  それでも子供なのだから言う事を聞けと年上の彼に言われてしまうとこれ以上文句も言えない、そんな鬱屈とした気持ちを抱えていた。  そんな中、ある日、王宮でのお茶会で変わり者の王子に出会い、その素直な言葉に、フィオナの価値観はがらりと変わっていくのだった。  変わり者の王子と大人になりたい主人公のお話です。

初耳なのですが…、本当ですか?

あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た! でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。