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第5話 その後のイザック達 俯瞰視点(2)
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「マイリス……。お前……。どうしてここにいるんだ……?」
「貴方こそ……。なぜ、ここにいるんですの……?」
イザックとマイリス。二人は目を見開き、たまらず指をさし合います。
そしてそのまま、沈黙が十秒ほど続き――。室内では不意に、息を呑む声が6つ発生しました。
「そうか分かったぞ!! お前達も支援の依頼に来たんだな!?」
「『も』っ、思った通りですわ!! 貴方達もそう考えていたんですのね!?」
イザックとマイリスは立て続けに大声を上げ、それを合図にして両家による睨み合いが始まります。
「我々が先に来ているのだ。退きたまえタユレス卿……!」
「順番など関係はありませぬ。こちらの存在が不愉快なのであれば、そちらが退かれてはどうですかな……っ」
「邪魔をしないで頂戴! この家は先にわたくし達が目を付けたのよ!!」
「いいえ、わたくし達の方が先ですわ! 距離の関係で到着がそちらより遅くなっただけですわ!!」
金額的に考えて、両方には貸してもらえない――。両方が頼めば、片方は断れてしまう――。大金を貸す余裕がある家は、限られている――。
そんな理由で、6人はバチバチと火花を散らしていたのでした。
「大体っ、捏造の話はそちらからの提案だ!! 我々タユレス家は被害者なのですぞ!! 譲るのが筋でしょう!!」
「そちらだって乗り気だったではないか!! 率先して動いていたではないか!! 見苦しいぞ!!」
「貴女の息子が余計な事を企まなければ何も起きていないのよ!! その責任を取って去っていただきますわ!!」
「証拠となったチャームは貴女の娘の失態でしょう!! 責任を取るのはそちらよ!!」
「貴方がわたくしに一目惚れをしなかったら巻き込まれなかった!! わたくし達の言う事に従うべきですわ!!」
「それはこちらの台詞だ!! あの時お前を見なければ恋人はいなかったっ、こんな形で証拠を握られる羽目にはならなかったんだ!! お前が従え!!」
6人はずっと罪を擦り付け合っていて、『協力する』という発想はありません。そのため大喧嘩を行い、彼らは全員が忘れてしまっていますが――。今そうしているのは、他家の執務室です。
そのため、
「……リトラン家の皆様。タユレスの皆様。お引き取りください」
新たに部屋へとやって来た、大柄の男性――この部屋の持ち主である当主グエンから、そう告げられてしまったのでした。
「貴方こそ……。なぜ、ここにいるんですの……?」
イザックとマイリス。二人は目を見開き、たまらず指をさし合います。
そしてそのまま、沈黙が十秒ほど続き――。室内では不意に、息を呑む声が6つ発生しました。
「そうか分かったぞ!! お前達も支援の依頼に来たんだな!?」
「『も』っ、思った通りですわ!! 貴方達もそう考えていたんですのね!?」
イザックとマイリスは立て続けに大声を上げ、それを合図にして両家による睨み合いが始まります。
「我々が先に来ているのだ。退きたまえタユレス卿……!」
「順番など関係はありませぬ。こちらの存在が不愉快なのであれば、そちらが退かれてはどうですかな……っ」
「邪魔をしないで頂戴! この家は先にわたくし達が目を付けたのよ!!」
「いいえ、わたくし達の方が先ですわ! 距離の関係で到着がそちらより遅くなっただけですわ!!」
金額的に考えて、両方には貸してもらえない――。両方が頼めば、片方は断れてしまう――。大金を貸す余裕がある家は、限られている――。
そんな理由で、6人はバチバチと火花を散らしていたのでした。
「大体っ、捏造の話はそちらからの提案だ!! 我々タユレス家は被害者なのですぞ!! 譲るのが筋でしょう!!」
「そちらだって乗り気だったではないか!! 率先して動いていたではないか!! 見苦しいぞ!!」
「貴女の息子が余計な事を企まなければ何も起きていないのよ!! その責任を取って去っていただきますわ!!」
「証拠となったチャームは貴女の娘の失態でしょう!! 責任を取るのはそちらよ!!」
「貴方がわたくしに一目惚れをしなかったら巻き込まれなかった!! わたくし達の言う事に従うべきですわ!!」
「それはこちらの台詞だ!! あの時お前を見なければ恋人はいなかったっ、こんな形で証拠を握られる羽目にはならなかったんだ!! お前が従え!!」
6人はずっと罪を擦り付け合っていて、『協力する』という発想はありません。そのため大喧嘩を行い、彼らは全員が忘れてしまっていますが――。今そうしているのは、他家の執務室です。
そのため、
「……リトラン家の皆様。タユレスの皆様。お引き取りください」
新たに部屋へとやって来た、大柄の男性――この部屋の持ち主である当主グエンから、そう告げられてしまったのでした。
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